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春だ! 師匠と大先輩と先生方と清道ガサガサ だがしかし

2016年になってからもう半年以上が過ぎてしまっているのに、記事が書けずにいて本当に申し訳ない限り。
ネタがないのなら過去記事を整理してアップするとか、新種記載情報を加えて従来記事を更新するとか、いろいろできたはずなのに、それができずにいたのは、言い訳をすればいろいろあるのだけど、ひとえにわが至らなさ故と反省しております。

……本当にいろいろあるのだけど、やっぱりそれは言い訳にしかならないと思うから……。(´・ω・`)

今回アップする記事も今年4月上旬の内容で、それがやはりずいぶん過ぎて書き込む次第。加えてその記事内容の薄さといったら、もう目も当てられぬ状況。本当に申し訳ない。
先に弁明をしておくと、この時体力的には最悪に近いコンディションだったので、本当に余裕がなかったのだ。


事の次第は3月下旬。このブログにもたびたび登場される「大先輩」井上さんから、師匠がカフェ(インターネット上の同好会のようなもの)で会合参加者を募集しているというメッセージをいただいた。日時は4月上旬。場所は慶南청도(チョンド 清道)。清道といえば、대구(テグ 大邱)と말양(ミリャン 密陽)の間。密陽といえば、いつぞやのKTX遠征ガサガサが思い出されるが、その際にどう見てもファイヤー属性なドジョウと出会ったところが実は清道郡に属するところだったりする。

で、その今回行くことになったところというのは、やはりというか낙동강(ナクトンガン 洛東江)の支流である밀양강(ミリャンガン 密陽江)の支流とかそのまた支流とかだったりするのだが、これがまたなかなか不思議な水系なのだ。というのは、
その1: 참갈겨니(チャムカルギョニ 和名不明 カワムツの新種 チョウセンカワムツ? Zacco koreanus → Nipponocypris koreanus)のNEタイプがいる。참갈겨니のNEタイプは「洛東江水系の主に上流部、および東海岸に注ぐ独立河川水系に生息する」ということになっている(この辺参照)のだが、たいした上流部でもないのにNEタイプが生息する。
その2: 피라미(ピラミ 和名オイカワ Zacco platypus)のBタイプ、このブログでいうところのオイカワBlackがいる。
その3: ここには칼납자루(カルラプジャールー 和名コウライボテ Acheilognathus koreensis → Tanakia koreensis)がいる。
とまあ、ほかにもあるらしいけどこんな感じ。系統地理学的には洛東江水系であるにもかかわらず東方独立水系に近いというか、でも東方独立水系とは違うというか、そんな不思議な水系なのだ。

「칼납자루」に関しては、「錦江水系、洛東江水系、蟾津江水系、栄山江水系に生息する」とされていた칼납자루から師匠たちが「洛東江水系の個体群は異なる形態的特徴を持つ」として「낙동납자루(ナクドンナプジャールー 和名なし ラクトウタナゴ? Tanakia latimarginata)」を新種発表したのは記憶に新しい。ところがいざ詳細に分布状況を調べ始めてみたら、洛東江水系の中でも密陽江の支流である今回の集合地点(川)に칼납자루の形態的特徴を持つ個体群がいるということが分かったのだそうな。密陽で採集したボテは確かに낙동납자루だったのにね。こんなこともあるもんですなぁ。

まぁこの知識は当時のわしが持っていたものではなく、現地に来て師匠に教わったものだったりするのだが、ともあれ師匠が呼んでおり、井上さんが呼んでいる。これは行くしかない……と即決していたらもしかしたらすごい成果があったかもしれないけどな。大邱のその先という場所は本当に遠くてな。それと当時のわしには1泊2日とか2泊3日とか余裕をもって遠出をする余裕がなかったのだ。
だから、ちょっと無理をした。

前日(という表現が正しいかどうか…)1時間だけ寝て、すべての支度を整えて、車で出発。現地集合時間は朝8時だったから、KTXは使えない。深夜の高速道路をSAで休み休みし、日の出を見ながら、朝7時ごろ清道に到着。わしが現地一番乗りになってしまった。でもって、やがてやってきた師匠と出会い、先ほど書いたような知識を師匠から教わった。続いて釜山のほうから学校の先生をしているという二人がやってきて、ほぼ8時に釜山からやってきた電車に乗って井上さんが到着。
みんな軽く食事をとってきていたので、さっそく川のほうへと移動した。


