やるべき場所ではなかったかも。加平川深夜ガサガサ

長かった冬もようやく終わり、昼間気温の上がった日には越冬したテングチョウなんかが舞うようになって来た。
川も氷が解けたので、それじゃそろそろ行ってみるか、と思い立ち、例によって仕事が遅くなった帰りに川へ行ってみた。
今回行ってみた場所は가평천(カピョンチョン 加平川)。北漢江の支流で、わしの家の前の川よりももっと上流にある川だ。実は過去に何回か訪れた事があるのだが、記事にしたのは旧日韓ちゃんぽんで2回くらいだったのではないだろうか。家の前の川でも行った事のないところが多いのに、何故加平川にしたのか。それは「ただ思いついたから」としか。そしてまた今回訪れた場所も、「ただ思いついたから」だったりする。

えー、だって、橋のすぐ横に仮設トイレが見えたし。
(人々がよく水遊びをする場所には、公営の仮設トイレが置かれてて1年中ほったらかしにされてたりするのだ)

 
というわけで、降りていってガサガサスタート。

川に入って気がついたのだが、この場所、早瀬として水が音を立てて流れているところはことごとく川底が岩盤。でっかい一枚岩だった。そのところどころに小石が溜まっていて、普通ならトビケラの幼虫とかヘビトンボの幼虫とかいそうなんだけどそんな虫たちはまったくと言って良いほど網にかからない。ということは、やはり早瀬を餌場や隠れ家に住む魚たちもなかなか見つけにくいってことで、実際その通り、思ったほど良いポイントではなかった、というのが正直な結論だ。

とりあえずとれた魚たちを貼っていく。

퉁가리(トゥンガリ 和名コウライアカザ Liobagrus andersoni)
퉁가리(トゥンガリ 和名コウライアカザ Liobagrus andersoni)。こいつらは早瀬ではなくて、割と岸の近くで石が溜まっているところで見受けられた。

참종개(チャムジョンゲェ 和名コウライシマドジョウ チョウセントゲドジョウ? Iksookimia koreensis)
참종개(チャムジョンゲェ 和名コウライシマドジョウ チョウセントゲドジョウ? Iksookimia koreensis)。こいつらは一枚岩の岩盤のくぼみにわずかに溜まった砂地のところで見受けられた。

꺽지(ッコクジ 和名コウライオヤニラミ コクチ Coreoperca herzi)
꺽지(ッコクジ 和名コウライオヤニラミ コクチ Coreoperca herzi)。大きさからして2回目の冬を越えた個体だとおもう。早瀬の下に10センチ程度の石が転がっているところで採集。

쉬리(シュイリ 和名ヤガタムギツク シュリ Coreoleuciscus splendidus)
쉬리(シュイリ 和名ヤガタムギツク シュリ Coreoleuciscus splendidus)。1枚岩の岩盤のくぼみに1センチ程度の小石が溜まったところで採集。

새코미꾸리(セコミックリ 和名ハナジロドジョウ Koreocobitis rotundicaudata)
새코미꾸리(セコミックリ 和名ハナジロドジョウ Koreocobitis rotundicaudata)。どこだか忘れたがとりあえず2匹ほど採集。ハナジロドジョウの名は「鼻の先っちょ」が白いのではなくて「鼻筋」が白いためなのである。

なぁんだ、早瀬を中心に生活している魚が結構とれてるじゃないの、とお思いになるかもしれないが、結構きびしい戦いをしていた。手ごろな大きさの石を見つけて、これをめくったら魚が出てくるかも、と思いつつ石をめくろうとするがまるでびくともしない。よく見たら一枚岩のただ突き出ている部分だった、なんてことばかり。


早瀬はあきらめて岸近くのよどんでいるところとか石がちょっとはごろごろしているところをあたってみることにした。


20120331224539.jpg
タナゴ。うわぁ何だろこれ。납자루(ナプジャールー 和名ヤリタナゴ Acheilognathus lanceolatus → Tanakia lanceolata)のようにも見えるけどヒゲがどうも確認できない。

20120331225507.jpg
쉬리とムギツクが一緒にとれた。でも侮るなかれ。ムギツクの正体は絶滅危惧種가는돌고기(カヌントルコギ 和名ホソムギツク Pseudopungtungia tenuicorpa)だ!

묵납자루(ムンナプジャールー 和名チョウセンボテ Acheilognathus signifer → Tanakia signifer)
もういっちょタナゴ。なんと、よく見たら絶滅危惧種묵납자루(ムンナプジャールー 和名チョウセンボテ Acheilognathus signifer → Tanakia signifer)ではあーりませんか。すると先ほどのタナゴも묵납자루か?
ここ加平川では、今回の採集地点よりももうちょっと下流側で묵납자루の生息を確認している。だから今回出てきてもおかしくはない種なのだ。

가는돌고기(カヌントルコギ 和名ホソムギツク Pseudopungtungia tenuicorpa)
今度は単独で가는돌고기。
ちなみに가는돌고기も、今回の採集地点より上流にて生息を確認している。だからこの辺で出てきてもおかしくない種である。

배가사리(ベガサリ 和名ホタテコブクロカマツカ Microphysogobio longidorsalis)
そしてというか、やっとというか、배가사리(ベガサリ 和名ホタテコブクロカマツカ Microphysogobio longidorsalis)
に御登場いただけた。酸素不足や水質変化に敏感で、暑さに弱く、拒食症にも陥りやすいなど、家で飼うのは経験上難しく思う…というか1年間ちゃんと飼育できたためしがない。

