視界4メートル! 闇の洪川江ガサガサ

韓国の人たちは、夏になると川遊びを楽しむ。
週末となると、場所によっては河原に車が入り込み、駐車している車の前にテントが張られ、ビーチパラソルが並び、バーベキュー等をする煙が立ち上り、釣りをする人の前では子供たちがはしゃぎまわり、釣り糸の先をラフティングのボートが早瀬を下っていく。夏の水遊びと言うと海水浴を思い浮かべてしまう日本人にとっては(地方によっては川遊びというところもあるかも知れませんね失敬)、この光景は結構カルチャーショックだったりする。

そんな夏の川遊びのメッカとも呼べる場所がある。홍천(ホンチョン 洪川)というところだ。ここには北漢江支流の홍천강(ホンチョンガン 洪川江)という川が流れている。広い河原と水遊びにちょうど良い水深と程よい流速を保つ川だ。この川へは過去にも旧日韓ちゃんぽんで何度か登場している。また支流での採集記録もこの辺とかこの辺にある。

さて今回、仕事の帰りが遅くなったついでに、洪川江本流に行ってきた。場所は風光明媚と知られる팔봉산(パルボンサン 八峰山)のあるあたりより少々上流にある場所。地形は早瀬。水はあまり澄んではおらず、石に有機物がたくさん付着していて滑りやすい。
줄납자루(ジュルラプジャールー 和名チョウセンイチモンジタナゴ Acheilognathus yamatsutae)
早瀬の上の止水域っぽくなっている場所で、なんかフナっぽい魚がいるなと思い網に入れてみたら、(ジュルラプジャールー 和名チョウセンイチモンジタナゴ Acheilognathus yamatsutae)のオスだった。尾びれの付け根の上側に傷があるけど、すごい立派なオス。ここ洪川江ではこの줄납자루が優占種だというけれど、その中でもボス級の貫禄がある大きさ。

동사리(ドンサリ 和名コウライドンコ Odontobutis platycephala)
동사리(ドンサリ 和名コウライドンコ Odontobutis platycephala)。早瀬志向のドンコだ。前にも書いたがダムを境にして北漢江の下流側とその支流では동사리を見たことがない。미원쳔(ミウォンチョン 美原川)や가평천(カピョンチョン 加平川)、ここ洪川江などダムの上流側では採集経験がある。

쉬리(シュイリ 和名ヤガタムギツク シュリ Coreoleuciscus splendidus)
쉬리(シュイリ 和名ヤガタムギツク シュリ Coreoleuciscus splendidus)。早瀬だからな。なにはともあれこいつがとれなければ始まらない感じ。それにしてもゴールドな個体だな。쉬리の体色は本当に不思議で、飼育環境下だと黒くなってしまいがちだが天然だとこのように全体ゴールドになったり、側面のラインも虹色ストライプなものもいれば赤と黄色のぶっといラインになるものもいる。

돌상어(トルサンオ 돌(石)沙魚 和名サメガシラ 鮫頭 Gobiobotia brevibarba)
うはぁGobiobotiaキター(゚∀゚)
流れの速いところで돌상어(トルサンオ 돌(石)沙魚 和名サメガシラ 鮫頭 Gobiobotia brevibarba)ですよ。こいつらは本当に流れの速いところが大好きで、早瀬の中でも足を踏ん張らないといけないようなところに住んでいる。

돌상어(トルサンオ 돌(石)沙魚 和名サメガシラ 鮫頭 Gobiobotia brevibarba)
もういっちょ돌상어。石をめくると、その石が「当たり」ならばこのように複数の個体がまとめて網にかかることもある。

눈동자개(ヌンドンジャゲェ 和名クロギギ Pseudobagrus koreanus)
눈동자개(ヌンドンジャゲェ 和名クロギギ Pseudobagrus koreanus)。こいつは数匹だけだが現れた。こいつが網にかかると胸びれが網に引っかかるので、できればあまり網にかかって欲しくない奴等だ。