それがこんなところ。
師匠によると、ここには先ほど紹介した칼납자루や참갈겨니のNEタイプなどのほか、큰줄납자루(クンジュルラプジャールー 和名オオイチモンジタナゴ Acheilognathus majusculus)や「例のファイヤー属性ドジョウ」얼룩새코미꾸리(オルルクセコミックリ 和名ナクトンガンハナジロドジョウ? シラヒゲドジョウ? Koreocobitis naktongensis)なんかもいるとのこと。これは期待できるか!?
川の様子をチェックしたら、まずは井上さんによるタナゴ釣り講座。
日本語になっている数々のタナゴ釣り用アイテムを、井上さん頭をフル回転させて韓国語へ。生徒は学校の先生お二人。

竿の持ち方から詳しくレクチャー。今回はアイテムが多いので、その分タナゴ釣りの「粋」についてのレクチャーは少な目?


師匠も今回は防水ビデオカメラでその様子を撮影してたり。

タナゴ釣り講座が終わると、各自思い思いの場所でタナゴ釣りを始めだした。わしはというと、堰の上に魚影はほとんど見えず、堰の下のほうにも魚影が見えないので、堰を渡り切って反対岸のほうを上流へと用水路の合流地点付近へ行ってみた。するとやはりこういうところには小さな魚が群れているものですな。なんの魚種かわからないけどとにかく釣ってみようと釣り糸を垂れてみると、そこにいたのは참갈겨니と긴몰개(ギンモルゲェ 和名ホソモロコ Squalidus gracilis majimae)だった。
しばし「合わせて釣り上げる」スキルを研鑽したのち(と書いておけば聞こえがいいか。わしはタナゴ釣りそのものに関してまだまだビギナーですわ)、近所をよく見ると、お、どうやらボテもいるみたい。そこで川床の石と底の隙間あたりを狙って釣り糸を垂れてみると……なんと、エサがすっと石に吸い込まれていくではありませんか。そこで竿を上げたら、うまい具合に若いオスのボテをゲット。
そんな感じでボテを3匹ほど釣ったが、写真残ってない。写真を後で撮るつもりでいたら、写真を撮る前に師匠にみんな持っていかれた。まぁしょうがない。

で、そろそろ釣りからガサガサに切り替えようかなと、堰のところまで戻ってみると、堰の上には魚影が戻ってきており、井上さんや師匠がそこでタナゴ釣りをしていた。まるで金魚のようにどっぷり腹が膨れた大物칼납자루を釣り上げてた。


このご満悦そうな顔をご覧あれ。
でもって、ここでガサガサやってみた結果だけど、수수미꾸리(ススミックリ 和名ヨコジマドジョウ Niwaella multifasciata → Kichulchoia multifasciata)が少々。あと참갈겨니。師匠が言った通り、참갈겨니はNEタイプだった。
それはそれとして、ガサガサに切り替えるあたりからわしの体調は急速に悪くなっていた。それまでは「ちょっと疲労がたまっているかな」程度だったのだが、だんだん腹が痛くなってきた。そのせいもあってかガサガサも本調子が出ず。もしかしたらガサガサを終えたあたりでは唇が青くなっていたかもしれない。

いったん市内に戻って、そこで達人조先生ご夫妻と合流しつつ昼食。集まった方々には申し訳なかったが食堂に入るや否やトイレに駆け込んだ。そしてそこで大量の下痢。食事を終えてすぐにもう一回下痢。


次に訪れた場所がここ。達人조先生もご存知の場所であり、また学校の先生方も訪れたことのある場所で、ここでは큰줄납자루(クンジュルラプジャールー 和名オオイチモンジタナゴ Acheilognathus majusculus)なども採集できたという。
ところが、数日前のたった1回の雨で川は水かさを増していた。これでは釣りもガサガサも難しいと判断。そうそうに引き上げて、この場所からちょっと移動し、ここなら釣りもガサガサもできるのではないかというところを探した。


