大先輩と舒川(ソチョン)ガサガサ

前回の続き。
師匠や達人たちと別れたわしと井上さん。雨の中を夕食に보령(ボーリョン 保寧)市内の먹자골목(モクジャコルモク 直訳すると「食べよう横丁」)に出かけた後、ホテルに戻って作戦会議をした。Daum地図を見ながら、今回行った2箇所の位置を確認しつつ、翌日まず行くのは井上さんがグランドスラムを達成した場所ということになった。井上さんは朝が早い。わしもできる限り時間の余裕を持って行きたい。天気予報を見ると、この雨は夜半まで降り、朝6時以降は曇りということになっていた。そのため、翌朝は6時に集合して朝食を済ませ、すぐさま現地へ向かうということにした。

さてその翌日。朝6時でも小雨が降っていた。天気予報に変化なし。朝から開いている店に入って食事をしようと思ったら、その店には警察がわらわら。どうやら夜に泥棒が入って現金を盗んで行ったらしい。なんとなく幸先の悪いスタートだ。
朝食をガッツリ食べて出発。達人は下の道を行ったが、我々は高速道路を遠慮なく使った。そして日の出を迎えた頃現地到着。川の様子を見ると……この川は上流の程近いところに貯水池があるのだが、川は増水し、水は完全に濁っていた。どうやら雨が思った以上に降ったらしい。
そしてなお、雨は降ったり止んだり。気温は8度くらい。さらに厄介な事に、風があって体感温度がぐっと下がる。そんな状況ではあるけれど、ここまで来たからには、やらずに帰る訳にもいかぬ。わしはガサガサ道具一式を、井上さんは釣り道具を取り出した。

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さて結果だが、良い結果とは言えなかった。風と増水のために井上さんは釣りにならず、寒いためそうそうに車の中へ。わしのほうも、前日タナゴが群れていたところは水深が胸まで浸かってしまうくらいにまでなっていたため、できる範囲でのガサガサとなった。
幸いな事に、増水してはいるものの、水の流れはそんなに速くなっていなかった。しかし雨に打たれながらのガサガサはモチベーションの維持が難しく、井上さんも車の中だし、結局午前9時ちょっとすぎにガサガサ終了。活動時間は正味1時間半といったところか。


かくして、雨をしのげる橋の下で撮影タイム。生簀の底に穴が空いていて、そこから小さいのやら細いのやらが逃げ出してしまったのがちょっと不本意。この穴は塞いでおかないとな……。

가시납지리(ガシナプジーリー 和名チョウセントゲタナゴ コウガイタナゴ Acanthorhodeus gracilis → Acheilognathus chankaensis)
まずはタナゴから。どうよこの立派な가시납지리(ガシナプジーリー 和名チョウセントゲタナゴ コウガイタナゴ Acanthorhodeus gracilis → Acheilognathus chankaensis)は。高さがあって素晴らしい。普段バラタナゴ属とかヤリタナゴレベルの大きさのタナゴを見ていると、この大きさはちょっと感動。でも、そんなわしが17センチ級の큰납지리(クンナプジーリー 和名オオタナゴ Acanthorhodeus macropterus)に出会ってしまったら、どんな感動が待っているのだろうと想像してしまう。

떡납줄갱이(ットクナプジュルゲンイ 和名カラゼニタナゴ Rhodeus notatus)
続いて떡납줄갱이(ットクナプジュルゲンイ 和名カラゼニタナゴ Rhodeus notatus)。抽水植物が生えているところを蹴ったらいっぱい出てきた。やっぱりバラタナゴ属の大きさがしっくりくるなぁ。

납자루(ナプジャールー 和名ヤリタナゴ Acheilognathus lanceolatus → Tanakia lanceolata)
납자루(ナプジャールー 和名ヤリタナゴ Acheilognathus lanceolatus → Tanakia lanceolata)。가시납지리にまぎれていた。こいつは本当に生息域が広いね。別のタナゴに生息域が駆逐されても良さそうなものなのに。

