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師匠&達人と保寧ガサガサ! その1

7月に入り、韓国も梅雨の季節に突入した。連日、野外活動を控えたくなるような天気が続き、時には雨が激しく降って川も増水した。
そんな中、師匠の主催する淡水魚カフェ(インターネット上の同好会のようなもの)では、かねてより7月にオフラインミーティングを計画していた。わしもこのオフラインミーティングに参加すべく、日程の調整などをしていたのだが、7月に入り梅雨前線が停滞して、週間予報でこのオフラインミーティングのときに天気が悪くなる予報が出ると、残念な事だがオフラインミーティングの参加予定人数が少なくなってしまったようだった。

オフラインミーティングの開催地は、1週間ほど前に보령(ボーリョン 保寧)に決まった。保寧といえば5月に行ったばかりな訳だが、また行けるというのは実に光栄な事だ。それに奇跡的なことだが、保寧はここ1週間以上、まとまった雨が降っていなかった。従って川の環境などは梅雨の影響を殆ど受けていないと思われた。
オフラインミーティングの日程は1泊2日。そして韓国の天気予報では、1日目は曇りで殆ど雨の心配はなく、2日目に雨が降ると言うふうになっていた。魚の採集に出かけても、1日目は可能だが2日目は難しいという予報だ。だが、わしには勝算があった。

と言うわけで1日目。仕事を午前中に全部片付けて、いざ保寧へ!


初めて利用するぜ서해안고속도로(西海岸高速道路)。わしの家のほうでは雨が降っていたが、天気予報どおり南下するにつれて雨はやんだ。


そして達人の館である보령민물생태관(ボーリョン ミンムルセンテェグァン 保寧淡水生態館)に到着。ここが今回の集合場所であり今回の宿泊場所だった。魚をとるものにとって必要なすべてが完璧に揃っている場所だ。素晴らしい。実に素晴らしい。
 
行ってみて、ちょっと残念な事があった。それは、今回のオフラインミーティングは結局、師匠と達人曺先生とわしの3人のみの参加ということだった。もっとたくさんの人と交流することができないのは残念。翌日もう一人来る予定だったが、その人も来られないことになった。
なんてこったい。3人の中で明らかに見劣りするわし。だがしかし、師匠は여울마자(ヨウルマジャ 和名不明 Microphysogobio rapidus)の採集について評価をしてくださり、達人は達人で先日の達人ポイントでの採集結果を評価してくださった。感謝感激。
達人曰く、本来なら一緒に行って採集すべきだったが、翌日の仕事の関係上どうしても同行できなかった。それが残念で申し訳なかったと(実際、わしが無事目標魚種たちに出会って家に着いた旨を電話する前に達人のほうから電話を下さった。本来ならわしが電話せねばならなかったのに)。しかし、そこで出会える魚たちにひととおり出会えたことで、魚についての教養と採集の技術を持っているのだと分かったと。

そしてわしは、達人から「網」をいただいた。日本円にして5~700円で買えてしまう、水遊びの消耗品としての網ではなく、「漁具」として何年も付き合っていける網だ。
すんげー嬉しい。(T_T)カンルイ


さて、夕食にはまだまだ時間があるし、ちょっと行ってみよう、ということで、保寧の市内を流れる대천천(デェチョンチョン 大川川)に行くこととなった。

ちょっと脱線。보령(ボーリョン 保寧)市には대천(デェチョン 大川)と呼ばれる地域があって、そこは黄海に面する海水浴場があることで有名である。しかしそれだけではなく、砂質干潟も泥質干潟もあって、砂質干潟では潮干狩りが楽しめ、泥質干潟では「泥祭」なんかが行われる。
その干潟を作っているのが대천천(デェチョンチョン 大川川)という独立水系河川だ。近隣の山が源泉となり、2箇所ほどの貯水池を経て黄海に注ぐ。

そして今回これから向かう先は、대천천の貯水池の上流だ。何故そこに行くのか。それは、漢江から遠い独立水系であるこの川に、한강납줄개(ハンガンナプジュルゲェ 漢江납줄개 和名ニセヨーロッパタナゴ Rhodeus pseudosericeus)が棲息しているからである。


達人の車に、達人夫妻と師匠とわしとで乗り込んで、到着した場所はこんなところ。
水の量が多いと達人は仰る。


さっそく川に下りる達人と師匠。
師匠は相変わらず夏はウェーダーを着ないでそのまま川に突入するスタンスだ。
あれ?達人、網を持ってないよ?


