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順天郷(スンチョニャン)大学行ってきた

先日、忠南牙山(アサン)市にある순천향(スンチョニャン 順天郷)大学に行ってきた。

事のいきさつはこうだ。
おいかわ丸博士がカマツカ亜科の産卵行動について広く研究をされていて、韓国に住む魚の産卵行動にも興味をもたれ、わしのところに問い合わせがあった。
韓国のカマツカ亜科といえば、非常に粘りっこい卵を産む쉬리(シュイリ 和名ヤガタムギツク シュリ Coreoleuciscus splendidus)とか、ムギツク同様詫卵をする감돌고기(カムトルコギ 和名クロムギツク Pseudopungtungia nigra)、詫卵をすることもあるが別にしなくてもいい가는돌고기(カヌントルコギ 和名ホソムギツク Pseudopungtungia tenuicorpa)、産卵後メスが産卵塔をつくる어름치(オルムチ 和名ヤガタニゴイ Hemibarbus mylodon)など、なかなか面白い産卵行動をするものたちがいるわけだが、ドジョウカマツカ(Gobiobotia)属なんて日本には未知の世界の魚もいる。
そこで、韓国の魚の産卵行動に詳しそうな方がいないかと思ったところ、以前達人の館に行った際に、順天郷大学の博士と食事を共にしたことを思い出した。
その方は、朴博士。京都議定書に基づく生態環境保全政策の一環として、環境部(日本の環境庁にあたる)と手を組んで韓国の絶滅危惧魚種の養殖と復元をされていた。

さて、御蔭様でその方と連絡をとることに成功。朴博士がオンラインで送ってくださった資料は実に興味深く、おいかわ丸博士の求める資料と完璧に合致していたかどうかは分からない(申し訳ありませぬ)が、わしとしては本当に驚きの連続だった。
そして朴博士いわく、「水槽での産卵を撮ったビデオがあるのだけど、容量が大きすぎてメールで送れないな」
むむう、それは見てみたい。というわけで、挨拶がてら忠南牙山まで映像資料をいただきに行くことにした。

ここのところ忙しかったこともあり、車ではなくて電車&KTXで천안아산(온양온천)(チョナンアサン オニャンオンチョン 天安牙山(温陽温泉))駅へ。長ったらしいがこれが駅の正式名称なのだから仕方ない。ソウル駅ではKTX出発4分前にどうにかこうにかチケットを買って(列が並んでいるところを事情を話して先頭で買わせてもらった)、天安牙山(温陽温泉)駅で朴博士と合流。朴博士の車で大学へ。

大学の写真を撮るのを忘れた。どんな建物があるかは画像検索でもしてくだされ。


朴博士夫婦。ちなみに奥様も大学院卒で経営コンサルタントもされる才女でいらっしゃる。
 
 
 
研究室にて適当に談笑しつつ、パソコンで産卵動画を拝見。おおっすごい。흰수마자(フィンスマジャ 和名シラヒゲカマツカ Gobiobotia naktongensis)が宙返りするかのように上昇し、水面近くでぶわぁっと放卵&放精が行われてる。

続いて飼育管理棟に案内していただいた。

금강모치(クムガンモーチー 金剛모치 和名コンゴウハヤ Rhynchocypris kumgangensis)がいっぱい。オレンジ色の帯が出ているのがいるのが見えるだろうか。


こっちは天然記念物어름치(オルムチ 和名ヤガタニゴイ Hemibarbus mylodon)がいっぱい。小心者らしく陰のほうに一斉に移動しようとする。


뱀장어(ペムジャンオ 뱀(蛇)長魚 和名ニホンウナギ 日本鰻 Anguilla japonica)もいる。こいつの完全人工養殖もやっているとのこと。


これらみんな恒温槽らしいけど。


その場で即観察や採卵などができるように、研究機材が持ち込まれている。


まぁご覧の通り、プレハブのビニールハウスといった感じの施設だが、これでも万単位の養殖能力を持つとの事。


미호종개(ミホジョンゲェ 美湖條鰍 和名ミホシマドジョウ Iksookimia choii → Cobitis choii)の水槽だが、「アルビノ」と「プラチナ」がいる。


「プラチナ」をなんとか拡大して撮ってみた。


こっちもタナゴがわんさか。殆どが각시붕어(カクシブンオ 和名ウエキゼニタナゴ カラバラタナゴ Rhodeus uyekii → Rhodeus sinensis)だが、下の方にいる大きい奴は납지리(ナプジーリー 和名カネヒラ Acheilognathus rhombeus)。