각시붕어(カクシブンオ 和名ウエキゼニタナゴ カラバラタナゴ Rhodeus uyekii → Rhodeus sinensis)
今回とれた中では少なかったが、각시붕어(カクシブンオ 和名ウエキゼニタナゴ カラバラタナゴ Rhodeus uyekii → Rhodeus sinensis)もいた。これは婚姻色が出たらさぞかし色鮮やかになりそうだねぇ。

몰개(モルゲェ 和名不明 コウライデメモロコ? Squalidus japonicus coreanus)
몰개(モルゲェ 和名不明 コウライデメモロコ? Squalidus japonicus coreanus)。前日、井上さんの釣り針にかかり続けた外道たちだな。

붕어(ブンオ 鮒魚 和名フナ Carassius auratus)
붕어(ブンオ 鮒魚 和名フナ Carassius auratus)。가시납지리と同じくらいの割合でとれた。

동자개(ドンジャゲェ 和名コウライギギ Pseudobagrus fulvidraco)
前日見かけていた동자개(ドンジャゲェ 和名コウライギギ Pseudobagrus fulvidraco)。このくらいの大きさのを7匹くらいとった。一応メウンタンに使える大きさだ。

얼룩동사리(オルルクドンサリ 和名セマダラドンコ Odontobutis interrupta)
얼룩동사리(オルルクドンサリ 和名セマダラドンコ Odontobutis interrupta)。写真ではずいぶん黒くなっているけど얼룩동사리で間違いない。いつもの通り、抽水植物が生えているところで網にかかる。

잉어(インオ 鯉魚 和名コイ Cyprinus carpio)
フナもいるのだからコイもいるだろうと思ったらやっぱりいた잉어(インオ 鯉魚 和名コイ Cyprinus carpio)。
ヒレにオレンジ色なんか入ってしまって、ちょっとだけおしゃれしている感じ。そういう面でわしは個人的にフナよりコイのほうが好き。

미꾸리(ミックリ 和名ドジョウ Misgurnus anguillicaudatus)
미꾸리(ミックリ 和名ドジョウ Misgurnus anguillicaudatus)。泥底だからな。こいつが出ないわけがない。

とまぁ、この辺くらいまでは前日見ていたりして想定内の魚たちだな。
次に紹介するのは、今回わしのエモーションを刺激した魚たちだ。

왜매치(ウェーメーチ 和名チョウセンゼゼラ Abbottina springeri → Biwia springeri)
왜매치(ウェーメーチ 和名チョウセンゼゼラ Abbottina springeri → Biwia springeri)。돌마자(トルマジャ 和名ムナイタカマツカ Microphysogobio yaluensis)によく似ているが、顔つきがちょっと異なり、また各ひれにゴマ斑点が多い。砂底や泥底を好む魚だが、すっかり泥底なところでは버들매치(ボドゥルメーチ 和名ツチフキ 土吹 Abbottina rivularis)に住処を追われているような気がする。

모래무지(モレムジ 和名カマツカ Pseudogobio esocinus)
모래무지(モレムジ 和名カマツカ Pseudogobio esocinus)。ほう。川底は見て感じたところこいつが潜れるような砂地ではなさそうなのだけど、出てくるものだなぁ。貝の幼生の宿主代表格ということで、貝を生かし、貝に生かされているのかな。

갈문망둑(カルムンマンドゥク 褐紋망둑 和名ゴクラクハゼ Rhinogobius giurinus)
갈문망둑(カルムンマンドゥク 褐紋망둑 和名ゴクラクハゼ Rhinogobius giurinus)。貯水池が近いから、広い止水域で暮らしていたのがこの辺まで勢力を伸ばしているのだろう。

참붕어(チャムブンオ 和名モツゴ Pseudorasbora parva)
참붕어(チャムブンオ 和名モツゴ Pseudorasbora parva)。止水域を代表とする魚だ。こうして見ると、冬のモツゴは意外と渋いな。

대륙송사리(デェーリュクソンサリ 大陸송사리 和名チュウゴクメダカ メダカ中国・西韓集団 Oryzias sinensis)
止水域といえば、わぁーお♪ 대륙송사리(デェーリュクソンサリ 大陸송사리 和名チュウゴクメダカ メダカ中国・西韓集団 Oryzias sinensis)だぁ。すごく久しぶりに出会ったぞ。ここは良いところだな。やはり抽水植物が生い茂るところからいっぱい出てきた。
しかし写真を撮っているときにはよく気づかなかったけど、この個体はひれがボロボロだな。