あと、写真は撮らなかったが採集できたり目視できたりした魚は、돌고기(トルコギ 和名ムギツク Pungtungia herzi)、참갈겨니(チャムカルギョニ 和名不明 カワムツの新種 チョウセンカワムツ? Zacco koreanus → Nipponocypris koreanus)、참마자(チャムマジャ 和名ズナガニゴイ Hemibarbus longirostris)、피라미(ピラミ 和名オイカワ Zacco platypus)など。


ところで、川から上がるときは川に下りるときとは別の場所から上がったのだけれど、その際にこんな看板が立てられているのが目に入った。

20120401000444.jpg
え?
꾸구리(ックグリ 和名ズナガドジョウカマツカ Gobiobotia macrocephala)の復元事業をここでやってるの?

そういえば、と思い出したのがこの記事。
北漢江に絶滅危惧'ズナガドジョウカマツカ''ホソムギツク'大量放流」(リンク先は韓国語)
そうか。ここは꾸구리を放流した場所だったのか。まさかこの場所だったとは。
行きながら適当に場所を選んでやってきたとはいえ、この場所はガサガサすべき場所ではなかったかなぁ。

それにしても……꾸구리、今回一匹も姿を見ることができなかったぞ。
確かに꾸구리の生息に必要なのは広い面積の早瀬だ。それはわしも思う。だが、わしの知る꾸구리の生息地というものは、ゲンコツ大とかカボチャ大の石がごろごろしている早瀬であって、こんな1枚岩で形成された「平べったい渓谷」では決してないはずだぞ。それと、それなりの水深も要るはずだぞ。今は冬明けだから水の流量が少ないとはいえ、もっとこう、どどーっと水が流れていないと駄目だと思うけど?

政府の方々、場所の選定を間違ったんでない?
本当に꾸구리君たち、生き残ってるのかなぁ。


家に帰って、今回の採集場所のストリートビューを見てみたら、先のリンク先にある写真の1枚目と同じ風景写真が現れた。なんてこったいビンゴかよ。今後は行かないでおこう。あまり魅力的な場所でもなかったし。

ちなみに先のリンク先の2枚目と3枚目は가는돌고기の復元事業をする場所の写真なのだが、この場所はわしの家の前の川で、写真を見ただけで場所が特定できてしまったくらい知っている場所だったりする。この場所の近くにはものすごく深くなっているところがあって、水遊びには要注意の場所なのだ。
関連記事
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

No title

こんばんは

こちらも桜がやっと満開になり、本格的な春になってきました。
採集にとっても、暑すぎず寒すぎずで良い季節です。

偶然とは言え、ちょっと網を使いにくい場所ですね。
採集していると、やっぱりツッコミが入ったりするのですか?

最近釣り系の人が立てた、「ここで網での採集禁止」と言う看板を良く見かけます。
釣りはOKでも網は禁止、ちょっと悲しいです。

ハナジロドジョウの名前は、そこから来ていたんですね。
名前は知っていても、意外と知らない事って多いですね。

面白いです

毎年恒例ですね。

採取した中にシュリがいるのはちょっと新鮮でした。

あまり大型の魚はまだいないのかなぁ。
.

Re: No title

アヤヨシ様
コメント有難うございます。すぐ返信をすることができなくて申し訳ございません。

> 偶然とは言え、ちょっと網を使いにくい場所ですね。
> 採集していると、やっぱりツッコミが入ったりするのですか?

国立公園や道立公園のところで、ここなら公園内に引っかからないだろうと思ってガサガサやってたら見廻りの車にサイレン鳴らされた事があります。まぁすぐやめましたし採集したもの(といってもコウライオヤニラミ1匹)もリリースしましたのでお咎めはなしでしたが。
今回の場合は、まだオフシーズンですし夜ですので監視員どころか人の気配もありませんでしたが、夏になったらどうなっているか分かりませんね。


> 最近釣り系の人が立てた、「ここで網での採集禁止」と言う看板を良く見かけます。
> 釣りはOKでも網は禁止、ちょっと悲しいです。

これは川底を荒らされると生存に致命的な打撃を受ける魚種がいるとか、水深が深く泥底で危険とか、好意的に受け止めておきましょうか……。

Re: 面白いです

イシカワ様
コメント有難うございます。すぐ返信をすることができなくて申し訳ございません。

> 採取した中にシュリがいるのはちょっと新鮮でした。

シュリはザワザワ音を立てて流れているところに網を入れれば割と網に入ったりしますです。


> あまり大型の魚はまだいないのかなぁ。

写真には撮りませんでしたが、ズナガニゴイという魚がいました。体長は20センチをちょっと超える程度です。この場所で見かけた魚はこれが最大でした。
30センチを超えるような大型の魚は、川の本流や湖沼、渓流の深みなど「川に入るには身の危険にさらされる場所」におりますので、網での採集は困難ですね。
プロフィール

アキミツ

Author:アキミツ
97年から韓国に住んでいます。妻は韓国人、子供たちは二重国籍です。
韓国の田舎で野良仕事からサーバー管理まで仕事をしつつ、ときどき川に行ってはガサガサして魚をとってます。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク