舒川(ソチョン)ガサガサおまけ トゲタナゴとは良く言ったものだ

前回の続きと言うかおまけ。

가시납지리(ガシナプジーリー 和名チョウセントゲタナゴ コウガイタナゴ Acanthorhodeus gracilis → Acheilognathus chankaensis)は、韓国語の名前にも「가시(ガシ 棘)」+「납지리(ナプジーリー カネヒラ)」=「トゲカネヒラ」という名前がついているくらいで、要するに背びれの棘条がとても硬い魚であるというのが特徴となっている。

今回幸いというか不幸と言うか、お持ち帰りした가시납지리のうちの1匹が★になったので、そのヒレというかトゲを触りまくってみた。

가시납지리(ガシナプジーリー 和名チョウセントゲタナゴ コウガイタナゴ Acanthorhodeus gracilis → Acheilognathus chankaensis)
おおう、これは硬いわ。わしの指先がはっきり変形しているのが写真をご覧になって分かっていただけると思う。これはねぇ、力を入れたらマジでぶすっと指に刺さりそうですわ。

가시납지리(ガシナプジーリー 和名チョウセントゲタナゴ コウガイタナゴ Acanthorhodeus gracilis → Acheilognathus chankaensis)
背びれのトゲを堪能したので、試しにと尻びれのほうを触ってみたら……おおうここも硬いな。ここもぶすっと刺さりそうだ。

そのほかに一緒に写真を撮ってみたやつら。

밀어(ミルオ 和名不明 ヨシノボリの一種 Rhinogobius SP.)
밀어(ミルオ 和名不明 ヨシノボリの一種 Rhinogobius SP.)。実はこいつも採集できていた。ということは、泥底や粘土質の川底だけでなく石がそれなりにごろごろしていて、普段なら水がちょろちょろと音を立てながら流れているところがあるということか。
こいつ、韓国で言われている分類だとAタイプということになるわけだが、頬にも赤い斑点があるな。

좀구굴치(ジョムグーグルチ 和名ヨコシマドンコ Micropercops swinhonis → Hypseleotris swinhonis)
좀구굴치(ジョムグーグルチ 和名ヨコシマドンコ Micropercops swinhonis → Hypseleotris swinhonis)をお持ち帰りしてしまった。今のわしの水槽環境では長く生きられないことが分かってるので心痛い。まずはじっくり観察をしたいと思う。


実は採集当時、同じ場所の同じ1回の網でとれた떡납줄갱이(ットクナプジュルゲンイ 和名カラゼニタナゴ Rhodeus notatus)に、普通に青のラインが入っていたものと、この写真のように青いはずのラインがすっかり色あせてしまっているものとがいた。ご覧のように背びれにある黒斑点(いわゆる稚魚斑点:떡납줄갱이は産卵時期を除いてほぼいつも出ている)すら色あせている。

さらに正直に打ち明けると、今回、가시납지리の稚魚というか今年生まれたと思われる個体を採集できなかった。というか採集した実感がない。それで、全身ギンギラギンな感じで体高があり、납자루(ナプジャールー 和名ヤリタナゴ Acheilognathus lanceolatus → Tanakia lanceolata)ではない魚はとにかく入れるようにしていたのだけど、結局それらは떡납줄갱이であって、가시납지리の幼魚ではなかったようだ。

殊にラインが色あせてしまったメスなんかは全身ほぼまんべんなく銀色となっていて、まるで가시납지리の幼魚のようにも見えた。冷たい水にいたとか、増水で苦労したとかのほうは色あせていて、割と楽な生活をしていたほうは色あせずにいた……のかはよく分からないが。
しかしもしかしたら実は떡납줄갱이は2種類いました~その決め手はこんなところにありました~なんてことに、ならない……だろうなぁ。

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コメント

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No title

アキミツさま

チョウセントゲタナゴの棘、硬そうですね。
棘に注目しているのは学名に由来するのか、属名Acanthorhodeusという学名が使われていた頃のAcantho-も「棘」の意味ですものね。

