大先輩&達人と百済方面ガサガサ その1

このブログでもたびたび現れている「大先輩」井上さんが、6月初旬に来韓することとなった。
もともとはこの辺の成り行きで、当時가시납지리(ガシナプジーリー 和名チョウセントゲタナゴ コウガイタナゴ Acanthorhodeus gracilis → Acheilognathus chankaensis)は1匹釣れたものの、実のところもっと釣ってみたいと言う欲望があったし、なにより가시납지리の婚姻色が見たいという思いがあった。それでその当時、「今度は가시납지리が綺麗な時期に」なんて会話をしていた。
そして井上さんの来韓に火をつけたのが、韓国の淡水魚カフェ(インターネット同好会のようなもの)にて師匠が、가시납지리の話題を振ると同時に発言した「웅천천(ウンチョンチョン 熊川川)には巨大な줄납자루(ジュルラプジャールー 和名チョウセンイチモンジタナゴ Acheilognathus yamatsutae)がいる」という内容だった。웅천천とは、忠清南道は부여(ブヨ 扶余)郡から보령(ボーリョン 保寧)市のあたりに流れる川で、中間に보령호(ボーリョンホ 保寧湖)というダム湖がある。
それで井上さん、6月初旬にフライトのチケットを取ってしまった。ところがそのスケジュールでは師匠が都合が着かないことが判明。釜山のほうで学会の発表があるとのことで、どうしても抜けられないときた。師匠涙目(多分)。しかし、保寧といえば達人조先生。連絡を取ってみれば「가시납지리の婚姻色はもうとっくに終わってるよ。だけどちょっとは残っている個体がいるかもしれないから、案内してやろう」とおっしゃってくれた。

そんなわけで、わしも便乗して行って来たぜ。
まずはその1として、井上さんと조先生ご夫妻とで回った、以前가시납지리を釣った서천군(ソチョングン 舒川郡)시초면(シチョミョン 時草面)と부여(ブヨ 扶余)郡임천면(イムチョンミョン 林川面)、そして청양군(チョンヤングン 青陽郡)청양읍(チョンヤンウプ 青陽邑)でタナゴ釣り&ガサガサをやってきたぶんについてレポートしようと思う。

朝早く家を出て西海岸高速道路をひた走り保寧へ。そこで前日に保寧入りをしていた井上さんと、「遅刻した」と言いながらやってきた達人조先生ご夫妻と合流。達人の運転する車に乗って、達人の運転するままに目的地へと向かった。先ほど紹介した保寧湖の脇を通り、そのまま山を過ぎると、そこは昨年가시납지리釣りに成功した도마천(ドマチョン 都馬川)の上流だった。
この川、やはり昨年가시납지리釣りに成功した付近で길산천(キルサンチョン 吉山川)に合流し、この길산천は금강(クムガン 錦江)に注ぐ。ちなみに合流地点は錦江の河口にほど近い場所となる。

かくして、まず到着した場所はその都馬川の、昨年가시납지리釣りに成功した場所のちょっと上流にあたる場所だった。

さっそく釣り場所を見極める井上さん。
わしもここでは井上さんから黄身練りをいただいてタナゴ釣りと網を持ってのガサガサの両方を試してみたぞ。

각시붕어(カクシブンオ 和名ウエキゼニタナゴ カラバラタナゴ Rhodeus uyekii → Rhodeus sinensis)
わしの釣った각시붕어(カクシブンオ 和名ウエキゼニタナゴ カラバラタナゴ Rhodeus uyekii → Rhodeus sinensis)。どうにかわしにも釣れたよ。でも釣れたのはこれだけ。井上さんはいろいろ釣っていたけど、가시납지리はかからなかった。

ガサガサのほうでは、どこにでもいる피라미(ピラミ 和名オイカワ Zacco platypus)から始まって、각시붕어、떡납줄갱이(ットクナプジュルゲンイ 和名カラゼニタナゴ Rhodeus notatus)、가시납지리、왜몰개(ウェーモルゲェ 和名ヒナモロコ Aphyocypris chinensis)なんかがとれた。
가시납지리(ガシナプジーリー 和名チョウセントゲタナゴ コウガイタナゴ Acanthorhodeus gracilis → Acheilognathus chankaensis)
達人がとった個体だけれど、婚姻色がまだ若干残っているオスを写真に収めてみた。おお!この紫色は、납자루(ナプジャールー 和名ヤリタナゴ Acheilognathus lanceolatus → Tanakia lanceolata)の深夜の姿を彷彿とさせるね。でもこちらは繁殖期なら昼間でもこの色なんだよね。いやぁこれはもっと早い時期に来て見たかったなぁ。

