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ドジョウカマツカが全部いる!イムジン河を越えて更にその北をガサガサ

ええと、前もって書いておきますが、今回の記事は「非常に誤解を招きやすい表現」がたくさん含まれております。また、今回の内容に興味を持ち「行ってみたい!」とお思いになったとしても、「日韓ちゃんぽん」としましては決してお勧めする内容ではありませんので、ご理解をいただきたく思います。




2012年は本当に雨が少ない。というか、雨らしい雨はほとんど降っていないといえるくらい。川の水は例年よりもずっと少ないし、至るところで小さな川が干上がってしまっている。韓国全体がなんというかこう、1年に雨季と乾期しかない気候に移り変わっているような印象さえ受ける。
川を楽しむ者としては、魚が特定の大変分かりやすい場所へ集中しているので、有難いといえば有難い。まぁそれでもガサガサする分には広大だけれどな。

さて、そんなある日、休みの日をいただいたのだがどうしたものか、と考えて、いろいろ考えた挙句、「そうだ、임진강(イムジンガン 臨津江)のほうへ行ってみよう」と思い立った。何ゆえ臨津江かというと、雨が降らずここのところ天気が非常に安定しているから。雨が降ればあっという間に水位が上昇し、あまつさえ北朝鮮がダムの放水なんか始めたら死人が出てしまうようなところだ。これだけ雨が降らず天気が安定しているのだから、さぞかし川も安定していることだろう、と思ったのだ。
そして、臨津江のほうのどこへ行こうかと思い悩んだ挙句、いつかちょっと行ってみようと思っていた場所へいくことにした。それが

「イムジン河を越えて更にその北」

だったりする。

臨津江を本当に渡って、着いた先がこちら。

20120604111141.jpg
ここは臨津江の支流。臨津江にかかる橋を渡って、さらに行ったところにある場所。

ちょっとだけタネ明かしをすると、臨津江は確かに韓国と北朝鮮の国境となっている川だが、それは臨津閣などの河口付近や下流のほうであって、臨津江の中流から上流のほうでは「川を渡って北に行っても韓国領土内」という場所が割と普通に存在する。だからわしは国境を越えてしまったわけでもDMZ(非武装地帯)に侵入したわけでもないのだ。
とはいえ、
20120604112424.jpg
川岸近くまで行ったら、こんな看板が。なになに
「ここは北韓地域の集中暴雨で流れてきた地雷により事故の危険がある地域につき、下のような物体を発見すた場合は直ちに申告をお願いします」
やべぇ~ここ地雷原かよ。こんなところでガサガサやっちゃうんだぜ。

さらにタネ明かしをしてしまうと、この川は源流を北朝鮮側に発する。それで地雷が流れ来る事があるという。源流が北朝鮮側にあるというのは、例えば北漢江なんかもそうだし、今回は支流に来ているがその本流である臨津江もそうだ。まぁこの川は過去に増水したとき、木箱型地雷が流れてきた事があるのだろう。

20120604135602.jpg
奥に橋が見えるが、増水時には楽に橋げたの高さ近くまで水位が上がってしまうのだよ。
でも、昨年の暮れから今までにかけて、川に増水を引き起こすような降水がまったくなく、水位は下がる一方。これでは見つけられていない地雷に出くわすなんて、まず起こりうる事ではないのでは。

というわけで、ガサガサしてみたよ。
 
採集地では、1枚目の写真にあるように岩を積み上げて堰のようにしており、その上流では水がほとんど流れない泥底、下流では水がよく流れてところどころに早瀬ができているようになっている。上流側は深そうだし足場も悪そう。一方、下流は岩を積み上げられたところの直下は深いだろうけどそれ以降はとても浅くて、深いところでもせいぜいひざの上程度。そんな訳でまずは堰の下流に向かってガサガサしてみた。

밀어(ミルオ 和名不明 ヨシノボリの一種 Rhinogobius SP.)
最初にとれたのが밀어(ミルオ 和名不明 ヨシノボリの一種 Rhinogobius SP.)。まぁこいつは基本的にどこでもいるからな。