20121110001032.jpg
肉食系の小さな奴等がまとめて網に入った。まぁこのくらいはよくあることだ。꺽지(ッコクジ 和名コウライオヤニラミ コクチ Coreoperca herzi)、밀어(ミルオ 和名不明 ヨシノボリの一種 Rhinogobius SP.)、そして一番左は……

꾸구리(ックグリ 和名ズナガドジョウカマツカ Gobiobotia macrocephala)
꾸구리(ックグリ 和名ズナガドジョウカマツカ Gobiobotia macrocephala)でしたぁ。(ΦωΦ)ネコメカマツカ
夜なもんだからこんなにお目目ぱっちりでもう(●ω●)になってますな。最近このブログのトップ写真がランダムで表示されるようにしたので、その中に꾸구리もいるから昼の顔と夜の顔を比較していただきたい。
꾸구리も동상어同様、早瀬に住む魚だ。쉬리や꺽지、퉁가리などが早瀬以外の普通の場所でも採集することがあるのに対して、꾸구리や돌상어は早瀬とそのすぐ近くにしか生息しない。
そういえば、北漢江の水系で꾸구리が網に入ったのは初めてかもしれないな。

퉁가리(トゥンガリ 和名コウライアカザ Liobagrus andersoni)
その퉁가리(トゥンガリ 和名コウライアカザ Liobagrus andersoni)。石を一つめくってみたらそこがアジトだったようで、ご覧の通り。
いやぁ、肉食系が結構とれた。これで미유기(ミユギ 和名コウライヤナギナマズ Silurus microdorsalis)と쏘가리(ッソガリ 和名コウライケツギョ 高麗桂魚 Siniperca scherzeri)が採集できてたら言う事なしなんだけどなぁ。ちなみにここ洪川江ではこの2種ともしっかり生息しているらしい。

꺽지、퉁가리、돌상어、꾸구리、쉬리が相次いで網にかかる中、気がつくと夜霧が湧いてきていて、街路灯も月明かりもないものだからあたり一面真っ暗な闇に包まれていた。視界は4メートルあれば良いほう。ヘッドランタンの光が届くところに岸が見えていないと、本気で自分のいる位置を見失うくらいの闇。やばい。せめて他の魚種がとれたらお開きにしようと思っているのだけど、それが出てこない。やばいので歌を歌いながら、辛うじて岸が見える位置でガサガサを続けた。

배가사리(ベガサリ 和名ホタテコブクロカマツカ Microphysogobio longidorsalis)
そしてやっと出たのが배가사리(ベガサリ 和名ホタテコブクロカマツカ Microphysogobio longidorsalis)。そういえばこいつも早瀬の魚だったな。

これにて今回はおしまい。帰るときも霧が深くて先が見えず、対向車なんてほとんどいないけどハザードランプをつけながら帰った。


줄납자루(ジュルラプジャールー 和名チョウセンイチモンジタナゴ Acheilognathus yamatsutae)
ちなみに、最初にとれた줄납자루はお持ち帰りした。改めて写真に撮ってみると、いやぁでかい。素晴らしい大きさと貫禄だ。
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tag : Gobiobotia 洪川江

コメント

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No title

こんばんは
バーベキューの話しは、聞いたことがあります。
釣った魚を、鍋の具材にして楽しむのが一般的のようですね。
日本では、釣りと川遊びは仲良くできないんですよね(笑)
韓国の方は、川と親しむのが上手ですね。

チョウセンイチモンジでかい!!!
最後の写真を見て、自分の手に置き換えてみましたが、本当に大きいですね。
体高もかなりありますね。

台湾のヒゲカマツカ(勝手に呼んでます)も、流れのあるとこにいるようです。
早瀬にいるカマツカ、未採集だと想像しにくいです。
網に付いてる有機物の感じから、ただの早瀬とは少し環境が違うのでしょうね。
参考にさせて頂きます。


