2011夏のガサガサその1 京畿道始興市

というわけで、奇跡の天気の中で行われた2011夏のガサガサ。
第1採集地点は、京畿道始興市物旺洞 (キョンギド シフンシ ムルワンドン)の보통천(ボトンチョン)とその周辺の水路。

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天気はこの通り雨降らず。
この보통천という川は물왕(ムルワン 物旺)貯水池というところから流れ出ている川で、この貯水池には釣りをする人たちがたくさん来ていた。また、この川沿いをサイクリングする人も思ったよりいて、そのため我々が駐車した場所には車がいっぱいとめられていた。もちろん、この川で釣りをしている人もいるので、我々は釣りの邪魔にならないようにガサガサを敢行した。

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川に入るおいかわ丸さんとTommyさん。さあて何がとれるかな?




 
網を入れれば必ず入っているのが줄새우(ジュルセウ 和名スジエビ Palaemon paucidens)と참붕어(チャムブンオ 和名モツゴ Pseudorasbora parva)だった。

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なんじゃいこの数。줄새우多すぎ。

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しかもサイズはヌマエビサイズ。ヌマエビだったら需要があったんだけど、スジエビじゃなぁ。大量にとってかきあげにするくらいかなぁ。

참게(チャムゲ 和名チュウゴクモクズガニ Eriocheir sinensis)
참게(チャムゲ 和名チュウゴクモクズガニ Eriocheir sinensis)。小さいし、まだハサミに「モクズ」がほとんどないのでなんか違う蟹に見えてしまった。

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他には붕어(ブンオ 鮒魚 和名フナ Carassius auratus)とか대륙송사리(デェーリュクソンサリ 大陸송사리 和名チュウゴクメダカ メダカ中国・西韓集団 Oryzias sinensis)とか꾹저구(ッグクジョグー 和名ウキゴリ Chaenogobius urotaenia)とかがいたりする。

참게(チャムゲ 和名チュウゴクモクズガニ Eriocheir sinensis)
さっきよりもうちょっと大きな참게。

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ボサを狙うおいかわ丸さん。実はこの場所で出会いたい魚がいたのだった。


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大きいエビが網にかかったと思ったら、징거미새우(ジンゴミセウ 和名テナガエビ)だった。韓国にはテナガエビが3種類くらいいるらしいけど、これはどの種かな?

갈문망둑(カルムンマンドゥク 褐紋망둑 和名ゴクラクハゼ Rhinogobius giurinus)
ヨシノボリの額にV字がないと思ってよく見たら、これは갈문망둑(カルムンマンドゥク 褐紋망둑 和名ゴクラクハゼ Rhinogobius giurinus)だな。

この川でとれたものは、他には피라미(ピラミ 和名オイカワ Zacco platypus)とか메기(メギ 和名ナマズ Silurus asotus)の小さいのとか미꾸리(ミックリ 和名ドジョウ Misgurnus anguillicaudatus)とか、あまり魚相の指標にならない奴等。フナの稚魚の中に잉어(インオ 鯉魚 和名コイ Cyprinus carpio)が混じっていたかもしれない。あと블루길(ブルルーギル 和名ブルーギル Lepomis macrochirus)なんかもとれた。

今度は水路のほうを探検。

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まずはこんな水路。雰囲気的にはなかなかよさげなんだけど、とれるのは미꾸리(ミックリ 和名ドジョウ Misgurnus anguillicaudatus)程度。
ちなみにこの近辺の水田には、ご覧の通りハスと稲が植えられていたのだけど、稲の田の中にところどころハスが葉を茂らせていたりする。この田の主人は結構適当に管理しているらしいな。

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さらにちょっと場所を変えて、コンクリートに囲まれた水路へ。ここで今回の目的魚種を発見。

というわけで撮影タイム。

왜몰개(ウェーモルゲェ 和名ヒナモロコ Aphyocypris chinensis)
さてこれが今回の目的魚種である왜몰개(ウェーモルゲェ 和名ヒナモロコ Aphyocypris chinensis)。こいつ、おいかわ丸さんやTommyさんが撮影するときはじっとしていたのに、わしが撮影しようとするとせわしなく動き回る。おかげでわしのほうにはこんな写真しか残ってない。

치리(チリ 和名カワサッパ Hemiculter eigenmanni)
そしてヘミクルターでありますよ。치리(チリ 和名カワサッパ Hemiculter eigenmanni)。
稚魚だけど普段のガサガサではなかなかお目にかからない魚。成魚は投網を使わなければとれないかも。

미꾸리(ミックリ 和名ドジョウ Misgurnus anguillicaudatus)
一応ここでとれた미꾸리(ミックリ 和名ドジョウ Misgurnus anguillicaudatus)も撮影。日本や韓国ではどこにでもいるドジョウだが欧米に行くとWeather Loachとして有難がられる。
ドジョウも地域変異が相当あるので、ここで採集されたものの記録をとっておくのだ、とお二人。


実はこの採集地点の水路では、버들붕어(ボドゥルブンオ 和名チョウセンブナ Macropodus ocellatus)や좀구굴치(ジョムグーグルチ 和名ヨコシマドンコ Micropercops swinhonis → Hypseleotris swinhonis)の採集実績が他の人のレポートにより知られている。今回は残念ながらこれらの魚種と出会う事はできなかったが、それでもヒナモロコに出会えたことで良しとするか。