このような場所でトライ。
わしもいろいろガサガサしてみたけれど、気を抜けばおなかの中のものが下に出てしまいかねない最悪のコンディションもあって、成果らしい成果を出すことができず。とった魚といえば、やっぱり수수미꾸리を数匹程度。
しかしその中で、「あれ?」と思う魚がとれた。それがこれ。
왕종개(ワンジョンゲェ 王條鰍 和名ナガシマドジョウ Iksookimia longicorpa)
わしの目には、まずこのドジョウは「참종개(チャムジョンゲェ 和名コウライシマドジョウ チョウセントゲドジョウ? Iksookimia koreensis)に似たドジョウ」と映った。しかし洛東江水系には참종개はいない。참종개に似たドジョウで、この辺にいそうなものといえば、동방종개(トンバンジョンゲェ 東方종개 和名不明 East speckle spined loach = ヒガシマダラシマドジョウ? Iksookimia yongdokensis)、남방종개(ナンバンジョンゲェ 南方條鰍 和名不明 South speckle spined loach = ミナミマダラシマドジョウ? Iksookimia hugowolfeldi)、왕종개(ワンジョンゲェ 王條鰍 和名ナガシマドジョウ Iksookimia longicorpa)のあたりだが、わしの目にはこいつは왕종개には見えなかった。わしの知っている왕종개は、体の横に並ぶ斑紋のうちの、えらのすぐ後ろにあるのがドーンと黒くて大きいものだったから。それと、남방종개は全羅南道の영산강(ヨンサンガン 栄山江)や탐진강(タムジンガン 耽津江)といった地域でこことは地理的に相当かけ離れている。
そこでわしは師匠に「この川には、동방종개がいるんですか?」と聞いた。
すると師匠曰く、「いない」
そうだろうなぁ。동방종개は포항(ポハン 浦項)などを流れる형산강(ヒョンサンガン 兄山江)や영덕(ヨンドク 盈徳)の오십천(オーシプチョン 五十川)といった限られた独立水系に生息するし。それで、この魚を見せたところ、
「これは왕종개。この辺りにはちょっと模様の違う왕종개が出る」
とのこと。
왕종개(ワンジョンゲェ 王條鰍 和名ナガシマドジョウ Iksookimia longicorpa)
왕종개かぁ。そういわれればこっち向きの写真ではえらのすぐ後ろの斑紋は貧弱ではあるけど結構黒くなっているなぁ。

それから、わしにはゲットできなかったが、この場所で先生方が얼룩새코미꾸리(オルルクセコミックリ 和名ナクトンガンハナジロドジョウ? シラヒゲドジョウ? Koreocobitis naktongensis)をゲット。
얼룩새코미꾸리(オルルクセコミックリ 和名ナクトンガンハナジロドジョウ? シラヒゲドジョウ? Koreocobitis naktongensis)
おお、確かに얼룩새코미꾸리だ。ちょっとカラーリングのインパクトが薄くてなんだか새코미꾸리(セコミックリ 和名ハナジロドジョウ Koreocobitis rotundicaudata)と大した変わらないような感じだけどな。

얼룩새코미꾸리(オルルクセコミックリ 和名ナクトンガンハナジロドジョウ? シラヒゲドジョウ? Koreocobitis naktongensis)
いいなぁ、わしもゲットしたかったなぁ。
こいつらは絶滅危惧種なのでもちろん写真撮影後丁重にリリース。

このあと、別れの談笑をちょっとして解散。
2回の仮眠と7回の下痢をしながら、無事家に到着。
井上さんは先生方の車に乗せてもらって釜山へ。その途中で先生方の学校に立ち寄り、今回採集できた魚を水槽に入れるのに立ち会ったそうだが、そこでその水槽の中で수수미꾸리の稚魚がわんさかいるのを見たそうな。なんと、水槽で수수미꾸리の「繁殖」に成功しているとは。こりゃすごいな。

さておさらい。

참갈겨니(チャムカルギョニ 和名不明 カワムツの新種 チョウセンカワムツ? Zacco koreanus → Nipponocypris koreanus)
참갈겨니(チャムカルギョニ 和名不明 カワムツの新種 チョウセンカワムツ? Zacco koreanus → Nipponocypris koreanus)のNEタイプ。胸びれにオレンジ色が出ていない、背びれのオレンジ色は前のほうにちょっとだけ、背びれの黄色は上の前側に入る、と、こちらでまとめたとおりのカラーリングとなっている。

