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仕事のついでに平昌(ピョンチャン)深夜ガサガサ

先日、仕事で江原道は평창(ピョンチャン 平昌)に泊りがけで行く用事ができた。職場全体の用事だったのでバスで移動する予定だったのだが、ちょうどその出発の日の午前中にパソコン関係の仕事が入り込んで、皆と一緒のバスでは行けなくなり、あとから別便で行くことになった。職場の公用車を使っても良かったのだけど、せっかくだからということでわしの自家用車で行くことにした。

「せっかくだから」というのは正しくない表現だ。
職場全体の泊りがけ行事は、夜が暇になる。他の職員たちは노래방(ノレバン カラオケ)に行ったり各部屋で盛り上がったり、若い衆はPSPを持ち込んでモンスターハンティングに駆り出したりするのだが……。
時間はたっぷりある。わしの自家用車。わしの車には当然ガサガサ道具一式がいつでもできるように積まれている。しかも場所は漢江水系上流部の平昌だ。
これはもうやるしかないでしょう。だから、「ここまで来たんだし、せっかくだからついでにガサガサできるように」というのは正しくない表現だ。「チャンスが十分にあるから、計画的にガサガサするつもりで」というのが正しい表現だな。

そんなわけで、計画通りに深夜ガサガサしてきたぜ。場所や魚種のほうは計画通りとは行かなかったけどな。
 
さて、回ってみた場所は3箇所。そのうちまともにガサガサしたところは2箇所。


1ヵ所目:평창강(ピョンチャンガン 平昌江)の上流部……だと思ったら実は支流だったところ。

水の流量が少なく、下流に行くと川から水がなくなっていた。ようするに伏流になってしまっていた。
もう돌고기(トルコギ 和名ムギツク Pungtungia herzi)と버들치(ボドゥルチ 和名コウライタカハヤ Rhynchocypris oxycephalus)と참갈겨니(チャムカルギョニ 和名不明 カワムツの新種 チョウセンカワムツ? Zacco koreanus → Nipponocypris koreanus)くらいしかいないところだった。


참갈겨니(チャムカルギョニ 和名不明 カワムツの新種 チョウセンカワムツ? Zacco koreanus → Nipponocypris koreanus)
참갈겨니(チャムカルギョニ 和名不明 カワムツの新種 チョウセンカワムツ? Zacco koreanus → Nipponocypris koreanus)の一発芸。

버들치(ボドゥルチ 和名コウライタカハヤ Rhynchocypris oxycephalus)
버들치(ボドゥルチ 和名コウライタカハヤ Rhynchocypris oxycephalus)。これが一番多い。

ここはもう「意味のある魚種」がとれないと判断して、さっさと次の場所を探すことにした。



2ヶ所目:평창강(ピョンチャンガン 平昌江)は雷雲渓谷の入口。

ここには長い早瀬があった。水の多い時期ならここはちょっと危険な場所かもしれない。
長い早瀬というと、石と石の隙間を高速で駆け抜ける例のドジョウカマツカ属2種が期待できるところ。根気よく石をめくっていく。

배가사리(ベガサリ 和名ホタテコブクロカマツカ Microphysogobio longidorsalis)
배가사리(ベガサリ 和名ホタテコブクロカマツカ Microphysogobio longidorsalis)!期待通りというか、やはりいました배先生。一つの石から2匹とれた。

20101208010341.jpg
옴개구리(オムゲグリ 和名ツチガエル Rana rugosa)かな?下がメスで上がオスなのだろう。網の上で転がしてもまったく離れる様子はなかった。このまま春までくっついたまま行くのだろう。

돌상어(トルサンオ 돌(石)沙魚 和名サメガシラ 鮫頭 Gobiobotia brevibarba)
やはり期待通り!돌상어(トルサンオ 돌(石)沙魚 和名サメガシラ 鮫頭 Gobiobotia brevibarba)がとれた。

배가사리(ベガサリ 和名ホタテコブクロカマツカ Microphysogobio longidorsalis)
そしてどんどん網にかかってくる배가사리。

쉬리(シュイリ 和名ヤガタムギツク シュリ Coreoleuciscus splendidus)
このとおり쉬리(シュイリ 和名ヤガタムギツク シュリ Coreoleuciscus splendidus)もとれるのだけど、쉬리より배가사리が多くとれるだなんて、どういうところだここは。
一緒に写っているカエルは북방산개구리(ブクバンサンゲグリ 和名チョウセンヤマアカガエル Rana dybowskii)っぽいが詳細不明。

돌상어(トルサンオ 돌(石)沙魚 和名サメガシラ 鮫頭 Gobiobotia brevibarba)
全部돌상어。ひとつの石をめくっただけで돌상어が複数匹とれたのはもしかしたら初めてかもしれない。

いやぁここは배가사리と돌상어の天国だな、と思っていたら、近所のアジョシがやってきて文句を言うので撤収。
アジョシさえ来なければ、ここで꾸구리(ックグリ 和名ズナガドジョウカマツカ Gobiobotia macrocephala)にも出会えていたかもしれない。



3ヶ所目:미탄(ミタン 美灘)の村に流れる川。

この川ではかつて下流のほうで금강모치(クムガンモーチー 金剛모치 和名コンゴウハヤ Rhynchocypris kumgangensis)や연준모치(ヨンジュンモーチー 和名ヒメハヤ ユーラシアンミノー Phoxinus phoxinus)を採集したことがある。今回はその上流で、途中伏流となって川から水が姿を消すその上流に行ってみた。


금강모치(クムガンモーチー 金剛모치 和名コンゴウハヤ Rhynchocypris kumgangensis)
予想はしていたがやはり一発目から금강모치が網に入った。
北朝鮮領にある金剛山の渓谷で見つかったことから名づけられたこの金剛ハヤは、オス・メスともにオレンジ色の2本のラインの婚姻色を出す。オスのほうがより鮮明に出るけどな。このオレンジ色のラインが、アブラハヤやタカハヤの同属と思えないほどきれいな色になるのだ。標高の高いところに生息しており、冷水を好むが、とりあえず水温が高くなければ落ち葉などが堆積してヘドロ状になった水溜りにもいたりする。飼育してみたら食欲の旺盛さはやっぱりハヤだった。

연준모치(ヨンジュンモーチー 和名ヒメハヤ ユーラシアンミノー Phoxinus phoxinus)
ちょっと浅いところをガサガサしてみたら、なんとほとんどが연준모치(ヨンジュンモーチー 和名ヒメハヤ ユーラシアンミノー Phoxinus phoxinus)だった。
この魚こそがユーラシア大陸に広く分布する「ミノー」だ。ミノーというと日本人にとっては釣りで使うルアーの一種か、或いはミノムシの駄洒落しか思い浮かばないかもしれないが、これが正真正銘、そのルアーのもととなったミノーだ。韓国ではこの川と삼척(サムチョク 三陟)の오십천(オーシプチョン 五十川)水系くらいにしかいない希少種なのだが、世界に広く分布するために絶滅危惧種扱いされていない。


20101208032604.jpg
歩き回ってみれば、この場所は금강모치と연준모치の天国だった。というか、それしかとれない。追い立てずに歩き回るだけでこれだけ入ってくる。天敵がいないのか、増える一方なのだろう。ここらで考えられる天敵といえば、미유기(ミユギ 和名コウライヤナギナマズ Silurus microdorsalis)、꺽지(ッコクジ 和名コウライオヤニラミ コクチ Coreoperca herzi)、산천어(サンチョノ 山川魚 和名ヤマメ サクラマス Oncorhynchus masou masou)、
養魚場から逃げ出した무지개송어(ムジゲェソンオ 무지개松魚 和名ニジマス Oncorhynchus mykiss mykiss)、열목어(ヨルモゴ 熱目魚 和名コクチマス ヨルメギ Brachymystax lenok tsinlingensis)のあたりだが、石をめくっても肉食魚がとれない。サケ科の魚がいたとしたらもっと上流なのだろう。

歩き回っているうちに、금강모치と연준모치の住み分けもなんとなく分かってきた。水深のあるところでは、금강모치は上層部に、연준모치は底のほうに群れをなす。浅いところでも落ち葉が堆積してヘドロ状になった川底では금강모치が、砂底や一枚岩の上では연준모치が多く見られた。