왜몰개(ウェーモルゲェ 和名ヒナモロコ Aphyocypris chinensis)
대륙송사리がいるということは、当然こいつもいる。왜몰개(ウェーモルゲェ 和名ヒナモロコ Aphyocypris chinensis)。왜몰개というとブサイクな顔つきという印象があるのだが、久しぶりに見たせいか、なんか顔がハンサムでクルターとかの割とでかくなる系の魚の稚魚かと思っちゃった。

좀구굴치(ジョムグーグルチ 和名ヨコシマドンコ Micropercops swinhonis → Hypseleotris swinhonis)
そして今回の日韓ちゃんぽん的ハイライトはこれ。
좀구굴치(ジョムグーグルチ 和名ヨコシマドンコ Micropercops swinhonis → Hypseleotris swinhonis)がキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!
わしのイメージでは、もっと体高があるものと思っていたのだけど、師匠に確認したら間違いないとのことだった。
日本の一部の川にもちゃっかり住み着いているこいつ。体の側面に8~10個の横縞があり、目の下には黒褐色のラインがある。流れが遅く水草が生い茂るところに住む肉食魚で、オスは卵や稚魚の面倒を見る性質がある。世界にはこいつの仲間でとっても綺麗で観賞価値の高い熱帯魚がいるのだ。

좀구굴치(ジョムグーグルチ 和名ヨコシマドンコ Micropercops swinhonis → Hypseleotris swinhonis)
嬉しいからもういっちょ。(*´д`*)
うわーい、いつかこいつを飼ってみたいなぁ。小さい専用水槽でこいつらだけを飼育。飼料は食べないと言うから、冷凍イトミミズの1ブロックをさらに半分以下にしてあげないといかんのだろうなぁ。

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今回の無脊椎動物枠。いわゆる징거미새우(ジンゴミセウ テナガエビ)だな。腕の立派なやつもとったはずなのだけど、どうやら生簀から脱走したようだ。
それにしても、こいつの「ふしぎなおどり」はわしのMPをちまちま吸い取っていく……。


昼になるにつれて、天候は回復の兆しを見せていたのだけれど、やはり風が強く、気温は何故かどんどん下がっていく一方(マジな話です)。井上さんの帰国は翌々日。翌日の夜はソウルのホテルに予約済みで、いったんこの日当日とその翌日は釣りに行ける状態だったのだが、この日当日はわしが帰らなければならない日だった。それで井上さんと相談した結果、これから別の場所には行かず、二人でソウルまで帰ろうということになった。水に濡れた井上さんのスマートフォン(サムスンのギャラクシーノートでドコモのロゴ入り)は電源は入り通話はできるようだが、液晶画面が表示されたりされなかったり、タッチパネルがやられているけれども時々反応してくれたりで、やはりサービスセンターに持っていくほうが良いけれども、片田舎にあるサムスンのA/Sセンターでは日本から持ってきたギャラクシーノートをまともに見てもらえないかもしれない、というのも一因だった。

高速道路でちょっと大回りしてしまって、2時間40分くらいかかってソウル江南到着。その間、井上さんはどうにかこうにか韓国在住のお友達(もちろん韓国人)と連絡をとり、江南で会う段取りをつけていらっしゃった。そして、我々が少々遅い昼食(これがまた美味しいものをいただいてしまった…)を食べ終える前後ほどなく、そのお友達二人との合流を果たされた。

そして、わしは井上さんとそのお友達を車に乗せて、江南にある多分韓国で一番大きいサムスンのA/Sセンターまで送り、そこで皆さんと別れた。来年春になったら、井上さんとまた서천(ソチョン 舒川)へ婚姻色の出た가시납지리に会いに行きましょうと約束をしつつ……。
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アキミツ

Author:アキミツ
97年から韓国に住んでいます。妻は韓国人、子供たちは二重国籍です。
韓国の田舎で野良仕事からサーバー管理まで仕事をしつつ、ときどき川に行ってはガサガサして魚をとってます。

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