しかし達人の案内となると、悠長に撮影タイムをしている場合ではないのだ。いかりや長介のように「次行ってみよう」となるのだった。ペースが速い。サクサク回られる。そういえば達人の顔っていかりや長助に似てるかも。

そして着いた先が、まぁ距離的にはちょっとしか移動しなかったのだけど、先ほど紹介した吉山川のすぐ脇の用水路だった。


達人の案内にさっそく竿を下ろしてみる井上さん。

さて、ここでわしは達人のお供で二人で大きな網をもってガサガサをやってみたぞ。だから写真を撮っている暇はなし。達人から指示を受けながら、自分なりに足手まといにならないようにやってみたけどうまくいっていたかどうか。「ここは버들붕어(ボドゥルブンオ 和名チョウセンブナ Macropodus ocellatus)がいるぞ」と網を上げてみたら、一人で網を持ってやる場合とは桁違いの量の魚の中に、本当に버들붕어がいたよ。しかも皆けっこういい大きさ。
しかし達人、気がついたらやみくもに抽水植物の生えているところをねらうのではなく、さりげなくぐるっと動きながらこれから網を入れる場所に魚を追い込んでいた。こりゃ一人ではできんな。そして大きな網があってこそこういう芸当ができるのだろうな。いやはや、この二人족대(ジョクデェ 大陸式のサデ網)はたいへん勉強になった。

井上さん、가시납지리らしき魚は見えるが結局針にかからず、「次行ってみよう次」となった。

3番目に行った場所は、부여(ブヨ 扶余)郡임천면(イムチョンミョン 林川面)にある입포천(イッポーチョン 笠浦川)という川だった。


達人の案内に従って、とある堰の上から釣り糸を垂らしてみる井上さん。わしもここではタナゴ釣りに挑戦した。
この場所では각시붕어が良く釣れ、下手ながらわしも각시붕어を釣ることができた。
達人といえば、奥様と二人で網を持って歩き回ってた。そして、帰ってきたときには、バケツ半分くらいの量の二枚貝と大量のタナゴ。


ちょっと網の中を覗かせていただいた。うひょー흰줄납줄개(フィンジュルナプジュルゲェ 和名タイリクバラタナゴ Rhodeus ocellatus ocellatus)がいっぱい。버들붕어もいるし、점줄종개(ジョムジュルジョンゲェ 和名不明 Luther spine loach = ルーサーシマドジョウ? Cobitis lutheri)も見える。


さすがバラタナゴと言われるだけある発色だな。


その中で、達人が見せてくださった큰납지리(クンナプジーリー 和名オオタナゴ Acanthorhodeus macropterus)。

おなかがすいてきたところで、청국장(チョングクチャン 清麹醤)の美味しい店があるからと高速道路を使って칠갑산(チルガプサン 七甲山)のほうへ行った。達人曰く、七甲山のあたりは청국장で有名なのだとか。七甲山は以前達人の館を訪れたときに通ったところだが、そんな店があるとは思わなかった。
「七甲山の唄でも『콩밭매는 아낙네야(コンバッメヌン アナンネヤ 豆畑で摘む娘よ)』と唄うじゃないか」
「その豆って청국장をつくる豆なんですか!?」
なんて会話をしながら七甲山にさしかかる。そして峠を越えたところで、なんとそこら一帯が청국장の店というところがあり、そのうちの1軒に入って청국장をいただいた。ちょうどピーク時間から外れていたので我々が座ってすぐ食べるだけの席の余裕があった。