ヒナモロコはおいかわ丸さんの地元では希少種になってしまった種。韓国では平野部の水路や川辺の止水域に普通に見られる種だ。おいかわ丸さんの話によると、九州では潮の満ち干の差が激しく、水害を避けるために水田が川や水路より高い位置に作られる。そのため、田んぼの中に産卵しに入れなくなっているそうな。高温でも塩水でも死なないヒナモロコが産卵できないという理由だけで激減し、その一方、昔ながらの水路では抽水植物の茎に卵を産み付けるしかなかったモツゴが、水路の壁面が一面コンクリートとなる事により、コンクリートの壁面にいくらでも卵を生みつけることができるようになり、その結果モツゴががんがん増えるという事態になるとか。

水害に強く、かつ魚が田んぼに入り込むことのできる水路を作る事ができれば、ヒナモロコも増えるのだろう。
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コメント

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韓国の川、面白そうです!

はじめまして(...たぶん)
以前から楽しく拝見させていただいておりました。
特にヨコジマドジョウのファンだったりします。
今回の記事でネット上のみで知っている方2人の勇姿を見て思わず書き込んでしまいました。
韓国の川、とっても魅力的ですね。
私の方は、ガサガサよりは水中撮影派なのですが....

それにしても最近のお写真、きれいだと思います。
以前とはカメラを変えたとかあるのでしょうか?

珍しい魚たちの写真、楽しみに見ています。
今後ともよろしくお願いいたします。

ヒナモロコに感激

アキミツさん,こんばんは.

この地点は何と言ってもヒナモロコでしたね.僕は野生のものを初めて採りました.緑かかった黄金色がとても
美しく,姿を見た瞬間,韓国第一号の叫びをしてしまいました(笑).おいかわ丸さんが解説してくださったように,
水路と田んぼの水面の高さに大きな差がなく,ところどころ田んぼから水路に水が漏れ出ている…こんな
「ええかげん」なところが魚には絶妙のなのでしょうね.よい勉強になりました.
カワサッパが採れた時も,大陸に自分が来ているんだということを実感し,感慨深く思いました.

Re: 韓国の川、面白そうです!

おでっせい様
コメント有難うございます。
海外のドジョウ好きウェブサイトに私のブログをご紹介くださった方ですよね。
水中撮影をYoutubeにアップされている方ですよね。美しい映像を拝見しております。

> 特にヨコジマドジョウのファンだったりします。

ヨコジマドジョウは観賞価値の高いドジョウですね。
韓国では洛東江水系にのみ生息していて、私の家からは生息地は遠いのですが、こいつがとれると本当に嬉しいです。目の前にいるのが見えるのに、回遊しているわけでもないのに網に入らないドジョウです。


> それにしても最近のお写真、きれいだと思います。
> 以前とはカメラを変えたとかあるのでしょうか?

最近はPicasaにてちょっとだけ画質調整をしておりますです。
防水デジカメでがんばっておりますが、じっくり撮影するための一眼レフクラスのカメラも欲しいなと思っております。

Re: ヒナモロコに感激

Tommy様
コメント有難うございます。

水路でヒナモロコを真っ先に網に入れたのはTommy様でしたね。
今回はでも数匹しか採集できなかったのが残念です。
行くところに行けば、ヒナモロコがうようよしているとのことですので、
もし次に機会がありましたら、1号網の一振りに数十匹入るようなところを巡ってみたいですね。

> おいかわ丸さんが解説してくださったように,
> 水路と田んぼの水面の高さに大きな差がなく,ところどころ田んぼから水路に水が漏れ出ている…こんな
> 「ええかげん」なところが魚には絶妙のなのでしょうね.よい勉強になりました.

私もこれは勉強になりました。こういった「ええかげん」な田んぼが増えていくと良いですね。

No title

先日はどうもありがとうございました!たった一週間前のことですが、遠い昔のようです。
写真を見るとそれぞれのシーンがとても鮮明に蘇ってきます。
韓国のヒナモロコ生息地は一度見てみたいと思っておりまして、今回実際に行ってみて
やっぱりいる環境とはこういうのなのだ、ということが確認できてよかったです。
そして、やっぱり日本とヒナモロコは相性が悪かったな・・とも思いました。
韓国では健全に生き続けていくことを祈っています。
自分とこのブログでもそろそろ記事を載せてきます。

Re: No title

おいかわ丸様
コメントありがとうございます。

> 先日はどうもありがとうございました!たった一週間前のことですが、遠い昔のようです。

お帰りになってからとても忙しい日々を過ごされた事と察します。
この後第2・第3・第4採集地点での報告が控えております。説明不足な点が出てきましたら、このコメント欄を使ってフォローとかツッコミとかして下さいますと有難いです。

> 自分とこのブログでもそろそろ記事を載せてきます。

おいかわ丸節の効いた韓国紀行、楽しみにしております。(^^)
プロフィール

アキミツ

Author:アキミツ
97年から韓国に住んでいます。妻は韓国人、子供たちは二重国籍です。
韓国の田舎で野良仕事からサーバー管理まで仕事をしつつ、ときどき川に行ってはガサガサして魚をとってます。

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