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蟾津江遠征ガサガサその3 傷ついたコブクロカマツカ&撮影タイム編

その2の続き。

それはその1をやっているときに、「ここなら夜に小型カマツカ属の魚が休みに来そうだな」と思った砂地のところに、深夜行ってみた際のことだった。

その場所には確かに、모래무지(モレムジ 和名カマツカ Pseudogobio esocinus)をはじめとしたサラサラの砂地大好きな魚たちが休みに来ていた。だが、わしの目は突然、岸近くにいる一匹の魚に釘付けとなった。


こ、この魚ってもしかして、わしがどうしても出会いたかった魚じゃね?


その魚が逃げないようにそっと近づき、족대(ジョクデェ 大陸式のサデ網)で念入りにぐるっと囲む。そしてウェーダーに固定しておいた手網をそっとその中に差し入れて、思い切って砂ごと魚を網に入れた。

모래주사(モレジュサ 和名コブクロカマツカ Microphysogobio koreensis)
上から見たこの魚は、目の光り具合とか頭部の長さとか、まるで참마자(チャムマジャ 和名ズナガニゴイ Hemibarbus longirostris)のように見える。夜に出会う참마자や누치(ヌーチー 和名コウライニゴイ Hemibarbus labeo)は、目が白く光っていて、真上から見たときに目が出っ張っているように見える。
だがしかし、この魚は横から見るとこうだ。

모래주사(モレジュサ 和名コブクロカマツカ Microphysogobio koreensis)間違いなくMicrophysogobioの出で立ち。でも頭部が長いなぁ。いやぁここまではっきりと頭部が長いとは思わなかった。

この魚こそ、わしがずっと会いたかった、絶滅危惧1種の모래주사(モレジュサ 和名コブクロカマツカ Microphysogobio koreensis)だ!!


だがよく見ていただきたい。この個体、背びれの後ろと、背びれと尾びれの中間よりちょっと後ろの2箇所に傷を負っていた。この個体はもうすでに瀕死の状態だったのだ。だからわしに捕まる際、ほとんど動かなかったし、網の中に入っても必死に抜け出そうとじたばたもしなかった。


丁重に隔離しておいたのだが、最終的にこの個体は、朝を待たずわしの見ている前で息を引き取ることになる。
 
모래주사(モレジュサ 和名コブクロカマツカ Microphysogobio koreensis)と、これによく似た돌마자(トルマジャ 和名ムナイタカマツカ Microphysogobio yaluensis)とを比較してみよう。

모래주사(モレジュサ 和名コブクロカマツカ Microphysogobio koreensis)
돌마자(トルマジャ 和名ムナイタカマツカ Microphysogobio yaluensis)
上が모래주사、下が돌마자だ。
모래주사は頭部の目から前が長い。体の横に細い光沢帯があって、それは돌마자なんかだと暗斑なんかで途切れて地図の線路マークのようになることがあり、成魚になるほど帯が見づらいのだけど、모래주사は成魚でもはっきり帯が見えるようだ。

모래주사(モレジュサ 和名コブクロカマツカ Microphysogobio koreensis)
돌마자(トルマジャ 和名ムナイタカマツカ Microphysogobio yaluensis)
前から見たところ。口のところに皮質突起があるのだが、その皮質突起が始まるところが돌마자はすぼまっていて、「Ω」こんな感じになっている。一方모래주사はすぼまらずに「Д」こんな感じになっている。
また、頭部の後ろのうろこも모래주사のほうがひとつひとつはっきり見えて、そのさまは쉬리のようだ。

모래주사(モレジュサ 和名コブクロカマツカ Microphysogobio koreensis)
돌마자(トルマジャ 和名ムナイタカマツカ Microphysogobio yaluensis)
裏から見たところ。下唇のすぐ後ろにハートの形をした突起があるのだが、모래주사はそのハート型が枕のように全体的にふっくらしているのに対し、돌마자は真ん中で左右に分かれる。
また、皮質突起が모래주사は下唇のずいぶん後ろのほうまで伸びているのだ。

結局採集できた모래주사はこの一匹だけ。死に間際にわしに観察をさせてくれたようなものだ。いつかは元気な모래주사たちと出会いたい。



というわけで他の魚の撮影タイム。

꺽지(ッコクジ 和名コウライオヤニラミ コクチ Coreoperca herzi)
まずは肉食系から。꺽지(ッコクジ 和名コウライオヤニラミ コクチ Coreoperca herzi)は漢江水系ではないので体にスポットの出ないタイプ。

쏘가리(ッソガリ 和名コウライケツギョ 高麗桂魚 Siniperca scherzeri)
쏘가리(ッソガリ 和名コウライケツギョ 高麗桂魚 Siniperca scherzeri)。いいねぇかっこいいねぇ。これから大きくなるにつれてどんどん体の絵柄が変わっていくんだぜ。残念ながら日本では特定外来生物(第二次指定種)になっていて厳しく取り締まられている。韓国でも18センチ未満の個体は捕獲禁止という事になっているので、こいつは写真をとって即リリースだ。わしも18センチ以上の個体がとれたらお持ち帰りして飼育してみたい。

섬진강자가사리(ソムジンガンジャガサリ 和名なし ミナミアカザの亜種 Liobagrus mediadiposalis ssp.)
섬진강자가사리(ソムジンガンジャガサリ 和名なし ミナミアカザの亜種 Liobagrus mediadiposalis ssp.)
その1で紹介した섬진강자가사리(ソムジンガンジャガサリ 和名なし ミナミアカザの亜種 Liobagrus mediadiposalis ssp.)。アカザはストレスを与えると毒を出すので、たくさん網に入っても写真用に残すのはこの2匹だけにしておいた。これよりも大きな個体もとれたのだけど。
アカザ好きな方には、黒いひれにお洒落さを感じていただけるのでは?

밀어(ミルオ 和名不明 ヨシノボリの一種 Rhinogobius SP.)
밀어(ミルオ 和名不明 ヨシノボリの一種 Rhinogobius SP.)。こいつらはメス。
普段あまり밀어に関心のないわしが今回写真を載せるのには、ちょっとした訳がある。

밀어(ミルオ 和名不明 ヨシノボリの一種 Rhinogobius SP.)
こちらはオス。韓国によくいる、Aタイプと呼ばれる、オーソドックスなヨシノボリだが、第1背びれが長くない。

밀어(ミルオ 和名不明 ヨシノボリの一種 Rhinogobius SP.)
一方、こちらのオスは同じ場所にて採集されたにもかかわらず、第1背びれがロングフィンとなっている。ここには2系統の遺伝的資質を持つヨシノボリがいるということか。

참중고기(チャムジュンコギ 和名ミナミヒガイ Sarcocheilichthys variegatus wakiyae)
続いて참중고기(チャムジュンコギ 和名ミナミヒガイ Sarcocheilichthys variegatus wakiyae)。立派な大きさのメス。

참중고기(チャムジュンコギ 和名ミナミヒガイ Sarcocheilichthys variegatus wakiyae)
もう産卵は終わっていると思うのだけど、それにしてもでっぷりと太っている。おなかが膨らんでいるのではなく、本当に肉付きが良い。この場所はヒガイたちの好物がたくさんあるに違いない。

참중고기(チャムジュンコギ 和名ミナミヒガイ Sarcocheilichthys variegatus wakiyae)
昨年生まれたと思われる、참중고기のチビッ子たち。いやぁとれたとれた。実際にはここにいる分の数倍とれている。こんなにヒガイをとったのは初めてだ。

큰줄납자루(クンジュルラプジャールー 和名オオイチモンジタナゴ Acheilognathus majusculus)
큰줄납자루(クンジュルラプジャールー 和名オオイチモンジタナゴ Acheilognathus majusculus)。その2でも書いたとおり、こいつらは撮影タイムの頃はもう弱ってきていて、成魚の中でも一番元気の残っている個体を撮影した。残念な事に背びれは開いてはくれなかった。

모래무지(モレムジ 和名カマツカ Pseudogobio esocinus)
次はカマツカ亜科。トップはもちろん모래무지(モレムジ 和名カマツカ Pseudogobio esocinus)。砂地をガサガサすれば登場してくれる、憎みきれない奴。