と思ったらデカいの二人で使ってるしー!!

つ■達人の道具その1:二人족대(ジョクデェ 大陸式のサデ網)

二人がかりで使用する족대(ジョクデェ 大陸式のサデ網)。より広い範囲の魚を一網打尽にできる。
投網や定置網などは一般人の使用において不法だがこれは合法。ちなみに達人は事業者登録をされているいわゆる「어부(オブ 漁夫 漁師)」なので投網や定置網なども合法として扱えるのだ。

達人と師匠のコンビをうらやましく思いつつ、わしはとりあえず単独で網を持ってガサガサを始めた。達人の奥様はというと、こちらも単独で다슬기(ダスルギ 和名カワニナ)とりを始められた。

참갈겨니(チャムカルギョニ 和名不明 カワムツの新種 チョウセンカワムツ? Zacco koreanus → Nipponocypris koreanus)
最初にとれたのがこいつ。참갈겨니(チャムカルギョニ 和名不明 カワムツの新種 チョウセンカワムツ? Zacco koreanus → Nipponocypris koreanus)……なんだけど、なんかね、わしの家の前の川にいる참갈겨니の幼魚となんか体つきが違うように思えるんだよなぁ……。確かに同じHK型(참갈겨니には3タイプがいることが知られている。漢江・錦江水系のHK型、洛東江・蟾津江水系のNS型、洛東江と東側独立河川水系のNE型)なんだけど、なんというか갈겨니(カルギョニ 和名カワムツ Zacco temminckii → Nipponocypris temminckii)っぽいというか。でも、背びれから側線までの鱗の数を数えると10なので、やっぱり갈겨니ではない。
ちなみに師匠と達人の話によると、この川には갈겨니も生息すると言う。なんと!

각시붕어(カクシブンオ 和名ウエキゼニタナゴ カラバラタナゴ Rhodeus uyekii → Rhodeus sinensis)
각시붕어(カクシブンオ 和名ウエキゼニタナゴ カラバラタナゴ Rhodeus uyekii → Rhodeus sinensis)のメス。確かにこういうところにはいそうだよな。


ピンボケな写真で申し訳ない。돌고기(トルコギ 和名ムギツク Pungtungia herzi)とか取れているけど、注目はそっちじゃなくて、長いの。ちゃんと撮れてないけど、なーんと드렁허리(ドゥロンホリ 和名タウナギ 田鰻 Monopterus albus)がとれちゃった。うひょー!! お持ち帰りぃ~♪


今年生まれた稚魚なんだけど、うわぁ、こいつ한강납줄개(ハンガンナプジュルゲェ 漢江납줄개 和名ニセヨーロッパタナゴ Rhodeus pseudosericeus)の可能性が高いよ。背びれの分岐軟条が10あるみたい。側線が完全。ヒゲがよく見えなかった。もしヒゲがあったら납자루(ナプジャールー 和名ヤリタナゴ Acheilognathus lanceolatus → Tanakia lanceolata)だろうけど。

메기(メギ 和名ナマズ Silurus asotus)
網にかかったのを見て、最初はおたまじゃくしかと思った。しかし妙に動きが早い。それで、あ~そうか。「高速おたまじゃくし」の異名を持つ메기(メギ 和名ナマズ Silurus asotus)の稚魚かと納得。動きが止まったところを捕まえて写真に撮った次第。

긴몰개(ギンモルゲェ 和名ホソモロコ Squalidus gracilis majimae)
긴몰개(ギンモルゲェ 和名ホソモロコ Squalidus gracilis majimae)。こういうところにはよくいるモロコだな。

