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独立水系! 師匠と一緒に東方ガサガサ

前回の続き。

昼食を영천(ヨンチョン 永川)バスターミナル前の육회(ユクフェ 肉膾 ユッケ)料理の店で食べたのち、師匠の車の後についていくと、その車は貯水池の脇を通り、峠を越えて、とある河川にたどり着いた。
地図で確認すると、そこは포항(ポハン 浦項)市。製鉄所のある大きな工業都市だな。
ということは……我々は낙동강(ナクトンガン 洛東江)水系を越えて、日本海に流れる東方独立水系に入ってしまったということだ。東方独立水系というと、わしは今まで北のほう、강원도(カンウォンド 江原道)は고성군(コーソングンン 高城郡)のほうくらいしか経験がなかったが、師匠の導きもあって、今回は南のほう、형산강(ヒョンサンガン 兄山江)の支流にたどり着いたわけである。


場所はこんな感じ。永川の時と同じように、橋の下では地元の人たちがなんか宴会やってる。この季節農家の人たちって暇なのかしらん。

師匠にいざなわれるままガサガサ突入。
この場所では普通にガサガサしていたけど、あとになってこの川が「なんてこったい」な状況になっていることに気づかされるのだった。

참갈겨니(チャムカルギョニ 和名不明 カワムツの新種 チョウセンカワムツ? Zacco koreanus → Nipponocypris koreanus)がとれる。しかしとれるのは皆NSタイプであり、ここら辺にいそうなNEタイプは全然とれない。

참갈겨니(チャムカルギョニ 和名不明 カワムツの新種 チョウセンカワムツ? Zacco koreanus → Nipponocypris koreanus)
なお、참갈겨니のタイプに関しては、こちらをご覧くだされ。


밀어(ミルオ 和名不明 ヨシノボリの一種 Rhinogobius SP.)も、ここならCタイプがいるかなと思ったが、残念ながらCタイプとは出会えなかった。もっと南のほうに行かなければならないようだ。

しかしながら、結果が凡庸であったというわけではないぞ。ここに来た甲斐があったと言える出会いもあった。

동방종개(トンバンジョンゲェ 東方條鰍 和名不明 East speckle spined loach = ヒガシマダラシマドジョウ? Iksookimia yongdokensis)
동방종개(トンバンジョンゲェ 東方條鰍 和名不明 East speckle spined loach = ヒガシマダラシマドジョウ? Iksookimia yongdokensis)!!
東方独立水系である형산강水系と영덕(ヨンドク 盈徳)오십천(オーシプチョン 五十川)水系にのみ生息するドジョウだ。1997年に新種登録されているようだ。

동방종개(トンバンジョンゲェ 東方條鰍 和名不明 East speckle spined loach = ヒガシマダラシマドジョウ? Iksookimia yongdokensis)
骨質板は「包丁のごとき」形とのことだ。ちなみにこの2つの写真の個体は師匠がとった。

동방종개(トンバンジョンゲェ 東方條鰍 和名不明 East speckle spined loach = ヒガシマダラシマドジョウ? Iksookimia yongdokensis)
わしもとったどー。
こっちのほうが、師匠のとった個体よりも동방종개らしいカラーリングをしてる。참종개(チャムジョンゲェ 和名コウライシマドジョウ チョウセントゲドジョウ? Iksookimia koreensis)にとてもよく似ているのだけど、この동방종개は他の近縁種と比べて染色体数が倍なのだそうだ。4倍体と書いてあったけど計算合っているのかな?

