上流域の魚と下流域の魚が混じり合う場所

今回も例によって仕事が遅くなった帰りに川へ立ち寄った。

場所は南漢江の支流。今回の目標魚種はタナゴだった。납지리(ナプジーリー 和名カネヒラ Acheilognathus rhombeus)か흰줄납줄개(フィンジュルナプジュルゲェ 和名タイリクバラタナゴ Rhodeus ocellatus ocellatus)を狙っていた。

当初の目的地はその川と南漢江の合流地点から300メートルほど遡った地点だったのだが、あいにくそこは人がいてなんか盛り上がっていたので、仕方なく上流側へと移動をして、たどり着いた場所が合流地点から2.3キロ遡った地点。そこには堰があり、民家は片手で数えるくらいに見えるが川に下りれば民家の明かりはまったく見えず、空を見上げれば天の川が見えるくらいに真っ暗な場所だった。

あまりにも真っ暗なので夜景写真も撮れない。今回風景写真が無くて申し訳ない。

ともかく、その場所で堰の下に降り立ち、一番最初に目にして網に入れたのがこの魚なのだが。

버들치(ボドゥルチ 和名コウライタカハヤ Rhynchocypris oxycephalus)
버들치(ボドゥルチ 和名コウライタカハヤ Rhynchocypris oxycephalus)。

ん?何ゆえにこんなところに버들치が?
この支流は長さ10キロ以上あるはずで、一番下から2.3キロしか遡っていないのに何故上流域に住むはずのこいつが?

そう思いつつ目標魚種をタナゴに設定していたわしは、これからダマされ続けることになるのだった。
 
堰の下で他に見える魚を探してみる。

쉬리(シュイリ 和名ヤガタムギツク シュリ Coreoleuciscus splendidus)
쉬리(シュイリ 和名ヤガタムギツク シュリ Coreoleuciscus splendidus)だ。쉬리がいる。もっともこいつは早瀬があれば中流域から上流域まで幅広く住む魚だからな。

20110903235753.jpg
そして쉬리のすぐそばにはドジョウが。미꾸리(ミックリ 和名ドジョウ Misgurnus anguillicaudatus)か미꾸라지(ミックラジ 和名カラドジョウ Misgurnus mizolepis)なのかは詳しく観察できなかったのではっきり同定できないが、普通쉬리と同じ場所に住むことはないのにと、少々面食らう。
なんなんだここは、と、堰の下の水が極めて緩やかに流れていてそこそこ深さのあるところに移動する。

붕어(ブンオ 鮒魚 和名フナ Carassius auratus)
붕어(ブンオ 鮒魚 和名フナ Carassius auratus)だ。なんなんだここは。タカハヤとフナが一緒になって泳いでいるとは。

20110904001456.jpg
피라미(ピラミ 和名オイカワ Zacco platypus)とか참갈겨니(チャムカルギョニ 和名不明 カワムツの新種 チョウセンカワムツ? Zacco koreanus → Nipponocypris koreanus)とか돌고기(トルコギ 和名ムギツク Pungtungia herzi)とかは普通にとれる。
他にも、写真はないが참종개(チャムジョンゲェ 和名コウライシマドジョウ チョウセントゲドジョウ? Iksookimia koreensis)、눈동자개(ヌンドンジャゲェ 和名クロギギ Pseudobagrus koreanus)、참마자(チャムマジャ 和名ズナガニゴイ Hemibarbus longirostris)、얼룩동사리(オルルクドンサリ 和名セマダラドンコ Odontobutis interrupta)あたりを網に入れたり目撃したり。
それにしてもタナゴがいねぇ。ㅠ ㅠ
真上から見て「あ!タナゴ!!」と思って網に入れればことごとく버들치。夜のガサガサでは、真上から見ると、タナゴ類と버들치はよく似ている。上の写真のようにまとめて網に入れてみても、タナゴは一匹も網にかからない。

버들치にダマされること数十回。
堰の上の水が極めて緩やかに流れているところを期待して、堰をのぼることにした。堰には魚道があるが、魚道に水はまったく流れておらず、魚道としての機能をなしていない。堰は高さの差がありすぎて魚が遡上できない。堰の上には石が堆積しており、おまけに堰の下に流れる分だけ瀬が作られているような感じ。