꺽지(ッコクジ 和名コウライオヤニラミ コクチ Coreoperca herzi)
この季節、岸近くでは稚魚が群れているわけだが、피라미(ピラミ 和名オイカワ Zacco platypus)なんだか참갈겨니(チャムカルギョニ 和名不明 カワムツの新種 チョウセンカワムツ? Zacco koreanus → Nipponocypris koreanus)なんだか区別のつかぬ稚魚たちのほかに、この꺽지(ッコクジ 和名コウライオヤニラミ コクチ Coreoperca herzi)と누치(ヌーチー 和名コウライニゴイ Hemibarbus labeo)の稚魚がよく見受けられる。指先に乗ってしまうサイズの꺽지って、何を食べているのだか。

참게(チャムゲ 和名チュウゴクモクズガニ Eriocheir sinensis)
あと、これも季節柄か、참게(チャムゲ 和名チュウゴクモクズガニ Eriocheir sinensis)もよく網にかかった。それも大きいサイズではなくて、これくらいの小さいサイズがいっぱい。とれたものをすべて集めていたらこいつが一番多かったのではないだろうか。でも集めたところで生簀から脱走するし、小さいのを集めたところで特に価値がないので、とれたそばから川に返していた。

쉬리(シュイリ 和名ヤガタムギツク シュリ Coreoleuciscus splendidus)
쉬리(シュイリ 和名ヤガタムギツク シュリ Coreoleuciscus splendidus)。早瀬で遊んでいるのにこいつが出てこなかったら本当にさびしいものだ。

배가사리(ベガサリ 和名ホタテコブクロカマツカ Microphysogobio longidorsalis)
배가사리(ベガサリ 和名ホタテコブクロカマツカ Microphysogobio longidorsalis)で合っていると思う。これも基本的に早瀬にいる魚だ。

퉁가리(トゥンガリ 和名コウライアカザ Liobagrus andersoni)
早瀬にいる魚はまだまだ続く。퉁가리(トゥンガリ 和名コウライアカザ Liobagrus andersoni)もそこそこの個体数を見せてくれる。でもこいつは集めると毒を出して他の魚に害を与えるので、こいつもとれたそばから川に返す。

꾸구리(ックグリ 和名ズナガドジョウカマツカ Gobiobotia macrocephala)
おおっと来たぜ来たぜ꾸구리(ックグリ 和名ズナガドジョウカマツカ Gobiobotia macrocephala)。こんなに簡単にこいつに出会えてしまうなんて、さすが臨津江水系だな。

돌상어(トルサンオ 돌(石)沙魚 和名サメガシラ 鮫頭 Gobiobotia brevibarba)
そして돌상어(トルサンオ 돌(石)沙魚 和名サメガシラ 鮫頭 Gobiobotia brevibarba)も網にかかる。ところどころ緑色に光る飴色というのがこれまた乙な色合いで、つい見とれてしまう。やっぱりわしはGobiobotiaが大好きみたい。

20120604115836.jpg
Gobiobotiaたちが現れた場所。普通はひざ上以上の深さで流れが非常に速く、採集者が身の危険を感じるような場所に住むのだけど、今年は水が少なくて、こんな場所でどんどん網に入ってしまうのだ。

20120604120705.jpg
밀어と一緒に민물검정망둑(ミンムルコムジョンマンドゥク 和名ヌマチチブ Tridentiger brevispinis Katsuyama)なんかもとれる。

20120604123403.jpg
多少砂のある場所で모래무지(モレムジ 和名カマツカ Pseudogobio esocinus)。ぱっと見たときには、なんか普通の모래무지ぽくないというか、そんな違和感を感じたのだけど、写真を改めて見るとやっぱりただの모래무지かなぁと思う。こいつは移し変える際に自分がファンブルを起こしてしまって逃げられてしまったので、検証するにもこの写真1枚しかない。ちぇっ。

눈동자개(ヌンドンジャゲェ 和名クロギギ Pseudobagrus koreanus)
눈동자개(ヌンドンジャゲェ 和名クロギギ Pseudobagrus koreanus)。こいつが網にかかるのはあまり嬉しい事ではない。だって胸びれが網に引っかかったら、とるのが大変なのだもの。

흰수마자(フィンスマジャ 和名シラヒゲカマツカ Gobiobotia naktongensis)
そうこうしてたら今回のハイライトキタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━ !!!
흰수마자(フィンスマジャ 和名シラヒゲカマツカ Gobiobotia naktongensis)ですよ。シラヒゲ様ですよ。
申し訳ない話、どういう状況で網に入ったのかまったく憶えていない。実は今回わしが使った족대(ジョクデェ 韓半島や中国で使われるサデ網)にはポケットがついていて、魚がそのポケットの中に深く入るようなしくみになっているのだけれど、網を流れの中に入れてみたらなんかポケットの中で泳いでいる魚が見えたので、その魚がポケットから出てしまわないように慌てて網を引き上げたら、その魚がこいつだった。この前に引き続き、ふしぎなおどりを踊りだすわし。
この川すげぇ。韓国にいるGobiobotia3種が全部そろっちゃった。こんな場所って滅多にないぜ。

20120604140927.jpg
こいつも早瀬に住む魚だ。대륙종개(デェーリュクジョンゲェ 大陸條鰍 和名不明 continental stone loach = タイリクフクドジョウ? Orthrias nudus)だと思うけど、DMZ地帯には종개(ジョンゲェ 條鰍 和名タカノハモドキ Siberian stone loach = シベリアフクドジョウ? Orthrias toni)もいるとのことだから、もしかしたらこいつは종개かもしれない。わしの目では区別ができないっす。

結構練り歩いたのだけど、良い砂地がなかったので、岩で堰のように組まれているところの上流部へと足を運んでみた。そうしたら、上流部はやはり泥底で、水深も思ったとおり深かった。仕方なしに岸伝いに歩きながらガサガサを試みた。

얼룩동사리(オルルクドンサリ 和名セマダラドンコ Odontobutis interrupta)
얼룩동사리(オルルクドンサリ 和名セマダラドンコ Odontobutis interrupta)。こいつを何故ここで写真に撮ったかというと、実は下流部では동사리(ドンサリ 和名コウライドンコ Odontobutis platycephala)が網にかかっていたのだ。でも写真を撮るのを忘れていて……この川は동사리も얼룩동사리も生息する川だったのだ。

꺽지(ッコクジ 和名コウライオヤニラミ コクチ Coreoperca herzi)
꺽지(ッコクジ 和名コウライオヤニラミ コクチ Coreoperca herzi)の稚魚でない個体が網に入った。こいつ、普通早瀬で網にかかる奴なのに早瀬では全然網にかからなくて、岸近くで今年生まれたばっかりの稚魚ばかり網に入って、普通はいない泥底に来て成魚が網にかかるとはなんたる皮肉。

누치(ヌーチー 和名コウライニゴイ Hemibarbus labeo)
꺽지の稚魚と一緒に누치(ヌーチー 和名コウライニゴイ Hemibarbus labeo)の稚魚がわんさかいたけど今回は眼中になかった。そいつらの親と思われる個体が岸辺にうち捨てられていた。たぶんこの場所は釣りをしたら누치がいっぱい釣れると思う。

줄새우(ジュルセウ 和名スジエビ Palaemon paucidens)
なんのことはない줄새우(ジュルセウ 和名スジエビ Palaemon paucidens)なのだけど、一応網にかかったので。

떡납줄갱이(ットクナプジュルゲンイ 和名カラゼニタナゴ Rhodeus notatus)
流木のようなものがあるところをガサガサしたら떡납줄갱이(ットクナプジュルゲンイ 和名カラゼニタナゴ Rhodeus notatus)が網にかかった。うむ、綺麗だ。お持ち帰りしようと思ったが、我が家の水槽事情を考えて断念。

ここまで岸伝いに歩いてきたが、だんだんしんどくなって、もう「岸から一歩先ははるかな深み」な状態。反対岸に砂地が広がっていたので、来た道をそのまま戻って堰のところでぐるっと反対岸に渡り、その砂地を目指してみた。

