迷い込んだ亀尾市農水路&近所の川ガサガサ

韓国の2010年8月は、本当に雨ばかりの日々だった。1日中雨が降らなかった日など、片手で数えるくらいしかないのではないかと思えるほど、雨が降り続いた。雨が降り続くと、当然川は濁ったり増水したり近寄るには危険な状態になったりするし、雨の降らない日でも川は増水しているしで、魚とりを趣味にするものたちにとっては、思うようにいかない日が続いた。

そんな中で、辛うじてガサガサできた日のことを記事にしようと思う。

その日は、職場の夏休みの初日だった。2週間ほど前から우리 집사람と子供たちは처갓집(チョガッチブ 妻の実家)に行っていたのだが、夏休みを利用してわしは처갓집に行き、数日間滞在した後家族全員で帰ってくるという計画だった。
で、帰りはともかく行きは気ままの一人旅なわしは、どうせ行くなら途中でガサガサしてみようかと思った。そして予定より6時間ほど早く(これは妻子には内緒だ)出発することにした。いつものように高速道路を南下しつつ、いつもの道を行くのもちょっとアレだなと、今回は別のルートを走ってみることにした。通常だと中部高速道路を使うのだが、今回は中部内陸高速道路に入り込んでみた。中部内陸高速道路は구미(クミ 亀尾)市の김천(キムチョン 金泉)のところで京釜高速道路と接続するから、처갓집に行くには김천から戻ればいいや……くらいに考えていた。

とりあえず구미市に入ったあたりで一度インターチェンジを抜け、川のあるほうへと行く途中に農水路が見えた。まぁこれも何かの縁と思って、ちょっと農水路に入り込んでどんな魚がいるか覗いてみることにした。こんな調子で農水路に下りたものだから具体的な位置が地図や衛星写真とにらめっこしてもいまだに見つけられないでいる。


まぁ農水路にいそうな魚たちばかりだな。

왜몰개(ウェーモルゲェ 和名ヒナモロコ Aphyocypris chinensis)
왜몰개(ウェーモルゲェ 和名ヒナモロコ Aphyocypris chinensis)だなぁ。わしとしては捕らえた経験の少ない魚なのだけど、あんまり嬉しくないのは何故だろう。

참붕어(チャムブンオ 和名モツゴ Pseudorasbora parva)
참붕어(チャムブンオ 和名モツゴ Pseudorasbora parva)。こいつも水の流れのきわめて弱いところでは定番だよな。

あとは붕어(ブンオ 鮒魚 和名フナ Carassius auratus)とかな。水の汚いところの定番だよな。



………おお!? ちょっと待った。なんじゃいこの網にだら~んとへばりついてちっともぴちぴちしない奴は。
 
 
じゃじゃーん。

버들붕어(ボドゥルブンオ 和名チョウセンブナ Macropodus ocellatus)
버들붕어(ボドゥルブンオ 和名チョウセンブナ Macropodus ocellatus)が網にかかったよ。いやぁ、いるところにはいるもんだねぇ。

붕어(ブンオ 鮒魚 和名フナ Carassius auratus)
ガチャピン顔の붕어なんてのもとれた。生活条件がそんなに厳しいのか?

버들붕어がとれたので気をよくして、環境劣悪ながらも버들붕어ガサガサを楽しんだ後、もうちょっと川らしいほうに行ってみた。


とれたドジョウは기름종개(キルムジョンゲェ 和名正式名称なしNakdong spine loach = ナクドンシマドジョウ? Cobitis hankugensis)のようだ。そして大量のエビ。

버들매치(ボドゥルメーチ 和名ツチフキ 土吹 Abbottina rivularis)
버들매치(ボドゥルメーチ 和名ツチフキ 土吹 Abbottina rivularis)。まだ幼魚と呼べる大きさだけどな。