適当に採集したところで撤収。
本当は目標魚種が2種類ほどあったのだけど、そのどちらもとれなかったので次回チャレンジしたいと思う。
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コメント

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No title

おはようございます。
これまたいろんな底物が網に入っていますね。
ホタテコブクロカマツカ、ツチフキみたいですが別モンなんですね。なかなか良い魚ですね~ぜひ観察してみたい魚です。
サメガシラは、より早瀬に適応しいるんのですかね。リザードフィッシュのような胸鰭の形に見えます。

コウゴウハヤも久しぶりの登場ですね。金ピカは飛んでいますがそれでも魅力のあるお魚ですね。
水槽で群れさせたら綺麗でしょうね。
ヒメハヤ大量ですね。分布地域が少ない魚種が生息している大切な水系なんですね。

このカエルさんは、この時季に繁殖しているようですね。皮膚が水中に適応してたるんでいる事からも、アカガエルの親戚のタゴガエルの仲間かなと思います。

No title

ドジョウカマツカ 最高~っ!
思わず叫んでしまいました.
やっぱりかわいいですね.
なかなか,アキミツさんのところに遊びに行く都合がつかず見る機会を逸しているのは残念でなりません.

ヒメハヤのこと驚きました.そんなに分布が限られていたとは.
ユーラシアまでの分布はとびとびなんでしょうかね.

ところで,中国のツチフキに最近興味が出てきました.
実はミトコンドリアゲノムの配列が15%ぐらい違うことは気がついていたのですが,「サンプルの取り違いかな~」程度に思っていました.そしたら,昔,中国産ツチフキとして買ったサンプルがばっちり中国のデータと一致.おそらく中国南部から来たものでしょうが,ざっと見た感じ外見上は日本のツチフキと正直区別が付きません.
詳しく調べたら形の違いが出てくるのでしょうか...

そこで,韓国のツチフキは見た感じ日本のとかわりないですか?

Re: No title

アヤヨシ様
コメント有難うございます。

> サメガシラは、より早瀬に適応しいるんのですかね。リザードフィッシュのような胸鰭の形に見えます。

サメガシラは、タニノボリのように石にくっつく体の構造はもっていませんが、胸びれをスポイラーのようにしてダウンフォースを発生させるようです。

> このカエルさんは、この時季に繁殖しているようですね。皮膚が水中に適応してたるんでいる事からも、アカガエルの親戚のタゴガエルの仲間かなと思います。

冬に産卵するカエルが韓国にいるか検索してみたのですが、見つかりませんでした。タゴガエルの仲間というのは良い表現だと思います。韓国には3種類くらいいるのですが、これらは日本と同じく水中で越冬し、雪解けの頃に産卵するようです。
それにしても、冬に石をめくるとカエルによく出くわします。

Re: No title

らいあます様
コメント有難うございます。

> ヒメハヤのこと驚きました.そんなに分布が限られていたとは.
> ユーラシアまでの分布はとびとびなんでしょうかね.

韓国には希少種ですが、北朝鮮の山間部には結構生息域があるようです。そしてそこから北に上って大陸の広い広い生息域につながっていくようです。韓国では見られませんが、北朝鮮ではグレイリングの仲間も生息しているとのことで、やはり北は大陸と近いのだなと感じます。


> ところで,中国のツチフキに最近興味が出てきました.
> そこで,韓国のツチフキは見た感じ日本のとかわりないですか?


実は日本にいた頃はほとんどツチフキと出会ったことがありませんでしたので、詳しい比較ができないのです。ごめんなさい。でも、日本の図鑑で見ていたツチフキを韓国で実際に見て、韓国のは各ひれが丸っぽいなぁと思ったことがあります。
プロフィール

アキミツ

Author:アキミツ
97年から韓国に住んでいます。妻は韓国人、子供たちは二重国籍です。
韓国の田舎で野良仕事からサーバー管理まで仕事をしつつ、ときどき川に行ってはガサガサして魚をとってます。

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