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韓国タナゴの特徴とその分類

韓国に生息するタナゴの同定ができなくて、いろんなところから資料を集めて同定のポイントとなりそうなところを資料にまとめていたのだが、今回これを公開してみようと思う。
以前は同定の難しい魚はみんな師匠に丸投げしていた。しかしいつまでも師匠を頼りにしっぱなしというわけには行かないのでな。それでこの資料を作った。
これを自分で作ってからというもの、だいぶタナゴの同定のスキルがあがった。しかし冬の同定(特に稚魚)とか、幼魚なら납자루(ナプジャールー 和名ヤリタナゴ Acheilognathus lanceolatus → Tanakia lanceolata)と납지리(ナプジーリー 和名カネヒラ Acheilognathus rhombeus)と큰납지리(クンナプジーリー 和名オオタナゴ Acanthorhodeus macropterus)と가시납지리(ガシナプジーリー 和名チョウセントゲタナゴ Acanthorhodeus gracilis → Acheilognathus chankaensis)の見分けとか흰줄납줄개(フィンジュルナプジュルゲェ 和名タイリクバラタナゴ Rhodeus ocellatus ocellatus)と한강납줄개(ハンガンナプジュルゲェ 漢江납줄개 和名ニセヨーロッパタナゴ Rhodeus pseudosericeus)の見分けはいまだ難しい。成魚に至っては임실납자루(イムシルラプジャールー 任実납자루 和名不明 Seomin bitterling = ソムジンボテ? Acheilognathus somjinensis → Tanakia somjinensis)と칼납자루(カルラプジャールー 和名コウライポテ Acheilognathus koreensis → Tanakia koreensis)の同定はもうフィーリングとしか言いようがない。
また今回写真を入れながら、각시붕어(カクシブンオ 和名ウエキゼニタナゴ カラバラタナゴ Rhodeus uyekii → Rhodeus sinensis)や납자루(ナプジャールー 和名ヤリタナゴ Acheilognathus lanceolatus → Tanakia lanceolata)は割とよく採集したと思ったのだが特徴をしっかり捉えた写真を撮っていなかったことに気づいたり、やはり큰납지리(クンナプジーリー 和名オオタナゴ Acanthorhodeus macropterus)や가시납지리(ガシナプジーリー 和名チョウセントゲタナゴ Acanthorhodeus gracilis → Acheilognathus chankaensis)は資料不足だということに気がついた。これからもさらに精進しなければならないと思った次第。

以下の表は、「韓国の淡水魚とその和名」とは並び方を変えてみた。魚類学の分類法に従った並び方にしてみたのだが、やっぱり自分としてはちょっと探しにくいかも。それから、分岐軟条の数については分布図っぽくつくったほうがよかったかなとか、いろいろ思うところがあるけれど、ひとまずこれで韓国に生息するコイ目・コイ科のタナゴ亜科が整理できたということで。

 
※2011年5月17日、文字化け等を起こしているところを修正
※2011年6月6日、満州魚類誌の記載を採用

韓国名読み方和名学名大きさ口ひげ側線背びれ
分岐軟条
臀びれ
分岐軟条
その他の特徴
흰줄납줄개
흰줄납줄개(フィンジュルナプジュルゲェ 和名タイリクバラタナゴ Rhodeus ocellatus ocellatus)
フィンジュルナプジュルゲェタイリクバラタナゴ
흰줄납줄개(フィンジュルナプジュルゲェ 和名タイリクバラタナゴ Rhodeus ocellatus ocellatus)
Rhodeus ocellatus ocellatus4~6cm
最大8cm

なし不完全
3~6個の鱗にのみ穴がある
11~1210~11頭の後ろから背びれまでにかけて光沢がある
떡납줄갱이
떡납줄갱이(ットクナプジュルゲンイ 和名カラゼニタナゴ Rhodeus notatus)
ットクナプジュルゲンイカラゼニタナゴ
떡납줄갱이(ットクナプジュルゲンイ 和名カラゼニタナゴ Rhodeus notatus)
Rhodeus notatus3~4cm
最大5cm