쉬리(シュイリ 和名ヤガタムギツク シュリ Coreoleuciscus splendidus)
쉬리(シュイリ 和名ヤガタムギツク シュリ Coreoleuciscus splendidus)もカマツカ亜科の魚だ。蟾津江・洛東江あたりに生息する쉬리はご覧の通りエメラルドグリーンの光沢をもつ。

참몰개(チャムモルゲェ 和名コウライモロコ Squalidus chankaensis tsuchigae)
もしかして生きているのを日韓ちゃんぽんで写真に残すのは初めてではないだろうか。こいつは참몰개(チャムモルゲェ 和名コウライモロコ Squalidus chankaensis tsuchigae)。
それにしても、モロコってどこの亜科や属に属するのか、いまだによく分からない。どなたか詳しく解説してくださーい。

누치(ヌーチー 和名コウライニゴイ Hemibarbus labeo)
누치(ヌーチー 和名コウライニゴイ Hemibarbus labeo)。こいつも一応カマツカ亜科ってことでいいのかな?모래무지と並んで夜に砂地で出会える魚だな。
こいつ、大きくならないでこのくらいの体のまま成熟すれば可愛いのになぁ。

참갈겨니(チャムカルギョニ 和名不明 カワムツの新種 チョウセンカワムツ? Zacco koreanus → Nipponocypris koreanus)
참갈겨니(チャムカルギョニ 和名不明 カワムツの新種 チョウセンカワムツ? Zacco koreanus → Nipponocypris koreanus)。蟾津江には、こいつと갈겨니(カルギョニ 和名カワムツ Zacco temminckii → Nipponocypris temminckii)の両方が共存している。採集場所は位置的に言ってもずいぶん南側であり、日本に近い場所であるのだが、ここは갈겨니はとれず、みんな참갈겨니のようだ。それも、洛東江・蟾津江にいる典型的なタイプだ。

황어(ファンオ 黄魚 和名ウグイ Tribolodon hakonensis)
おおお! これって황어(ファンオ 黄魚 和名ウグイ Tribolodon hakonensis)だよね!? ウグイの幼魚だよね??
うろこがはげてしまってぼろぼろの個体だけど、自分としてはこれがヒットだった。ウグイの幼魚を見たのって何年ぶりだろう。小学生のとき、房総半島のと親父殿の実家の近くの川で見たきりだから、30年以上経ってしまったわけか。いやぁ懐かしいなぁ。
思わず師匠方面に確認をしてしまったよ。황어で間違いないとのことで、一安心。


というわけで、これにて撤収。
残念ながら、2日目は午後からもう雨が降ってきてしまったので、事実上今回の蟾津江遠征ガサガサはこれでおしまい。天気に恵まれていたら、別な場所に行ってガサガサやってみたかったのだけど、かなりの降雨があったのでそういう訳にも行かなかった。


ここで正直に打ち明けると、今回の目標魚種は、お分かりの通り모래주사(モレジュサ 和名コブクロカマツカ Microphysogobio koreensis)、큰줄납자루(クンジュルラプジャールー 和名オオイチモンジタナゴ Acheilognathus majusculus)、そして은어(ウノ 銀魚 和名アユ Plecoglossus altivelis)だった。だが、모래주사は1匹だけ出会えて、それも傷ついた個体で結局死なれてしまうし、큰줄납자루はやはりどうしてもジンクスを乗り越えられず、お持ち帰りの途中でバタバタ死んで結局1匹も生き残れなかったし、은어は門前払い状態なわけで、目標魚種に対する成果を評価してみればもう貧乏神にとりつかれたようなダメ遠征となってしまった。とほほ~。

でも모래주사は観察できたし、황어の幼魚と出会って懐かしかったし、まあいいか。



次のおまけで終わります。
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プロフィール

アキミツ

Author:アキミツ
97年から韓国に住んでいます。妻は韓国人、子供たちは二重国籍です。
韓国の田舎で野良仕事からサーバー管理まで仕事をしつつ、ときどき川に行ってはガサガサして魚をとってます。

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