その後、朴博士の奥様が経営している喫茶店で美味しいコーヒーをいただき、帰途に着いた。

さて、今回の訪問で朴博士からいただいた冊子資料が、これまたとんでもない資料だった。


絶滅危惧淡水魚種の増殖復元事業に関するレポートなり。
手がけた魚種はそれぞれ5種の全10種。


上から、
絶滅危惧1種퉁사리(トゥンサリ 和名ニクアカザ Liobagrus obesus)
天然記念物にして絶滅危惧1種미호종개(ミホジョンゲェ 美湖條鰍 和名ミホシマドジョウ Iksookimia choii → Cobitis choii)
絶滅危惧1種얼룩새코미꾸리(オルルクセコミックリ 和名ナクトンガンハナジロドジョウ? シラヒゲドジョウ? Koreocobitis naktongensis)
絶滅危惧1種감돌고기(カムトルコギ 和名クロムギツク Pseudopungtungia nigra)
絶滅危惧2種묵납자루(ムンナプジャールー 和名チョウセンボテ Acheilognathus signifer → Tanakia signifer)。


絶滅危惧2種다묵장어(タモクジャンオ 多目長魚 和名スナヤツメ 砂八目 Lampetra reissneri)
絶滅危惧2種꾸구리(ックグリ 和名ズナガドジョウカマツカ Gobiobotia macrocephala)
絶滅危惧2種돌상어(トルサンオ 돌(石)沙魚 和名サメガシラ 鮫頭 Gobiobotia brevibarba)
絶滅危惧1種흰수마자(フィンスマジャ 和名シラヒゲカマツカ Gobiobotia naktongensis)
絶滅危惧2種가는돌고기(カヌントルコギ 和名ホソムギツク Pseudopungtungia tenuicorpa)。


採卵から養殖、そして養殖した魚の放流までレポートしているが、放流した魚にはタグを埋め込んであって、放流後しばらくしてから現地採集して、放流個体がどの程度分散しているかも調べている。


人工増殖のプロセスも解説。感染などによる大量死に注意する内容とかも入っている。


環境部の復元事業として放流行事を行った内容もレポートされている。


とある領域で親魚として採集された個体たちの塩基配列変異についてもレポートされている。すげぇ。ここまでやるのか。


復元事業の꾸구리も돌상어も、こんな風にベアタンクで養殖されていたのか。


なになに、가평천(カピョンチョン 加平川)で꾸구리の放流だと……
うおおおおおちょっと待てちょっと待てちょっと待て。
こりゃここじゃねーかオマイガー!!


おおうなんてこったい。やっぱりここだよ。
この時ゃ一匹も꾸구리なんてお目にかかれなかったぞ。だいたいわしが見たことのある꾸구리の生息地はだな、水の少ないときでももうちょっと深さがあって、川床にはかぼちゃ大の石がゴロゴロしているけどちゃんと石と石の間に足先が入り込めて……そんな環境だったのに。こんな硬い河床のところになんか住んでいなかったぞ。


なになに、금강(クムガン 錦江)本流で돌상어の放流だと……
うおおおおおちょっと待てちょっと待てちょっと待て。
これもここじゃねーかオマイガー!!
あんなところで復元事業やってたなんて知らないよぉ。そもそもそこでも돌상어1匹も採集できなかったぞ。まぁ反対岸に非常に深くて流れが速くて危険な早瀬があって、そっちのほうは危険だったので近寄らなかったから、その辺りに生息していた可能性はあったけどな。


別な本。人工増殖マニュアルとな。


左上がクロムギツクの卵、右下が꺽지(ッコクジ 和名コウライオヤニラミ コクチ Coreoperca herzi)の卵だそうだ。


미호종개(ミホジョンゲェ 美湖條鰍 和名ミホシマドジョウ Iksookimia choii → Cobitis choii)の生息場所と採集風景。そうそう、わしが達人조先生に教えられていった場所がこんな感じだったなぁ……って、この写真に写ってるのって조先生じゃないか!? 赤い網にこの姿は、まさしく조先生だよね?


흰수마자(フィンスマジャ 和名シラヒゲカマツカ Gobiobotia naktongensis)の生息場所。わしが見た生息場所も、まさにこんな「砂早瀬」でした。砂地を水がちょろちょろと流れていると思いきや、ちょろちょろどころじゃなくて、結構どばーっと流れているんだよね。


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コメント

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ありがとうございました

パク先生の実験室の様子、大変興味深く拝見しました。
韓国ではこのような形で行政と研究者が組織的に希少種の
系統保存技術の開発をきっちりと行っていて、うらやましいです。。
日本は遅れていますね。

それにしても、色彩変異のミホシマドジョウって・・すごいですね・・

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プロフィール

アキミツ

Author:アキミツ
97年から韓国に住んでいます。妻は韓国人、子供たちは二重国籍です。
韓国の田舎で野良仕事からサーバー管理まで仕事をしつつ、ときどき川に行ってはガサガサして魚をとってます。

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