なし不完全
最初の4個の鱗にのみ穴がある
9~109~10背びれの開始点より前方から尾びれの付け根まで長い青いライン
각시붕어
각시붕어(カクシブンオ 和名ウエキゼニタナゴ カラバラタナゴ Rhodeus uyekii → Rhodeus sinensis)
カクシブンオウエキゼニタナゴ
カラバラタナゴ
각시붕어(カクシブンオ 和名ウエキゼニタナゴ カラバラタナゴ Rhodeus uyekii → Rhodeus sinensis)
Rhodeus uyekii → Rhodeus sinensis3~4cm
最大5cm

なし不完全
3~4個の鱗にのみ穴がある
8~98~10背びれの開始点より後方から尾びれの付け根まで長い青いライン
それに続くように尾びれの真ん中にオレンジのライン
서호납줄갱이ソーホーナプジュルゲンイホンダゼニタナゴAcheilognathus hondae最大5センチ
なし不完全1311尾びれは深く分かれており先端がとがる。
背びれ・臀びれに黒い斑点でできた3列の縞
絶滅したと思われる
한강납줄개
한강납줄개(ハンガンナプジュルゲェ 漢江납줄개 和名ニセヨーロッパタナゴ Rhodeus pseudosericeus)
ハンガンナプジュルゲェ
漢江납줄개
ニセヨーロッパタナゴ
한강납줄개(ハンガンナプジュルゲェ 漢江납줄개 和名ニセヨーロッパタナゴ Rhodeus pseudosericeus)
Rhodeus pseudosericeus5~9cm
なし完全
ほぼ直線または中間部分が若干下に曲がる
9~109~10背びれの開始点より後方から尾びれの付け根まで長い青いライン
尾びれの真ん中にオレンジのラインがない
납자루
납자루(ナプジャールー 和名ヤリタナゴ Acheilognathus lanceolatus → Tanakia lanceolata)
ナプジャールーヤリタナゴ
납자루(ナプジャールー 和名ヤリタナゴ Acheilognathus lanceolatus → Tanakia lanceolata)
Acheilognathus lanceolatus → Tanakia lanceolata5~9cm
最大13cm

目の直径より長い完全
ほぼ直線または中間部分が若干下に曲がる
9~109~11背びれと臀びれの端がオレンジ色(臀びれに顕著)
줄납자루
줄납자루(ジュルラプジャールー 和名チョウセンイチモンジタナゴ Acheilognathus yamatsutae)
ジュルラプジャールーチョウセンイチモンジタナゴ
줄납자루(ジュルラプジャールー 和名チョウセンイチモンジタナゴ Acheilognathus yamatsutae)
Acheilognathus yamatsutae8~10cm
最大15cm
前方に若干突出長さ多様完全
ほぼ直線または中間部分が若干下に曲がる
7~97~9鰓蓋後方上に瞳孔大の斑点
青く広いラインが尾びれの付け根まで入る
背びれ・臀びれに黒い斑点でできた3列の縞
腹びれ・臀びれの端に白の光沢
큰줄납자루
큰줄납자루(クンジュルラプジャールー 和名オオイチモンジタナゴ Acheilognathus majusculus)
クンジュルラプジャールーオオイチモンジタナゴ
큰줄납자루(クンジュルラプジャールー 和名オオイチモンジタナゴ Acheilognathus majusculus)
Acheilognathus majusculus9~11cm前方に突出目の直径の半分よりやや長い完全
中間部分が若干下に曲がる
87~8青く広いラインが尾びれの付け根まで入る
青いラインの上に赤いラインが3~4列入る
背びれ・臀びれに白い斑点でできた2~3列の縞
背びれの端が黒、臀びれの端が白
尾びれの付け根が赤
蟾津江水系と洛東江水系の一部に生息
묵납자루
묵납자루(ムンナプジャールー 和名チョウセンボテ Acheilognathus signifer → Tanakia signifer)
ムンナプジャールーチョウセンボテ
묵납자루(ムンナプジャールー 和名チョウセンボテ Acheilognathus signifer → Tanakia signifer)
Acheilognathus signifer → Tanakia signifer5~7cm
最大12cm