この棘、昔、大学時代の先生が、クルターを引き合いに出して、大陸にいるグループは捕食者から逃れるために棘が発達し、日本のような捕食者が少ない土地で、ワタカのように棘がなくなったのではないか、と言っていたのを思い出します。
真偽のほどはわかりませんが、ありそうな話だなと感じました。

Re: No title

らいあます様
コメント有難うございます。

> チョウセントゲタナゴの棘、硬そうですね。
> 棘に注目しているのは学名に由来するのか、属名Acanthorhodeusという学名が使われていた頃のAcantho-も「棘」の意味ですものね。

なるほど……!!それで昔は「トゲタナゴ属」だったのですね。
同じ「トゲタナゴ」とつくカゼトゲタナゴはこの棘条(不分岐軟条)はどうなっているのでしょう。

朝鮮魚類誌(その節は本当に有難うございます)によりますと、スイゲンゼニタナゴのところでは「第3不分岐鰭条は棘状をなしてやや太いが、先端部は節があってやわらかく、先端は殆ど鰭頂に達する」とあり、カラゼニタナゴのところでは「第3不分岐鰭条は鰭頂をなす第1分岐軟条よりやや短く、先端部まで棘状をなして節がない」
とあります。この「棘条に節があって先端部がやわらかい」というのが、現在においてもひとつの同定のポイントとなり得るのかどうか、日本のスイゲンやカゼトゲタナゴはどうなっているのか……ここのところが未だに疑問が解けないでおりますです。


> この棘、昔、大学時代の先生が、クルターを引き合いに出して、大陸にいるグループは捕食者から逃れるために棘が発達し、日本のような捕食者が少ない土地で、ワタカのように棘がなくなったのではないか、と言っていたのを思い出します。
> 真偽のほどはわかりませんが、ありそうな話だなと感じました。

むう、確かに大陸のほうが性格がとげとげしたところがないと生き残れないかもしれません……。^^;;;;

No title

アキミツさま

カゼトゲの棘状軟条は、タイバラと同じくらいで、硬くなかったです。
和名はカゼトゲが記載されたときにAcanthorhodeus atremiusと命名されていた名残なんでしょうね。

日本では硬い棘状軟条を持っているのはオオタナゴぐらいなので、硬いor柔らかいという検索がなくていいのですが、
この表現、両方知らない人には“比較しないとわからない”という難しいキーなんですよね。
これに似た表現は魚類検索の海水魚種にたまに出てきますが、困る表現の一つです。

棘状軟条の節の位置はたまにキーになることがあります。その場合は他の鰭条を引き合いに出してどの辺りにあるかが書いてありますが、
スイゲンやカゼトゲではどうなんでしょうね。私はその点に注目していなかったので、有効かどう知りたいですね。
スイゲンはさすがに標本をもっていないので、どこかで標本を見ることがあれば、確認してみます。

Re: No title

らいあます様
示唆に富んだコメント有難うございます。

> カゼトゲの棘状軟条は、タイバラと同じくらいで、硬くなかったです。
> 和名はカゼトゲが記載されたときにAcanthorhodeus atremiusと命名されていた名残なんでしょうね。
>
> 日本では硬い棘状軟条を持っているのはオオタナゴぐらいなので、硬いor柔らかいという検索がなくていいのですが、
> この表現、両方知らない人には“比較しないとわからない”という難しいキーなんですよね。

なるほど……通常の分類学的手法のルーチンの中に組まれているようなものではなく、「敢えて比較してみる」ということをやって初めて論文に結果として出てくるものなのですね。


> スイゲンやカゼトゲではどうなんでしょうね。私はその点に注目していなかったので、有効かどう知りたいですね。
> スイゲンはさすがに標本をもっていないので、どこかで標本を見ることがあれば、確認してみます。

