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江原道高城ガサガサ

前回の続き。


この写真をご覧になっても、葦が水に浸かっているとおり、この川もやはり雪解け増水していた。
しかしながら、その前に行った川よりは増水の状態が随分穏やかなようだったので、この川ならもうちょっと上流に行けばガサガサしやすいのではないかと思い、この川の上流に行ってみた。

そして着いた場所が川の流れにして3キロほど上流の、こんな場所。


この場所に至るまでに、堰が5つある。今思えば、この中間くらいのところでもガサガサして置けばよかったかなとも思うが、まぁ後の祭り。
この場所は比較的ガサガサしやすかったが、結論を先に書くと、もっといろんな魚種に出会いたかったなと思った。

さて、川に入ると、浅いところでなにやら赤い魚が小さな群れを作ってピンピン動いている。ほう、赤い魚とな?と思い、網にかけてみると……

밀어(ミルオ 和名不明 ヨシノボリの一種 Rhinogobius SP.)
밀어(ミルオ 和名不明 ヨシノボリの一種 Rhinogobius SP.)のBタイプ、通称「줄밀어(ジュルミルオ 直訳 スジヨシノボリ)」と呼ばれる魚だ。
以前こちらで、「赤の入り方がおしゃれ」と書いたが、ここにいる連中も赤の入り方が本当におしゃれだねぇ。最初にこのBタイプに出会ったときは、体色の明るいところと暗いところとのコントラストが強く、シマシマで、なんか虎みたいだと思った記憶がある。

잔가시고기(ジャンガシゴギ 和名ミナミトミヨ 南富魚 Pungitius kaibarae)
そして、잔가시고기(ジャンガシゴギ 和名ミナミトミヨ 南富魚 Pungitius kaibarae)。先ほどここは前回から3キロほどさかのぼったところと書いたが、正直言ってこんな場所でも잔가시고기がわんさか暮らしているとは思わなかった。5つの堰に阻まれて、잔가시고기はとうに見ることができず、かわりにタナゴとかモロコとかがいるかなぁと思っていたのに、これは意外だ。잔가시고기が完全に陸封型として暮らしている証拠なのだろう。
そうそう、自分がガサガサした範囲では、前回のほうにいた가시고기(ガシゴギ 和名トミヨ 富魚 Pungitius sinensis sinensis)は見ることができなかった。こちらは陸封型とはなっていないようだ。

미꾸리(ミックリ 和名ドジョウ Misgurnus anguillicaudatus)
続いて미꾸리(ミックリ 和名ドジョウ Misgurnus anguillicaudatus)。おいかわ丸博士の助言のせいか、背びれと腹びれに目が行く。しかし、これも「ハズレ」のようだ。

採集できたのは本当にこれだけ。あれ?オイカワもなしなの?ってくらいあっけない有様。でも、ここにいる밀어のBタイプはみんなきれいな色をしていた。


さて、ここで正直に打ち明けると、今回の目標魚種は前回の북방종개(ブクバンジョンゲェ 北方條鰍 和名キタシマドジョウ Cobitis pacifica → Iksookimia pacifica)と、実はもうひとつあって、それがこの밀어なのだ。ただし、BタイプではなくCタイプ。通称「점밀어(ジョムミルオ 直訳 点ヨシノボリ)」だった。
このCタイプ、姿が日本のルリヨシノボリに似ている。すなわち頬に青く光る点々が出る。韓国では済州島と江原道北部日本海側の一部に生息し、川の中・上流域を好むとある。この「江原道北部日本海側」というのは通常밀어のBタイプが生息しており、BタイプとCタイプが生息する河川では、Bタイプが下流側、Cタイプが上流側にいるとのことだった。

それで、この川のもうちょっと上流に行ってみたらどうか、と思い立った。
そして上流に向かって移動開始。ところが、この川の沿線には……というかこの辺の土地にはたくさんあるのだけど、軍の演習場がずっとあって、行ってガサガサできるような雰囲気ではなく、この辺ではどうか、この辺ではどうかと思いつつもなかなかできそうなところを見出せなかった。

