尚州は柿の名産地でガサガサ 続き

こちらの続き。

朝を迎えて、我々はどうしたかというと、モーテルに寝ている子供たちをそのままにしてひとまず통발(トンバル いわゆるお魚キラー)を回収。そしてモーテルに戻って子供たちを起こし、朝食をとって、それからモーテルをチェックアウトして採集の目的場所へと移動した。
正直言うと、これは時間のロスが多かった。朝食は前日に町の슈퍼(シューポー スーパーマーケットのことだが、個人経営でやっている雑貨屋のようなもの。朝早くから夜遅くまでやってる、いわゆるコンビニというスタイルが確立する前世代の薄暗いコンビニ)で買ったパン類だったから、別にモーテルの部屋で食べなくても良かったのだ。最初の段階で子供たちを起こし、早々に出発していれば、もう1箇所くらいでの採集が可能だったかもしれないと後になって思った。だが今回は相手方の家庭の事情があるからな。わしはそれに合わせなければならない立場だ。

というわけで、まずは통발回収の話から。

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これが採集場所の風景。魚道のある堰の下はそこそこ深い小石の川底があり、それから30メートルくらいにわたって早瀬ができている。これなら目標魚種が生息していそうだ。
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果たして、통발の中は……
うーむ、칼납자루(カルラプジャールー 和名コウライボテ Acheilognathus koreensis → Tanakia koreensis)ばっかり。わしの感覚としては、こいつのいる場所で수수미꾸리(ススミックリ 和名ヨコジマドジョウ Niwaella multifasciata → Kichulchoia multifasciata)はとれても미유기(ミユギ 和名コウライヤナギナマズ Silurus microdorsalis)はちょっと難しいんじゃないのかなぁというところ。돌고기(トルコギ 和名ムギツク Pungtungia herzi)も混じっているけど、こいつはどこにでもいるから指標にならないし。

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もう一つの통발はもっと칼납자루が多かった。やれやれこいつらは本当に洛東江水系にいっぱいいるね。

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堰を構成する丸いコンクリートブロックの穴に、ヘビがはまって抜け出せないでいた。
쇠살모사(スェーサルモーサ 和名なし。Ussuri Mamushi Agkistrodon ussuriensis)と思われる。特定できないのは、舌を出したところを観察できなかったから。韓国では、マムシで舌の色が赤というかピンク色をしていれば쇠살모사、黒ければ살모사(サルモーサ 和名タンビマムシ Agkistrodon brevicaudus)と言えるのだ。韓国にはほかに까치살모사(ッカチサルモーサ 和名カササギマムシ Agkistrodon saxatilis)というマムシがいるが、こいつは滅多にお目にかかれないし、非常にコントラストの強い体色なので一発で分かる。
実はこいつ、昨日の晩からここにはまっていた。朝になる前に抜け出すだろうと思っていたのに、朝になっても抜け出せずにいるとはなんたる間抜け。相手方がどこかから木の棒を見つけてきて、ヘビを救出して草むらに追いやった。

それにしても、수수미꾸리は통발に入りにくいとして、미유기が통발に入っていないというのはがっかりだ。もっと上流を目指すべきだったか。結局통발の中身は全部放流しておしまい。

先ほども書いたが、モーテルに戻って、子供たちを起こして、朝食をとって、改めて出発。かくして3時間後に同じ場所に戻ることに。3時間か……。もっとも、朝は大人二人だけだったが、今回は子供同伴だ。

そしてわしは早瀬部分を徹底的にガサガサすることに。

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最初にとれたのは、돌고기と꺽지(ッコクジ 和名コウライオヤニラミ コクチ Coreoperca herzi)。꺽지は今年生まれのまだチビッ子だが、あとで去年生まれた個体や一昨年以前に生まれた個体も採集できた。

칼납자루(カルラプジャールー 和名コウライボテ Acheilognathus koreensis → Tanakia koreensis)
칼납자루(カルラプジャールー 和名コウライボテ Acheilognathus koreensis → Tanakia koreensis)。一応こいつも写真に撮っておかねばと思って。いやぁ本当にたくさんいる。

쉬리(シュイリ 和名ヤガタムギツク シュリ Coreoleuciscus splendidus)
쉬리(シュイリ 和名ヤガタムギツク シュリ Coreoleuciscus splendidus)。こいつも今年生まれたチビッ子からとても良い大きさまで。でもこちらで採集できた巨大쉬리が今回は一番大きかった。

자가사리(ジャガサリ 和名ミナミアカザ Liobagrus mediadiposalis)
자가사리(ジャガサリ 和名ミナミアカザ Liobagrus mediadiposalis)。こいつの今年生まれた個体は青黒いな。わしの住む漢江水系には자가사리はおらず、代わりに퉁가리(トゥンガリ 和名コウライアカザ Liobagrus andersoni)がいるが、こいつはチビッ子でもオレンジ色をしている。

수수미꾸리(ススミックリ 和名ヨコジマドジョウ Niwaella multifasciata → Kichulchoia multifasciata)
そして待望の수수미꾸리(ススミックリ 和名ヨコジマドジョウ Niwaella multifasciata → Kichulchoia multifasciata)。やっと来たよ。

わしがこいつら수수미꾸리にてこずる理由がある。それは、相当体長のある個体でも「網の目をすり抜ける」からだ。網を水から上げて、よっしゃぁ수수미꾸리がかかったぁ~と岸方面に移動している最中に、気がつくと網から수수미꾸리がいなくなっているということが何度もあった。ならば、目の細かい網を使えば良いのではないかと仰る方がいらっしゃるかもしれないが、韓国の網は安くて人によっては1回のお出かけで使い捨てるほど。網の目の規格もほとんど決まってしまっていて、だいたい2種類くらいしか入手できないと思って良い。
ああ、できることなら網を特注したい。早瀬の石が入り込んでも切れたりしない丈夫な材質の網があれば、デザインして「わし専用網」として数年間ガンガン使いたいのだけどなぁ。

結局、미유기はゼロ。수수미꾸리も深夜ガサガサと合わせて辛うじて両手で数えられる数を超えたかなってところ。師匠が教えてくれた場所ではなかったのか、それとも時期的な問題か……まぁ仕方ないね。
自分ひとりならこの後は撮影タイムに突入するところなのだが、今回はなし。13時頃撤収して、途中昼食をとったり休んだりしながらソウルへ。それからお持ち帰りの魚を分けたり荷物を移したりいろいろやって、相手方と別れて自分の家に着いた頃はもう20時を回っていた。

いやぁ、今回はドライバーをしなくて良い分頑張ったんだけどなぁ。やっぱり魚は奥が深いや。



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おまけ。子供たちにもタモ網を貸して魚とりをさせてみたりした。ソウルっ子たちだけど、今後アウトドアに興味を持って魚とりとかやってくれるようになったらいいな。
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tag : 洛東江水系

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アキミツ

Author:アキミツ
97年から韓国に住んでいます。妻は韓国人、子供たちは二重国籍です。
韓国の田舎で野良仕事からサーバー管理まで仕事をしつつ、ときどき川に行ってはガサガサして魚をとってます。

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