얼룩동사리(オルルクドンサリ 和名セマダラドンコ Odontobutis interrupta)
얼룩동사리(オルルクドンサリ 和名セマダラドンコ Odontobutis interrupta)。抽水植物の生えているあたりを蹴飛ばすとよく出てくる魚だ。

밀어(ミルオ 和名不明 ヨシノボリの一種 Rhinogobius SP.)
밀어(ミルオ 和名不明 ヨシノボリの一種 Rhinogobius SP.)。韓国では一応Aタイプとして分類されているものだ。ちょっと流れのあるところでカボチャ大の石を蹴ったら出てきた。お前本当にどこにでもいるな。こいつは貯水池により陸封されていると思われる。

참붕어(チャムブンオ 和名モツゴ Pseudorasbora parva)
참붕어(チャムブンオ 和名モツゴ Pseudorasbora parva)。流れの止まっているようなところはないのだけど、網にかかった。

미꾸리(ミックリ 和名ドジョウ Misgurnus anguillicaudatus)
미꾸리(ミックリ 和名ドジョウ Misgurnus anguillicaudatus)。でかいけど、미꾸라지(ミックラジ 和名カラドジョウ Misgurnus mizolepis)じゃなくてドジョウですな。

점줄종개(ジョムジュルジョンゲェ 和名不明 Luther spine loach = ルーサーシマドジョウ? Cobitis lutheri)
점줄종개(ジョムジュルジョンゲェ 和名不明 Luther spine loach = ルーサーシマドジョウ? Cobitis lutheri)! おおう、ここにはCobitisもいるのか。橋の下の、底が砂地のところから採集できた。

납자루(ナプジャールー 和名ヤリタナゴ Acheilognathus lanceolatus → Tanakia lanceolata)
납자루(ナプジャールー 和名ヤリタナゴ Acheilognathus lanceolatus → Tanakia lanceolata)。これはオス。婚姻色が出ていて、背びれと尻びれのオレンジラインが際立ってる。

납자루(ナプジャールー 和名ヤリタナゴ Acheilognathus lanceolatus → Tanakia lanceolata)
납자루(ナプジャールー 和名ヤリタナゴ Acheilognathus lanceolatus → Tanakia lanceolata)のメス。

각시붕어(カクシブンオ 和名ウエキゼニタナゴ カラバラタナゴ Rhodeus uyekii → Rhodeus sinensis)
각시붕어(カクシブンオ 和名ウエキゼニタナゴ カラバラタナゴ Rhodeus uyekii → Rhodeus sinensis)のオス。これもなかなかの婚姻色だな。

모래무지(モレムジ 和名カマツカ Pseudogobio esocinus)
모래무지(モレムジ 和名カマツカ Pseudogobio esocinus)。なんとなくわしの家の前の川でよく見るやつに比べて斑点の一個一個が大きい気がする。

버들치(ボドゥルチ 和名コウライタカハヤ Rhynchocypris oxycephalus)
そして버들치(ボドゥルチ 和名コウライタカハヤ Rhynchocypris oxycephalus)。これで한강납줄개との関連性が見えてきた。
韓国では、버들치は渓谷に住んでいたりして、水のとても綺麗なところに生息する魚と思われているところがある。でも、実際いろんなところで採集を行ってみると、あまり水が綺麗でない川にいたり、田んぼの用水路にいたりもする。だが一つ共通点がある。それは、水温が低い事。버들치は冷たい水の流れてくる場所を好むのだ。
そして、한강납줄개もまた冷たい水の流れてくる場所を好む傾向がある。今回行った場所は確かに한강납줄개が生息する場所となりうるのだ。

ところで、師匠と達人はといえば、川のあちこちを短時間でかけぬけて、気がつくと姿が見えず……。なんというペースだ。そりゃわしは別なものがとれたら写真を撮りながらやっているし、師匠と達人は写真を撮る必要がないからどんどん行けるわけだけど。
それでもって、戻ってきたと思ったらもう既に仕分けとか始めてて。한강납줄개がとれたということだけど、わしはそれを写真に収める暇もなく、갈겨니もなんとか見せてもらったけど、写真を撮る前に川へポイ。自分のどんくささを実感する事となってしまった。