ひとまずこの辺なら大丈夫だろうと妥協したときには、先ほどのポイントから3.3キロ上流まで来てしまっていた。

なんか流れているんだか流れていないんだか分からないような写真だが、一応水はちゃんと流れている。だが川幅はもう1メートルくらいしかない。

こんなところには버들치(ボドゥルチ 和名コウライタカハヤ Rhynchocypris oxycephalus)くらいしかいないよと思いつつ、いやそれでももしかしたらと思い、網を入れてみた。
버들개(ボドゥルゲェ 和名コウライアブラハヤ Rhynchocypris stenidachneri)
やっぱり버들치だよ。ちぇっ、と思ったら、あれ?この魚、なんか버들치とちょっと顔が違うよ。버들치はなんというか悪顔で、目が小さく、頭の上が平たくてノータリンのように見えるけど、こいつは目が大きくて善良っぽく見える。頭の上もモロコのようにちょっと盛り上がっているし。

……ここで、ああそうか、ここは嶺東水系なんだよな、と思うに至った。
ここには버들개(ボドゥルゲェ 和名コウライアブラハヤ Rhynchocypris stenidachneri)が生息するのだった。いや実は、ハヤとしてはここでは3種類生息可能性があるのだけど、残り2種類は超レア級につきここで出会うのも無理があるので、ここで出会うとしたらやはり버들개しかないという結論に至った。

버들개(ボドゥルゲェ 和名コウライアブラハヤ Rhynchocypris stenidachneri)
本当に同定するのなら鱗を数えないといけないのだけど、ハヤの鱗って数えるのが嫌になるし、とりあえずこの2枚の写真を師匠方面に見せたところ、師匠や達人、またアメリカのほうで韓国の魚を紹介しているこれまたすごい兄ちゃんといったメンバーから「버들개に見える」との証言をいただいたので、今回わしが初めて出会った魚として、버들개(ボドゥルゲェ 和名コウライアブラハヤ Rhynchocypris stenidachneri)を挙げたいと思う。

タカハヤではなくアブラハヤかぁ。関東のハヤだな。親父の実家が房総半島で、そこの川にいたなぁ。



というわけで、ここでちょうどお時間となり、撤収して帰宅。

今回の反省点はいろいろある。まず現地情報の不足。衛星写真がない。あっても軍施設等のために現地情報がカモフラージュされている。また上水源保護区域に指定されていたりして、そもそも採集ができない場所がある。
江原道の고성군(コソングン 高城郡)まで北に行かなくても、밀어のCタイプが出現すると言う話もあるが、具体的にどの川なのかの情報が提供されない。
次に時期。あと1週間遅かったら、採集はもっと楽にできていたかも。逆に1~2週間早かったら川の状況はどうなっていたか。もっとやりやすかったかもしれないし、或いはもっと雪解け増水していたかもしれない。
それと、わしは独立河川を甘く見ていた。数キロさかのぼるだけであっという間に下流域から中流域、そして上流域へと行ってしまう。

驚きもあった。今回のこの記事でガサガサをやった場所で잔가시고기がまだ出るとは思わなかった。점몰개(ジョムモルゲェ 和名コウライイトモロコ Squalidus multimaculatus)なんかが現れるとばかり思っていたのだ。でも今回점몰개も出会えなかったなぁ。これも今後の課題。


あとおまけ。上の「超レアなハヤ2種」というのは、버들가지(ボドゥルガジ 和名セボシハヤ Rhynchocypris semotilus)と동버들개(ドンボドゥルゲェ 和名ヤチウグイ ダルマハヤ Rhynchocypris percnurus)のことだったりする。ともに北朝鮮のほうには生息している。버들가지はDMZに行けば会えるらしいが、民間人が入れないし、そもそも地雷原でガサガサなんて無理無茶無謀だから。동버들개は北朝鮮でも希少種らしいし、現在の韓国ではあくまでも可能性のみが示唆されている程度。
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tag : 嶺東水系

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プロフィール

アキミツ

Author:アキミツ
97年から韓国に住んでいます。妻は韓国人、子供たちは二重国籍です。
韓国の田舎で野良仕事からサーバー管理まで仕事をしつつ、ときどき川に行ってはガサガサして魚をとってます。

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