食事を終えて案内された場所は、청양(チョンヤン 青陽)の町外れ。川の名前は지천(ジチョン 之川)。


この堰の下で釣り糸をたれようと言うわけだ。
わしのほうは今回タナゴ釣りをしてみることにした。上から見ると、確かにタナゴがいる。しかしわしの針にかかるのは피라미ばかり。1匹タナゴがかかったのだけど、すぐばらしてしまった。
井上さんも、外道に悩まされる中、それでも何匹かタナゴを釣った。釣れたタナゴは、意外にも全部큰납지리(クンナプジーリー 和名オオタナゴ Acanthorhodeus macropterus)。ここは큰납지리がいっぱいいるのだな。日本ではオオタナゴは外来種だが、こちらでは在来種だ。


わしらが釣りをしている別のエリアで、達人ご夫妻が二人족대でががーっと魚をとっていた。それの息のぴったりな事といったら、うらやましくてため息が出るくらい。実に見事な連係プレーで、後半はわしは釣りよりもお二人の動きのほうに見入ってしまっていたかも。

こうして、かつて百済という国があったところの西側をぐるっと回ってきて、保寧に到着。

干潟に落ちる夕日の美しい事美しい事。


夕食はここの名物간재미(ガンジェミ)。
간재미というのは、正式な名称は홍어(ホンオ 和名コモンカスベ Okamejei kenojei)となる。いわゆるガンギエイだな。韓国で홍어というと、全羅道名物のアンモニア臭たっぷりの홍어회(ホンオフェ ガンギエイの刺身)を思い浮かべる人が殆どだと思うが、ここでは、生簀に入っているエイをその場で調理して、

生ではこんな風に、そしてまたメウンタンとして食べる。アンモニア臭は一切なし。軟骨魚類なので多少の軟骨はそのまま食べられる。弾力のある白身がうまい。メウンタンなんてもう完全にエイヒレ料理。


この保寧には、대천(デェチョン 大川)海水浴場というところがあり、一大リゾート地となっている。なにしろ保寧で宿泊施設を検索すると街中じゃなくて海水浴場のどまん前のホテルがずらっと並ぶくらいだからな。
ここの砂はすべて貝殻が砕かれて小さくなったものらしい。サンゴじゃなくて貝殻が砕かれてできた砂というのは、東洋でも非常に珍しいらしいのだけどどうなんだろう。井上さんは昔々に汽車に乗って来た事があるらしいが、その頃は海水浴場の一部は米軍が所持していたと達人談。
保寧というところは、毎年泥祭が行われる広大な干潟があり、西海ではなかなかない海水浴場があり、また近くの島と連絡する港もある。


続く!
魚成分が足りないと言う方は次回にご期待を。
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コメント

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No title

アキミツ様、お疲れ様です。
この度も沢山お世話になりまして有り難うございます。
本当に保寧では朝から晩まで「つぎ行こう、次!」でした。
達人先生(仰る通り、いかりや長さんにそっくり)が我らの為に綿密に計画してくださってたのでしょうね。
私としましては、ご案内頂いたどちらも半日ほどはじっくりとやって見たい素晴らしい川でしたよ。
そして、チョングクチャン(納豆鍋)もエイヒレ鍋も美味かったですなぁ。納豆の好きな私には、
七甲山峠「納豆鍋屋だよ全員(店)集合!」の納豆鍋村は壮観でとても嬉しゅうございますなぁ。

続く!に期待していますよ。超大物「○○○」ゲット!が出て来ますかな?

Re: No title

井上様
コメント有難うございます。
こちらこそ来韓されるたびにいろいろいただきまして本当に有難うございます。

> 私としましては、ご案内頂いたどちらも半日ほどはじっくりとやって見たい素晴らしい川でしたよ。

同感です。自分も網を持って半日かけてじっくり攻めてみたい場所ばかりでした。
ヒナモロコ、ヨコシマドンコなんかもわんさかとれたのではないかと思います。


> そして、チョングクチャン(納豆鍋)もエイヒレ鍋も美味かったですなぁ。納豆の好きな私には、
> 七甲山峠「納豆鍋屋だよ全員(店)集合!」の納豆鍋村は壮観でとても嬉しゅうございますなぁ。

達人はきっと、全国の川に行かれるついでに全国の美味しい店めぐりもされているのではないか……と想像しますです。
プロフィール

アキミツ

Author:アキミツ
97年から韓国に住んでいます。妻は韓国人、子供たちは二重国籍です。
韓国の田舎で野良仕事からサーバー管理まで仕事をしつつ、ときどき川に行ってはガサガサして魚をとってます。

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