No title

(ΦωΦ)ネコメカマツカ、夜はヤバイですね(●ω●)キュピーン
ぜんぜん雰囲気が違うので、一枚目の写真ではハゼの一種かと思いました。
こんなになってるということは、闇夜の水中で眼が見えているんでしょうか。

ネコメカマツカを使った空き缶マジックを思い出しました。
でもあの時はすぐに(ΦωΦ)になってましたね・・

Re: No title

アヤヨシ様
コメント有難うございます。

> 韓国の方は、川と親しむのが上手ですね。

渓谷から大き目の河川まで、いろんなところで川遊びをやっています。
細菌感染が心配になるような水質でも、あとで洗い落とせばケンチャナヨみたいな感じでやっている人もいまして、最初はちょっとびっくりしました。

> 台湾のヒゲカマツカ(勝手に呼んでます)も、流れのあるとこにいるようです。
> 早瀬にいるカマツカ、未採集だと想像しにくいです。

台湾のGobiobotiaによく似た種が韓国にもおりまして、それが今回の採集には出てこないやつなのですが、これが「流速のある砂底」に生息しています。大き目の河川の早瀬の途中や下流にできる砂底におりまして、小さな河川にはなかなかいないようです。

Re: No title

おいかわ丸様
コメント有難うございます。

> (ΦωΦ)ネコメカマツカ、夜はヤバイですね(●ω●)キュピーン
> ぜんぜん雰囲気が違うので、一枚目の写真ではハゼの一種かと思いました。

ズナガドジョウカマツカの夜の顔は、これはこれで本当にかわいいんです。
闇夜の水中に特化した目としか言いようがありませんね。


> ネコメカマツカを使った空き缶マジックを思い出しました。
> でもあの時はすぐに(ΦωΦ)になってましたね・・

公の方に怒られてしまいますが、もう一度ちゃんとした動画を撮っておきたいです。
あの時は缶の中に予想外にゴミが入っていて、きれいな状況でお見せできなくて申し訳ございませんでした。

No title

ご無沙汰しております.もうあっという間に今年も終わりですね.

ネコメカマツカ,おいかわ丸さんと全く同じ思考で笑ってしまいました.僕は「何?このカジカみたいなん?」と思って,その下を見て「あぁ!!!」となりました.ネコ目の状態が目と心に焼き付いているので,全く違う魚に見えました.ほんとにすごい魚ですよね.これだけ変化するということは,きっと見えてるんでしょうけど,いったい何を見ているのか,気になります.魚の世界は奥深い….

Re: No title

Tommy様
コメント有難うございます。

> ネコメカマツカ,おいかわ丸さんと全く同じ思考で笑ってしまいました.僕は「何?このカジカみたいなん?」と思って,その下を見て「あぁ!!!」となりました.ネコ目の状態が目と心に焼き付いているので,全く違う魚に見えました.ほんとにすごい魚ですよね.これだけ変化するということは,きっと見えてるんでしょうけど,いったい何を見ているのか,気になります.魚の世界は奥深い….

昼間の実験でお見せしたときはここまで目が開かれていなかったと思いますが、このお目目ぱっちりぶりは他の小型カマツカ属の魚よりも大きく開かれているのではないかと思うほどです。
プレコですと光の強弱で三日月模様が緑内障でもかかったように見えますが、この種は本当に猫目ですので違いが印象深くなりますね。
この目でどんな世界を見ているのか、想像が膨らみます。産卵が真っ暗な深夜の石の下で行われるのではないかとか……。
プロフィール

アキミツ

Author:アキミツ
97年から韓国に住んでいます。妻は韓国人、子供たちは二重国籍です。
韓国の田舎で野良仕事からサーバー管理まで仕事をしつつ、ときどき川に行ってはガサガサして魚をとってます。

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