동방종개(トンバンジョンゲェ 東方條鰍 和名不明 East speckle spined loach = ヒガシマダラシマドジョウ? Iksookimia yongdokensis)
まぁメスだけどな。骨質板ないよ。

점몰개(ジョムモルゲェ 和名コウライイトモロコ Squalidus multimaculatus)
そして、東方独立水系といえばこれ。점몰개(ジョムモルゲェ 和名コウライイトモロコ Squalidus multimaculatus)。師匠がとった。残念ながら撮影までに死んじゃったけど。
ご覧のとおり、体の側面に8個ほどの「点」が並ぶモロコ。わしが出会いたかった魚種の一つでもある。できれば自分でとりたかったな。


참갈겨니を観察中の師匠。


참갈겨니の婚姻色。追星って左右非対称に出るものなのですな。


この他には동사리(ドンサリ 和名コウライドンコ Odontobutis platycephala)なんかもいて、「赤い동사리」も何個体か採集できた。
わしとしては、まぁこんなものかと思っていたが、師匠としては少々手応え不足だったようで、「場所を変えよう」と言い出した。まぁこの際だから付き合いましょうと、またもや師匠の車の後についていったのだが……。


次についた場所はこんなところ。場所としては先ほどの場所の上流。
……水が見えないんですけど。というか、本当に川に水がない。川が干上がっちゃってる。
「昔はこんなになってなかったのに」と嘆く師匠と一緒に下流のほうに行き、堰があるその下で、ようやく「水たまり」を見つけた。汚い水たまりだったが、まぁやってみようと、師匠とここで最後のガサガサに挑んだ。

잔가시고기(ジャンガシゴギ 和名ミナミトミヨ 南富魚 Pungitius kaibarae)
なんと! わしの網に잔가시고기が!!
つい数時間前に出会った別水系の잔가시고기とは、尾びれのかたちが違うような気がする(あくまでも主観)。別水系の잔가시고기の尾びれは、まんまるうちわのようだったが、こちらは三角うちわのような感じといったらよいのだろうか。

そしてここで師匠が、피라미(ピラミ 和名オイカワ Zacco platypus)をゲット。
피라미(ピラミ 和名オイカワ Zacco platypus)
なんと!! Bタイプ!!!!
Bタイプ、すなわちこれ、「オイカワBlack」なのである。目が赤くない、目が「黒い」オイカワなのである。メスだけどな。

韓国では最近、피라미に2タイプが生息していることが分かってきた。ひとつは形態的には日本のオイカワと変わらない、「目が赤い」피라미であり、最近発見されたのがこの「目が黒い」피라미というわけだ。慶尚北道・南道の山間部に生息し、「目が赤い」피라미よりも上流域に生息するとのことだ。

あれ、じゃ師匠、さっきの場所でわし피라미つかまえましたよ?と言って取り出してみると……。
피라미(ピラミ 和名オイカワ Zacco platypus)
これもBタイプ!
まぁ小さい個体だけどな。これもメスっぽいねぇ。今度いつかBタイプのオスをゲットして写真に収めねばならないな。

20150706164617.jpg
他にこの場所で採集できた個体。미꾸리(ミックリ 和名ドジョウ Misgurnus anguillicaudatus)、메기(メギ 和名ナマズ Silurus asotus) 、꾹저구(ッグクジョグー 和名ウキゴリ Chaenogobius urotaenia)、버들치(ボドゥルチ 和名コウライタカハヤ Rhynchocypris oxycephalus)など。
あとで衛星写真を見て分かったことだが、この川、年を追うごとにどんどん干上がっている。最初行った場所はちゃんと水が流れていたけど、その上流にも下流にも、水がまったくない場所があった。要するに伏流水として川の水は流れているけれども、魚たちが住める環境がどんどん厳しくなっているということなのだろう。ここで出会った잔가시고기や동방종개たちが、いつまでこの川で暮らすことができるのか、本当に不安になる状況だった。

堰から上に上がるときに、川に流れ込む用水路を発見。そこで試しに網を入れたら、こんなのがとれちゃった。 20150706164813.jpg
渓流でもなんでもないところで、なーんと、そんなバカなの도롱뇽(ドーロンニョン サンショウウオ)。
ここでは学名まで追求しないことにしておく。最近、慶尚道の南部で、今まで「도롱뇽(ドーロンニョン 和名チョウセンサンショウウオ Hynobius leechii)」とされていたもので、遺伝子的に「種」といえるレベルで異なる3タイプが発見されたとのこと。ただ、形態的な差異を見分けるのは「極めて難しい」そうだ。