あり完全だが薄い
中間部分が若干下に曲がる
8~98~10背びれは暗色に太い黄色のライン
漢江水系以北に生息
임실납자루
임실납자루(イムシルラプジャールー 任実납자루 和名不明 Seomin bitterling = ソムジンボテ? Acheilognathus somjinensis → Tanakia somjinensis)
イムシルラプジャールー
任実납자루
不明
Seomin bitterling = ソムジンボテ?
임실납자루(イムシルラプジャールー 任実납자루 和名不明 Seomin bitterling = ソムジンボテ? Acheilognathus somjinensis → Tanakia somjinensis)
Acheilognathus somjinensis → Tanakia somjinensis5~6cm
あり
7~99~11背びれは暗色に細い黄色のライン
臀びれは暗色に太い黄色のラインが2本
目の虹彩部分が明るい
全体的に칼납자루より明るい色
蟾津江の任実郡付近にのみ生息
칼납자루
칼납자루(カルラプジャールー 和名コウライポテ Acheilognathus koreensis → Tanakia koreensis)
カルラプジャールーコウライポテ
칼납자루(カルラプジャールー 和名コウライポテ Acheilognathus koreensis → Tanakia koreensis)
Acheilognathus koreensis → Tanakia koreensis6~8cm
最大10cm

目の直径の2/3程度完全
中間部分が若干下に曲がる
8~910背びれは暗色に細い黄色のライン、端が黄色
臀びれは暗色に太い黄色のラインが2本
目の虹彩部分が暗い
漢江水系より南の水系に生息
납지리
납지리(ナプジーリー 和名カネヒラ Acheilognathus rhombeus)
ナプジーリーカネヒラ
납지리(ナプジーリー 和名カネヒラ Acheilognathus rhombeus)
Acheilognathus rhombeus6~8cm
最大13cm
前方に突出短い完全
中間部分が若干下に曲がる
11~139~10鰓蓋後方上に瞳孔大の斑点
この斑点の後方や鰓蓋に淡い赤が入ることもある
青く広いラインが尾びれの手前まで入る
背びれと臀びれに淡い斑点でできた縞
秋に産卵する
큰납지리
큰납지리(クンナプジーリー 和名オオタナゴ Acanthorhodeus macropterus)
クンナプジーリーオオタナゴAcanthorhodeus macropterus6~10cm
最大18cm

痕跡程度完全
中間部分が若干下に曲がる
15~1712~13全身に光沢
体の中間から後ろにかけて青と暗色のライン
鰓蓋後方上に瞳孔大の不明瞭な斑点。その後方4~5番目の鱗に瞳孔より大きな黒い点
背びれと臀びれに淡褐色の縞が2列ほど入る
臀びれの端に白の光沢
가시납지리
가시납지리(ガシナプジーリー 和名チョウセントゲタナゴ Acanthorhodeus gracilis → Acheilognathus chankaensis)
ガシナプジーリーチョウセントゲタナゴ
コウガイタナゴ
Acanthorhodeus gracilis → Acheilognathus chankaensis8~10cm
最大12cm

痕跡程度完全
中間部分が若干下に曲がる
12~1310~11全身に光沢
鰓蓋後方上に瞳孔大の不明瞭な斑点
背びれと臀びれに淡褐色の縞が2~3列入る
臀びれに白のライン、端に黒
各ひれに赤が淡く入ることもある
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コメント

非公開コメント

No title

アキミツさま

これはすごいです。
大変だったことがよくわかります。

特に稚魚は難しいですよね。
バラタナゴ類に見られる幼魚の背ビレの黒斑はオオタナゴにも出たりして、なんとも。
元々、稚魚屋だったので、楽しいですが。

No title

おぉーッ、素晴らしい。アリガタヤ、ありがたや。
いつかキットやって下さるんではと密かに期待していましたが、ついに出来ましたね。
全てが臨場感あふれるショットばかりで、懐かしい思い出のタナゴちゃん達も見えます。
おめでとうございます。有り難うございます。
訪韓する日本のタナゴ釣り師らが「韓国タナゴの特徴とその分類」を携帯する日も近いですよ。