참갈겨니(チャムカルギョニ 和名不明 カワムツの新種 チョウセンカワムツ? Zacco koreanus → Nipponocypris koreanus)
かろうじて撮れた참갈겨니(チャムカルギョニ 和名不明 カワムツの新種 チョウセンカワムツ? Zacco koreanus → Nipponocypris koreanus)の追星。

점줄종개(ジョムジュルジョンゲェ 和名不明 Luther spine loach = ルーサーシマドジョウ? Cobitis lutheri)
점줄종개(ジョムジュルジョンゲェ 和名不明 Luther spine loach = ルーサーシマドジョウ? Cobitis lutheri)の中にスジシマ模様になっている奴がいたのでチェキ。


続く!
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tag : 保寧

コメント

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No title

こんばんは

何が一番好きかと聞かれればヨシノボリなんですが、やっぱりスジシマは良い魚ですね。
そしてウエキゼニタナゴヤバイです!
黄色のこの発色、ぜひ生で見てみたいです。
タナゴが数種類生息しスジシマもいる環境、本当に良い場所が沢山ありますね。

頼もしいお二人と同行でうらやましい限りです。
後半も楽しみにしていますよ!

Re: No title

アヤヨシ様
コメント有難うございます。

> 何が一番好きかと聞かれればヨシノボリなんですが、やっぱりスジシマは良い魚ですね。

Cobitisいいですね。
自分の家の近所にはいないものですから、採集できたときは嬉しいです。
次の次の次あたりにあげる予定のヨシノボリは、もしかしたら気に入っていただけるかもしれません。


> そしてウエキゼニタナゴヤバイです!
> 黄色のこの発色、ぜひ生で見てみたいです。

ぜひ見にお越しください。
春や秋がやはり発色が良いですよ。

No title

ほぉー、立派な橋が架かっていますね。これが西海大橋でしょうか。瀬戸大橋にチョコッと似ています。
각시붕어(カクシブンオ ・ヨメコブナ)も良い色でてますよ。
漢江납줄개は誰かさんが放流されたんでしょうか。名前を変えねば成りませんね。漢江大川川납줄개とか・・・・。
保寧淡水生態館には一度同行させて頂きましたが、保寧は地名だったんですか。
でしたら、秋のトゲタナゴ釣行は조達人先生の本拠地じゃないですか。!
これではグランドスラムも夢では有りませんぞ。やれ嬉しや。

Re: No title

井上様
コメント有難うございます。

> ほぉー、立派な橋が架かっていますね。これが西海大橋でしょうか。瀬戸大橋にチョコッと似ています。

はい、その通りです。평택(ピョンテク 平沢)の湾にかかっている橋ですね。


> 漢江납줄개は誰かさんが放流されたんでしょうか。名前を変えねば成りませんね。漢江大川川납줄개とか・・・・。

これについては、次の記事で触れたいと思います。師匠のトークが炸裂しますですよ。


> 保寧淡水生態館には一度同行させて頂きましたが、保寧は地名だったんですか。

保寧のほうに行かれたことがあるのですね。自分ではない他の方と行かれたのでしょうか。
井上様が師匠と김진규先生のソガリ研究所へ行かれたのは記憶しています。

> でしたら、秋のトゲタナゴ釣行は조達人先生の本拠地じゃないですか。!
> これではグランドスラムも夢では有りませんぞ。やれ嬉しや。

先日井上様が来られてチョウセンイチモンジタナゴを釣られたことも、どこかで記事にしましょうかね。

No title

アキミツ様、こんにちは。

ありゃりゃ、ソガリ研究所の勘違いです。
それと、조達人先生が連れて行ってくれた(館長さんが甘~いインスタントコーヒーで接待してくれた)小さな水族館とかが一緒くたに成ってました。こりゃー、ずい分とボケが進んで来てるぞ。
プロフィール

アキミツ

Author:アキミツ
97年から韓国に住んでいます。妻は韓国人、子供たちは二重国籍です。
韓国の田舎で野良仕事からサーバー管理まで仕事をしつつ、ときどき川に行ってはガサガサして魚をとってます。

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