生息確認失敗

韓国では、インターネット上で活動する同好会を「カフェ」と呼んでいる。
そのカフェは様々なジャンルがあり、川魚の同好会もあるわけで、わしはそのうちのいくつかに加盟もしている。このブログでたびたび出てくる「師匠」をはじめとする韓国の方々はそうしたカフェにて出会った方々である。

そのカフェの掲示板を眺めていたら、1997~98年頃の思い出と称して、왕숙천(ワンスクチョン 王宿川)の中流で점줄종개(ジョムジュルジョンゲェ 和名不明 Luther spine loach = ルーサーシマドジョウ? Cobitis lutheri)がたくさんとれたというのを偶然目にした。
なんと왕숙천!わしの家から25分ほどで行けるところにある川に점줄종개が!?ここ数年間の왕숙천採集レポート(他の方による)でも점줄종개なんて全然出てこなかったぞ。
さっそくわしはその書き込みをした方に聞いてみた。場所はどの辺りか。今も生息するかどうか。こんなことを聞くのにカフェ上の掲示板やそのコメント欄を使用するのはNGだ。日本でもそうだが韓国の淡水魚カフェでも魚の具体的な生息地情報を公開する事は、環境保全の意味でもNGなのだ。それで「こっそり」聞いてみた。すると、しばらく訪れていない場所なので生息するかどうか分からないとのこと。それではわしが行って確かめてきましょうということで、わし自身も久しぶりに왕숙천に行ってみた。

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申し訳ない話だが相変わらずきれいじゃないなぁこの川は。川面に緑色の変な物体が至る所で浮いている。ソウルのベッドタウンを流れる川だから仕方ないか。
 
 
やっぱりこんな川だからか、網にかかるのは피라미(ピラミ 和名オイカワ Zacco platypus)ばかり。あと붕어(ブンオ 鮒魚 和名フナ Carassius auratus)。
とりあえずこれ以外の魚がとれたら写真を撮ることにする。
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밀어(ミルオ 和名トウヨシノボリ Rhinogobius brunneus)やらニゴイ系がいるな。
水面に浮かぶ緑色の謎の物質は海綿というかスポンジ状の構造をしており、こいつが川の汚染を浄化しているのだろうなと思う。実際こいつが浮かんでいるところでは悪臭はあまりないが、浮かんでいないところでは泥底から悪臭が漂う。

돌고기(トルコギ 和名ムギツク Pungtungia herzi)
돌고기(トルコギ 和名ムギツク Pungtungia herzi)の稚魚が謎の物質の下に群れている。

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누치(ヌーチー 和名コウライニゴイ Hemibarbus labeo)か참마자(チャムマジャ 和名ズナガニゴイ Hemibarbus longirostris)の稚魚だがこう小さいと判別が難しい。

참종개(チャムジョンゲェ 和名コウライシマドジョウ チョウセントゲドジョウ? Iksookimia koreensis)
砂底にはドジョウがいる。점줄종개は砂底に生息するとのことなので、砂底は特に念入りにガサガサしてみた。でもとれるドジョウはことごとく참종개(チャムジョンゲェ 和名コウライシマドジョウ チョウセントゲドジョウ? Iksookimia koreensis)だった。

모래무지(モレムジ 和名カマツカ Pseudogobio esocinus)
砂底といえばやはり모래무지(モレムジ 和名カマツカ Pseudogobio esocinus)がいる。

참마자(チャムマジャ 和名ズナガニゴイ Hemibarbus longirostris)
참마자(チャムマジャ 和名ズナガニゴイ Hemibarbus longirostris)も砂底のところから採集できた。참마자自体は採集経験からすると砂底だけでなく石底や岩の下など結構オールラウンドにいるのだが、今回こいつは砂底のところからしか採集できなかった。

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긴몰개(ギンモルゲェ 和名ホソモロコ Squalidus gracilis majimae)と思われる稚魚。

얼룩동사리(オルルクドンサリ 和名セマダラドンコ Odontobutis interrupta)
抽水植物が生えているとか泥底とかになってくるとやはり現れる얼룩동사리(オルルクドンサリ 和名セマダラドンコ Odontobutis interrupta)。

대륙종개(デェーリュクジョンゲェ 大陸條鰍 和名不明 continental stone loach = タイリクフクドジョウ? Orthrias nudus)
汚染の進んだ川での今回のヒットが実はこれ。堰の下の早瀬になっているところで대륙종개(デェーリュクジョンゲェ 大陸條鰍 和名不明 continental stone loach = タイリクフクドジョウ? Orthrias nudus)の稚魚がわんさかとれた。대륙종개は水のきれいな川の上流部に住む魚だ。謎の物質がぷかぷか浮いているような、明らかに汚染されているところには普通生息しないのだが、成魚もいたし稚魚もたくさんいた。

結局점줄종개は採集できなかった。점줄종개はきわめて特殊な環境でしか生息できないような魚種ではないから、少なくとも今回調査した場所から前後3キロメートルは生息確認ができないのではないだろうか……なんて根拠なく考えてしまう。

やっぱり京畿道より南に行かないと점줄종개に安定して出会えるところはないのかなぁ。
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コメント

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No title

こんばんは
魚種は意外と豊富なようですね。ムギツクやズナガニゴイがいるなら、結構いい環境みたいですが、画像を拝見するとそうでもないようですね。
絶えず上流から綺麗な水が入ってきて、なんとか生態系を維持しているような状態ですかね。
それでもトウヨシノボリはやっぱりいるんですね。さすがヨシノボリ!

Re: No title

アヤヨシ様
コメント有難うございます。

確かにムギツクやズナガニゴイはいましたが、タナゴ類は一匹も採集できませんでした。
タナゴ類が採集できないということは、2枚貝を中心とした浄化サイクルができないということなのでしょうね。
でも、砂底からシジミの貝殻が出てきました。いつの頃生息していたものかは分かりませんが、昔はこの川にも生命力があふれていたのだろうと思います。

> それでもトウヨシノボリはやっぱりいるんですね。さすがヨシノボリ!

いや本当にさすがです。なんでこんなところにいるの?何食べてるの?と思ってしまいます。
プロフィール

アキミツ

Author:アキミツ
97年から韓国に住んでいます。妻は韓国人、子供たちは二重国籍です。
韓国の田舎で野良仕事からサーバー管理まで仕事をしつつ、ときどき川に行ってはガサガサして魚をとってます。

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