줄몰개(ジュルモルゲェ 和名シマモロコ Gnathopogon strigatus)
そこは泥と砂が入り混じった場所で、ひたすら広く、やみくもに網を入れても網の中に入るものは何もなかった。しかしところどころ水草が生えていて、その水草を覆うように網を入れたら、줄몰개(ジュルモルゲェ 和名シマモロコ Gnathopogon strigatus)が網に入った。ほう、これは意外。こいつがここでとれるとは思ってもいなかった。줄몰개をとった場所といえば、여주(ヨジュ 驪州)とか섬진강(ソムジンガン 蟾津江)とかで、そこで一緒に採集できた魚といえば……

점줄종개(ジョムジュルジョンゲェ 和名不明 Luther spine loach = ルーサーシマドジョウ? Cobitis lutheri)
やはり!Cobitisキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!
점줄종개(ジョムジュルジョンゲェ 和名不明 Luther spine loach = ルーサーシマドジョウ? Cobitis lutheri)が来てしまった。
なんというかもう、シマモロコとCobitisは共存関係にあるんじゃないかと勝手に思ってしまうっす。日本でタモロコとシマドジョウの関係を研究した論文なんて出てないですかね?

모래무지(モレムジ 和名カマツカ Pseudogobio esocinus)
そして岸近くの砂地では모래무지(モレムジ 和名カマツカ Pseudogobio esocinus)の稚魚たちがいっぱい。うむ、みんな모래무지だなぁ。

ちょうどここで橋の上から声をかけられた。見上げるとそこには軍人数名。どうやらわしはずっと監視されていたらしい。それでわしが「足を踏み入れてはならぬ場所」に入り込むので出てきたらしい。そんなわけで採集はこれにておしまい。すごすごと撤収した。


タネ明かしをすると、本当は今回の目標魚種は두우쟁이(トゥウジェンイ 和名トカゲカマツカ Saurogobio dabryi)だった。それで良い砂地を探していたのだけど、猫の額ほどだったりドロドロだったりで良い砂地に出会う事ができず、두우쟁이の成魚にも稚魚にも出会う事ができなかった。この川だったら稚魚に出会えるんじゃないかなと思っていたのに、ちょっと残念。
でも、ドジョウカマツカ(Gobiobotia)3種全部に出会えたし、줄몰개&점줄종개にも出会えたので、願ってもない方向での有意義な結果があった。


次の記事は撮影ターイム!!
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tag : Gobiobotia

コメント

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No title

地雷が流れてくることもあるんですか・・・。
さすが大陸ですね。島国の日本では、川採集で隣国を意識する事なんてありません。
増水量もハンパじゃないですね。あの橋の高さまで水が来たら、間違いなく死にますね。

イムジン川を渡れる場所があるなんて驚きましたよ。興味はありますが、やっぱりちょっと怖い場所ですね。

Re: No title

アヤヨシ様
コメント有難うございます。

> 地雷が流れてくることもあるんですか・・・。
> さすが大陸ですね。島国の日本では、川採集で隣国を意識する事なんてありません。

一応1953年からは休戦という事になっているのですね。ただ、「流れてくる」といわれる地雷が1953年より前に作られたものか、後に作られたものかは自分もよく分かりません。

> 増水量もハンパじゃないですね。あの橋の高さまで水が来たら、間違いなく死にますね。

臨津江の本流とか、そこに近い川や水路はみんな堤防が高いです。治水的にも軍事的にも高くせざるを得ないのでしょうね。

> イムジン川を渡れる場所があるなんて驚きましたよ。興味はありますが、やっぱりちょっと怖い場所ですね。

臨津江はそれなりに大きい川ですが、場所によってはウェーダーを着て反対岸まで渡れますよ。実際自分も渡った事があります。もっとも渡った先は韓国領ですが。
臨津江は計画していくところではない、というのが自分の印象です。様子を見て、行けそうだったら行ってみる、臨津江の支流を見て、増水していたらきっぱりあきらめる。とにかく安全第一です。でも、安全がしっかり確保されるなら、本当に魅力的な川なのです。
プロフィール

アキミツ

Author:アキミツ
97年から韓国に住んでいます。妻は韓国人、子供たちは二重国籍です。
韓国の田舎で野良仕事からサーバー管理まで仕事をしつつ、ときどき川に行ってはガサガサして魚をとってます。

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