しかしその堰の上にもタナゴは一度も目にする事ができなかった。

피라미(ピラミ 和名オイカワ Zacco platypus)
堰の上にいるのはほどんど피라미(ピラミ 和名オイカワ Zacco platypus)。秋を感じているのか、オスの発色がこのように夏の発色よりも良くなっている気がする。
他にはドジョウ。참종개とか새코미꾸리とか。

새코미꾸리(セコミックリ 和名ハナジロドジョウ Koreocobitis rotundicaudata)
새코미꾸리(セコミックリ 和名ハナジロドジョウ Koreocobitis rotundicaudata)といえば、この堰の上にいる새코미꾸리はご覧の通り、背中側が金色、腹側が薄いピンク色、その間に濃いピンク色のラインが入っているように見える。名前の由来の「ハナジロ」もあまりハナジロって感じじゃない。季節的なものなのか、それともこの辺の새코미꾸리の地域的特長なのか。
새코미꾸리の発色といえば、深い緑色にギンギンの蛍光オレンジのヒゲ&ヒレがわしの印象としては強いのだけど、これはこれでとっても綺麗なので数匹お持ち帰りに。

結局堰の上も空振りというか目標魚種に会えず。前回줄납자루(ジュルラプジャールー 和名チョウセンイチモンジタナゴ Acheilognathus yamatsutae)をとりすぎたからかなと悔い改めて撤収する事にした。

と、堰を降りたところでわしの足元を高速で逃げ回る何者かが。その場所は水深3センチもない、石底で上からの水がただ流れているようなところだった。
どうせ피라미の稚魚かドジョウかその辺だろうよ、と思いつつも、その正体を網に入れてみたら……
미유기(ミユギ 和名コウライヤナギナマズ Silurus microdorsalis)
なーんと、미유기(ミユギ 和名コウライヤナギナマズ Silurus microdorsalis)の稚魚だよ。메기(メギ 和名ナマズ Silurus asotus)じゃないよ。背びれの小ささを見ておくれよ。人差し指大の미유기をゲットしてしまった。

미유기(ミユギ 和名コウライヤナギナマズ Silurus microdorsalis)
そして最後の最後で何気に網を入れたところで、体長20センチを超える미유기様が網にかかっちゃった。何たるタナボタ。
以前にも書いたと思うが、미유기はとっても上流にいる魚。渓流域に生息する魚なのだ。

まったくなんなんだここは。南漢江との合流地点から2.3キロらしく南漢江から遡ってきた붕어やら참마자やらがいるかと思えば、上流域にいるはずの버들치や미유기がいるなんて。そこでちょっと考えてみた。もしかしたら今年7月下旬と8月頭の大雨で、この川の上流にいた魚がみんな下流に押し流されたが、この堰が魚道は機能しないし魚は登れないしで、結局この堰の下に溜まらざるを得なくなってしまったのではないだろうか。タナゴはもっとずっと下流の、本来目的地としていた場所あたりに移動しているのではないだろうか。


そんなわけで、タナゴは一匹も出会うことなく終わってしまったが、새코미꾸리と미유기をお持ち帰り。
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コメント

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No title

おおコウライヤナギナマズが・・。こちらの川は短いので大雨の後などはずいぶん下流で
タカハヤやオヤニラミが採れることがよくあります。流されてしまって、堰が多いので上る
こともできずしばらく生きているようです。でもやっぱり長くは生きられないようです。
ということで自然界では死んでしまいそうですからお持ち帰りをするという選択はベストなのでは。。

Re: No title

おいかわ丸様
コメント有難うございます。

コウライヤナギナマズが7月のときに採集できていれば……とつくづく思いました。
コウライタカハヤは田んぼの水路で見つかる事もありますので、今回訪れた場所でも冷たい水が湧き出てくる場所さえ見つかれば十分生息・繁殖できそうです。というかコウライタカハヤの数はその場所で生息・繁殖しているとしか思えないほどたくさんいました。でもコウライヤナギナマズに関しては、おいかわ丸様の言うとおりだと思いますです。


プロフィール

アキミツ

Author:アキミツ
97年から韓国に住んでいます。妻は韓国人、子供たちは二重国籍です。
韓国の田舎で野良仕事からサーバー管理まで仕事をしつつ、ときどき川に行ってはガサガサして魚をとってます。

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