참갈겨니(チャムカルギョニ 和名不明 カワムツの新種 チョウセンカワムツ? Zacco koreanus → Nipponocypris koreanus)
こちらは同じ참갈겨니のNEタイプの別個体。

긴몰개(ギンモルゲェ 和名ホソモロコ Squalidus gracilis majimae)
긴몰개(ギンモルゲェ 和名ホソモロコ Squalidus gracilis majimae)。どこにでもいるが、いないところには本当にいない。

수수미꾸리(ススミックリ 和名ヨコジマドジョウ Niwaella multifasciata → Kichulchoia multifasciata)
수수미꾸리(ススミックリ 和名ヨコジマドジョウ Niwaella multifasciata → Kichulchoia multifasciata)。やっぱりこいつらは観賞価値が高いねぇ。早瀬をガサガサして、網に入ったとしても1匹とか2匹とかなので、取るのは結構手間がかかるのだ。

수수미꾸리(ススミックリ 和名ヨコジマドジョウ Niwaella multifasciata → Kichulchoia multifasciata)
수수미꾸리を観賞魚用の手網に大量にすくって、手網をゴロゴロやると、こいつら同士が勝手に絡み合って「ダンゴ」をつくるのが他のドジョウとちょっと違うかも。


しかし手間暇かけて写真これだけか。本当に情けない。体調も悪かったし。これからはこういうことがないようにしよう。

※下痢が治るのに3日かかりました。
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tag : 洛東江水系

コメント

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No title

アキミツ様、こんにちは。

四月の清道遠征では体力的にも精神的にも大変だったのですね。
無理をしてご参加くださったのに、気遣い出来ずにご免なさい。

久々の日韓ちゃんぽんブログ更新で、ホッとしています。
その後、ご家族の皆さん、達者でお過ごしでしょうね。
花戸家に益々の幸運が舞い込みます様に御祈り申し上げます。

秋風が吹きましたら、また訪韓釣行します。
こんどは何処らにしましょうかねぇ。

Re: No title

井上様
コメント有難うございます。

> 四月の清道遠征では体力的にも精神的にも大変だったのですね。
> 無理をしてご参加くださったのに、気遣い出来ずにご免なさい。

こちらこそ準備不足で大変失礼いたしました。
体力調整は基本中の基本のはずなのに、おろそかになっておりました。
ともあれ、短い時間でしたがお話をいろいろ伺えて良かったです。
あとはオオイチモンジタナゴさえ釣れていれば……


> 秋風が吹きましたら、また訪韓釣行します。
> こんどは何処らにしましょうかねぇ。

ソウル漢江でトゲタナゴ釣りなんていかがでしょうか。
工事も終わっていることでしょうし、自分もリベンジしてみたい思いがあります。

はじめまして

はじめての投稿になります。オオイチモジタナゴは日本ではかなりの値段で取り引きされていますね。個人的にはチョウセンカネヒラに興味があります。日本のカネヒラと色の出方が違う様ですね。
北朝鮮にはまだ発見、学名さえついていない未知なる淡水魚類もいるんじゃないですかね。

Re: はじめまして

東様
コメントありがとうございます。返信がずいぶんと遅れてしまったことをお詫び申し上げます。

北朝鮮の魚たちについては、恐らく遺伝子解析による系統分類が周辺諸国に比べて遅れていると思われます。
ですから、遺伝子的にも別種と判断でき、形態的にも特徴が異なると判断できる魚、つまり新種となりうる魚たちがいる可能性は高いのではないでしょうか。
北朝鮮は韓国よりも更に大陸に近いですし、かつて朝鮮魚類誌にて「大陸にいるものと同種」となっていたものについては、大陸産の模式標本があるものに対して別種認定されるものが出てくるかもしれませんね。
プロフィール

アキミツ

Author:アキミツ
97年から韓国に住んでいます。妻は韓国人、子供たちは二重国籍です。
韓国の田舎で野良仕事からサーバー管理まで仕事をしつつ、ときどき川に行ってはガサガサして魚をとってます。

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