ところで、絶滅した(と云われてる)서호납줄갱이ですが、これも釣らないとグランドスラムに成りません。Acheilognathus hondaeってことですので、きっと本田さんが見つけたんでしょうね。
発見場所、(元)棲息地、最終確認日などの情報が在りましたらお知らせください。
「ホンダゼニタナゴ採集プロジェクト」ってことで、ご一緒しませんか。
アキミツ様はガサガサで、私は竿で。

Re: No title

らいあます様
コメント有難うございます。

オオタナゴやチョウセントゲタナゴは私が採集して、その現場で同定できたときの写真ではなくて、師匠や達人とご一緒して、「そういえばとれたよ」と見せていただいたものです。採集現場で背びれや臀びれの分岐軟条の数を数えることのできるレベルに至っていない私です。
韓国にお越しの際はどうか문호천(ムノチョン 汶湖川)の止水域にわんさかいる同定の難しい稚魚たちを同定してやってくださいませ。(半分本気)

Re: No title

井上様
コメント有難うございます。ここに掲載されているうちのオオイチモンジタナゴは井上様が釣られた個体ですね。井上様がお釣りにならなければこんなに発色の良い写真がいまだに撮れなかったと思います。

ホンダゼニタナゴですが、私のほうで分かっているのは、1913年にJordanとMetsが水原(スウォン)市にある西湖(ソーホー)にて体長51ミリの個体を採集、新種発表しまして、その後森為三博士が同じく西湖にて48ミリと54ミリの個体を採集したとの記録があるのみとなっています。
これにチャレンジされるとは、井上様はそれこそ水原に別荘を構えるくらいにならなければならないのではないでしょうか?^^;;;

ホンダゼニタナゴの正体は、チョウセントゲタナゴとカラゼニタナゴあたりの交雑種なのではないか……なんて勝手に考えたりもします。

ところで、水原市の西湖といえばもうひとつ、スイゲンゼニタナゴ(ここはあえてRhodeus suigensisと書いておきましょうか)の韓国における由来の地でもあるわけですが……これについては以前おいかわ丸様と少々メールのやり取りをしたことがありますので、許可が出次第記事にまとめてみましょうか。
井上様がお住まいの地にスイゲンゼニタナゴが生息することもありますし、学術的な話になりますが井上様には興味を持っていただけるのではないかと思います。

No title

数年前に広島県福山市の芦田川で서호납줄갱이(ホンダゼニタナゴ)発見?とか聞きましたが、その後立ち消えたのかな。水原市の西湖、Daumで見ると小さな湖ですね。公園の様ですが釣っても良いのかな。ここならソウルから日帰りも出来そうですし、1泊して夜討ち朝駆けも面白そうです。「ホンダゼニタナゴ(スイゲンゼニタナゴも)採集プロジェクト」が現実味を帯びて来ました。どうぞ、よろしくヨロシクお願い申し上げます。

No title

こんばんは
これは凄いの一言ですね。個人的にはボテ属がとても参考になりそうです。
休みの時にまたじっくり拝見させてもらいます。

Re: No title

> 数年前に広島県福山市の芦田川で서호납줄갱이(ホンダゼニタナゴ)発見?とか聞きましたが、その後立ち消えたのかな。

そういえば2007年5月頃でしたか、そのような話がありましたね。でもその報道が出たのは韓国側で、日本側でその内容を裏付ける報道が出てこなかったと記憶しています。

西湖について調べてみたのですが……釣り禁止ですって。そうだろうとは思いましたが、やっぱりなぁ。

Re: No title

アヤヨシ様
コメント有難うございます。

Tanakia koreensisが日本のアブラボテとずっと同種と思われていた事がご理解いただけるでしょうか。
でも、韓国のこいつは卵が細長い楕円形なのだそうですよ。

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プロフィール

アキミツ

Author:アキミツ
97年から韓国に住んでいます。妻は韓国人、子供たちは二重国籍です。
韓国の田舎で野良仕事からサーバー管理まで仕事をしつつ、ときどき川に行ってはガサガサして魚をとってます。

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