自分は以前、近所の川にすむカラゼニタナゴの背びれの不分岐軟条を触ったことがあるのですが、魚の大きさが大きさだけに指が突き刺さりそうな感じではなかったものの、カリカリとした感じで先端まで硬かった記憶があります。それで、ここのカラゼニタナゴの不分岐軟条には節がないのだなと思いました。
しかしながら、朝鮮魚類誌に書かれていることが確かならば、今は「Rhodeus notatus」としてひとくくりにされてしまっている魚の中に、背びれの不分岐軟条に節があるものとないものとがいるはずで、当時はそれは別種として分類されており、現代的手法(「分子」方面の)を用いた場合にこれらが別種、あるいは亜種のレベルにまで分けられるものか、それとも同一種としてひとくくりにしておくほうが妥当なものなのかどうか……この辺が知りたいところなのであります。

ですから、スイゲンやカゼトゲに関する背びれの不分岐軟条の情報があれば、これがひとつの道しるべになりうるのではないかと思った次第です。


まずは背びれの不分岐軟条に節があってやわらかいカラゼニタナゴの集団を見つけ出すところから始めなければいけませんね。師匠とその彼女さんに聞いてみようかな……。

No title

あ~ぁ、あん時オイラも触っとけば良かったな~、トゲトゲ。
それにしても何んとホワイトな餅タナゴ君、「おい、おまえ大丈夫かい?」と声掛けたくなりますね。
あっ、明けましておめでとうございます。今年もどうぞ宜しくお頼み申し上げます。

謹賀新年

アキミツ様

旧年中はお世話になりました。

本年もどうか、お願いたします。

元旦に
韓鮒次郎

*ここに挨拶を書いていいものか…?間違っていたら、すみません。

Re: No title

井上様
コメント有難うございます。返事が遅れまして申し訳ございません。
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。

> あ~ぁ、あん時オイラも触っとけば良かったな~、トゲトゲ。

春に触ってみるというのはいかがでしょうか!^-^


> それにしても何んとホワイトな餅タナゴ君、「おい、おまえ大丈夫かい?」と声掛けたくなりますね。

採集の段階でもうこんな感じでしたからね。
カラゼニタナゴは今も我が家にいるのですが、水温が低くて青ラインが残ってたものまでみんな色あせてしまっています。

Re: 謹賀新年

韓鮒次郎様
コメント有難うございます。返信が遅れまして申し訳ございません。
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。

おおっと驚き発見の記事を楽しみにしておりますですよ~。

よろしくお願いします

ありがとうございます!

ずっと前に、話題になったり、どなたかが聞いたことをまた聞いてしまったり、
とかあるかもしれませんが、
また質問などさせてください。

本年もすばらしい鮮明な写真を期待しています!

韓鮒次郎より

No title

アキミツさま

明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いします。

お年始のご挨拶、ありがとうございました。
メールを返送したのですが、戻ってきてしまったので、ブログに書き込みをさせていただきます。

奥様の件は良かったですね。
完全に回復されるのを心よりお祈りしております。

もうご存じだとは思いますが、昨年末にフィッシュマガジン休刊となり、
温帯域の連載も終わってしまいました。
それもあって、今年はそれをまとめて形にできないかと模索しています。
その際は、韓国での取材も必須となりますので、めどがついたあかつきにはどうぞよろしくお願い致します。

2014年が花戸さんにとって良い年であり、すてきな魚たちと巡り会えることをお祈りしております。

Re: No title

らいあます様
フィッシュマガジンの件は本当に残念です。
自分が唯一買った観賞魚雑誌だったのですが……。

らいあます様がお書きになった記事の文章量をまとめるに、相当な量となると察します。
それこそ1冊の本になって余りあるのではないでしょうか。
微力ではありますが、ぜひ応援させてください。^^
プロフィール

アキミツ

Author:アキミツ
97年から韓国に住んでいます。妻は韓国人、子供たちは二重国籍です。
韓国の田舎で野良仕事からサーバー管理まで仕事をしつつ、ときどき川に行ってはガサガサして魚をとってます。

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