동자개(ドンジャゲェ 和名コウライギギ Pseudobagrus fulvidraco)
동자개(ドンジャゲェ 和名コウライギギ Pseudobagrus fulvidraco)の稚魚。見よこの丸い腹。うはーかわいいのう。これで肉食の大食漢でなければなぁ。うちの近所にも동자개はいっぱいいるはずなのだけど、最近は눈동자개(ヌンドンジャゲェ 和名クロギギ Pseudobagrus koreanus)ばかり目に付く。


징거미새우(ジンゴミセウ 和名テナガエビ Macrobrachium nipponense)だと思う。

うむ、川のほうは増水で思うように網にかからない。面白味がないのでそこそこにして引き上げた。


お持ち帰りは当然버들붕어。日を改めて撮影してみた。

버들붕어(ボドゥルブンオ 和名チョウセンブナ Macropodus ocellatus)

버들붕어(ボドゥルブンオ 和名チョウセンブナ Macropodus ocellatus)

버들붕어(ボドゥルブンオ 和名チョウセンブナ Macropodus ocellatus)

現在、버들붕어たちは家の水槽にいて、まるで今までも飼っていたかのように投入初日からなんの問題もなくエサを食べている。
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コメント

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No title

アキミツ さま

チョウセンブナ、かわいいですね。

私もこの夏に霞ヶ浦で初めて捕まえました。
東南アジアに行くと、アナバスの類は簡単に捕まえられるのですが、
日本で捕まえることができたのは、感激しましたね。

田圃の畦の水草が繁茂した用水路にいて、霞ヶ浦周辺ではソコにしかいないと教えてもらいました。

ところで、今年は韓国は雨続きだったんっですかぁ。
日本と逆ですね。
こっちは雨が降らずに大変でした。

No title

こんにちは。
随分久しぶりに「日韓ちゃんぽん」のガサガサ記事を拝見できて、
ホッとして、ニヤッとしています。

正にガチャピン顔の鮒君ですね。
それにしても見事な金色ボディーです。これぞキンブナ!ですね。

チョウセンブナの口は上向きなんですね。
最後の写真なんか、上唇だけが開いてる様ですよ。
水面で泡を吹いたり吸ったり、捕食も水面で行うんでしょうね。

いつも新鮮な写真を見せて下さって、有り難うございます。
また楽しみにしています。

No title

こんばんは
数ヶ月振りにコメントさせてもらいます。
ブログの場所が移ったようですね。
韓国の淡水魚を身近に感じることの出来るこの素敵なサイトの、今後のご活躍を期待しています。

Re: No title

ライアマス様
日本は今年の8月は本当に暑かったようですね。「観測史上初」のニュースを何回も見た気がします。
毎日の両親(関東地方在住)とのスカイプにて、
「日本はエアコンがなかったら死んでしまいそうだ」
「韓国は今日も雨だった」
という会話を連日行っておりました。
チョウセンブナが霞ヶ浦付近の用水路にいることはネット巡回をしていて知っていましたが、近くに手賀沼もありますし、汚染が随分進んでいる場所ですよね。本当にアナバスの仲間が住んでいるとは思えない場所でチョウセンブナがとれるものなのですね。

Re: No title

アヤヨシ様
お久しぶりです。コメントありがとうございます。
移転先のこちらのほうでもどうぞよろしくお願いいたします。
韓国ではドジョウのマイナーな種が各地方に点在しておりまして、ドジョウ目的で韓国各地を訪ね回るマニアもいます。
自分もそのうちドジョウについてもいろいろご紹介できればと思っておりますが、まずは韓国最大種のキタシマドジョウにチャレンジしたいところです。

Re: No title

井上 寛様
ホッとして、ニヤッとしてくださいまして、有難うございます。
チョウセンブナの上唇に目をおつけになるとは、面白いところに気が付かれましたね。
同じ水面に近いところのエサを探すメダカやサヨリが、上唇はまったく動かず下唇だけ動かせるようになっているのと対照的ですね。

ちなみにガチャピン顔のフナですが、普通魚の写真を撮るとき、魚は体勢を立て直そうとして下方を見る習性がありますが、今回の写真はその習性ゆえに撮れたものではなくて、本当に網に入れる前からガチャピン顔だったのですよ。