これで今回の紀行はおしまい。
帰ってくるときに、途中でガソリンがなくなって、SAに入ったらガソリンスタンドが夜10時までで閉まってて、仕方なしに高速道路から降りて下の道を通り、4大河川事業のひとつ이포보(イーポーボ 梨浦洑)の近くのガソリンスタンドで給油して帰ったので、帰宅にずいぶん時間がかかってしまった。
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コメント

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No title

詰まら~ん。タナゴが出て来ない「日韓ちゃんぽん」は、実にツ ・マ ・ラ~ ン!
日本海に流れる東方独立水系にはタナゴは居ないんでしょうか。
気にも留めなかったんですが、そう云えば私も釣行したことが有りませんです。

それよりも高速道路SAの給油所が10時で閉店とは困ったちゃんですね。
お疲れ様でした。

Re: No title

> 詰まら~ん。タナゴが出て来ない「日韓ちゃんぽん」は、実にツ ・マ ・ラ~ ン!

ありゃ~、井上さんそりゃないですよぉ。
韓国の山の上から河口までタナゴが고루고루住んでいるというわけではないのですから~


> それよりも高速道路SAの給油所が10時で閉店とは困ったちゃんですね。
> お疲れ様でした。

高速道路SAのガソリンスタンドはどこでも24時間営業だと思っていたのですが、やられました。とほほ。

No title

はじめまして、毎回ガサガサ記事を楽しみにみております。高麗オヤニラミとハスが好きで飼育しています。高麗オヤニラミが採取できるなんて羨ましいです。最近は物価の関係か人気がないためか、高麗オヤニラミが入荷されず寂しいな~と感じております。韓国ならどこの水系に高麗オヤニラミはいるのでしょうか?いつかわ韓国にいき自分で採取してみたい。またオヤニラミ記事楽しみにしております。

Re: No title

マルカ様
コメント有難うございます。
コメントをいただいていたのにすぐに対応できず、申し訳ございません。

> はじめまして、毎回ガサガサ記事を楽しみにみております。高麗オヤニラミとハスが好きで飼育しています。高麗オヤニラミが採取できるなんて羨ましいです。最近は物価の関係か人気がないためか、高麗オヤニラミが入荷されず寂しいな~と感じております。韓国ならどこの水系に高麗オヤニラミはいるのでしょうか?いつかわ韓国にいき自分で採取してみたい。またオヤニラミ記事楽しみにしております。

コウライオヤニラミは、韓国のだいたいどの河川にも生息しています。
早瀬になっているところで、石をめくれば出てきますよ。
漢江水系とそうでないところとで、ちょっと形態的特徴に差がありまして、漢江水系のコウライオヤニラミは体に「スポット」が出ます。個人的にはこの「スポット」が出た方がきれいだと思います。

No title

ご返答ありがとうございます。もう一つ質問ですがスポッツのある高麗オヤニラみとスポッツのない高麗オヤニラミは、どちらも25センチほどの大きさになるのでしょうか? ソウル近郊の河川にもいるのでしょうか?また時間がありましたら教えていただけると幸いです。

Re: No title

マルカ様
スポットのあるコウライオヤニラミとそうでないコウライオヤニラミとで、成長した時の大きさが異なるという話は聞いたことがないように思います。
20センチくらいのは出会ったことがありますが、25センチとなると稀なのではないでしょうか。網ではゲットできないくらい深くて流れの速いところにならいるかもしれません。

生息地ですが、ソウル市を流れる川が漢江(ハンガン)です。ソウル市内や、ソウル市近郊でも南部・西部では釣りや水遊びが禁止となっているところがとても多いのですが、ソウル市の北の山を越えた向こう側とか、ソウル市の東のほうに流れる王宿川(ワンスクチョン)では普通にコウライオヤニラミと出会うことができます。
プロフィール

アキミツ

Author:アキミツ
97年から韓国に住んでいます。妻は韓国人、子供たちは二重国籍です。
韓国の田舎で野良仕事からサーバー管理まで仕事をしつつ、ときどき川に行ってはガサガサして魚をとってます。

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