しまどじょう

はじめまして。いつも興味深く拝見しております。
画像のシマドジョウですが、韓国でCobitis sinensisあるいはC. taeniaとされていたものは2003年にC. hankugensisとして
区別され新種記載されています。画像の個体はおそらくそれであると思います。またタイリクシマドジョウという和名は
基本的にC. taeniaという種類にあてられていたものですので、和名としては適していないようです。
この種を記載したKim博士は論文中でNakdong spine loachという英名を提唱していますので、
和名にするとすればナクドンシマドジョウとかラクトウシマドジョウとかそういったものになるのではないでしょうか。
突然の書き込み、失礼いたしました。ドジョウ等底物好きですので画像を楽しみにしています。

Re: しまどじょう

おいかわ丸様
初めまして。コメント有難うございます。

おいかわ丸様のコメントを拝見して、「韓国の淡水魚とその和名」についてひとつ課題ができてしまいました。それは悪い意味での課題ではありません。おいかわ丸様のコメントが自分にとって、有意義で示唆に富んだ、とても有難いコメントだったということであります。

コメントの返事が遅れてしまいまして申し訳ございません。実は、韓国側では「기름종개(キルムジョンゲェ)」という種について度の学名を使用しているか調査していたためです。
韓国側でよく参照するウェブページや、環境庁など政府の機関では、C. sinensisを使っているところが多いですが、新しいところではご指摘のC. hankugensisを使っていますね。それと、2003年にキム・イクスー教授らによる論文「한국산 미꾸리과 어류 1신종 Cobitis hankugensis 기재와 기름종개속의 분류학적 재검토」日本語にしますと「韓国産ドジョウ科魚類 1新種 Cobitis hankugensisの記載とキルムジョンゲェ属(Cobitis=シマドジョウ属)の分類学的再検討」という論文が出ていますね。

それで、韓国の魚とその和名についての課題が何かというと、

> この種を記載したKim博士は論文中でNakdong spine loachという英名を提唱していますので、
> 和名にするとすればナクドンシマドジョウとかラクトウシマドジョウとかそういったものになるのではないでしょうか。

ここの部分です。韓国の魚に関する和名は「旧日淡」、つまり戦前の時代で止まっているのですね。ですから新しく新種認定された魚種には和名が必然的にありませんので、ご指摘のように英名を翻訳して「?」マークでもつけていこうかとも思います。
韓国名がそのまま受け継がれたものはできる限り昔の名前を使いたいところですが、今回のように기름종개を「タイリクシマドジョウ中間型」なんてやっていたら問題が出るものもありますので、その辺も含めて、「韓国の淡水魚とその和名」の修正をしていこうと思います。

No title

韓国の研究者によって和名が提唱されることは今後なさそうですが、ドジョウ類についてはすべて英名が
提唱されているので、それにちなんだ和名というのが妥当な気がします。
和名は広く色々な人が淡水魚に興味を持ってもらう上で重要だと思っています。
そういえば日本でも「タイリクシマドジョウ」については後の研究でC.taeniaとは別種であることが
わかり、「ヤマトシマドジョウ」という新和名が提唱されて今に至っていますね。

Re: No title

おいかわ丸様
コメント有難うございます。
おいかわ丸様にヒントをいただいて、韓国の魚の英名を調べているところです。
これをもとに、「韓国の魚とその和名」のリストを改定しようと思います。
英名が旧時代に取り残されたままのがあると思えば、英名のほうがしっくりくる魚種もいたりして、なかなか興味深いですね。「ヤガタムギツク」なんてのより「Korean splendid dace」のほうが数十倍かっこいいです。

でも自分の能力は情けないことに「Nakdong spine loach」を探し出せないでいたりします。……師匠に最近の論文をみせていただくことにします。とほほ。

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プロフィール

アキミツ

Author:アキミツ
97年から韓国に住んでいます。妻は韓国人、子供たちは二重国籍です。
韓国の田舎で野良仕事からサーバー管理まで仕事をしつつ、ときどき川に行ってはガサガサして魚をとってます。

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