漢灘江ガサガサ

※この記事は、2008年5月3日にアップされた「旧日韓ちゃんぽん」記事です。


1時間15分かけて行ってきました한탄강(ハンタンガン 漢灘江)。
朝は霧が深くて視界が悪かったけど、無事たどり着いた。

20080428062813.jpg
こんな場所。広い川だなぁ。わしには広すぎてポイントが絞りきれない。
川に入ってみると、2日前に雨が降ったせいか、水がにごってる。それに魚影がぜんぜん見えない。なぜかこんなのがたくさん見える。

참게(チャムゲ 和名チュウゴクモクズガニ Eriocheir sinensis)
참게(チャムゲ 和名チュウゴクモクズガニ Eriocheir sinensis)のこども。こんなのがごろごろ見えるのだが、でも全部死んでる。やたらと目に付く。
魚影がぜんぜん見えないし、初めて来た川なので、ちょっと心配になりながらガサガサしてみた。


※ここから加筆

ちなみに漢灘江という川はどういうところかというと、임진강(イムジンガン 臨津江)の重要な支流と言える。非武装地帯である38度線に近いところを流れる川だ。当時、わしは臨津江に行ってみたいのだけどもそこまで遠征する勇気がなかったので、まずはここ漢灘江に行ってみたという次第。
今回この「旧日韓ちゃんぽん記事」として再掲載しようと思ったのは、このとき初めて「Gobiobotia(ドジョウカマツカ属)」に出会ったから。韓国にはGobiobotiaは全部で3種類生息しているが、そのうちの2種類に出会えた。それはそれは魅力的な魚種だった。
しかし本当にとんでもない流れのところに住んでいる魚で、記事としてはさらっと書いてあるが、このときは初めてだったこともあって、正直申し上げると採集しながら何度身の危険を感じたか分からない。

※ここまで
쉬리(シュイリ 和名ヤガタムギツク シュリ Coreoleuciscus splendidus)
最初にとれたのは쉬리(シュイリ 和名ヤガタムギツク シュリ Coreoleuciscus splendidus)!これは幸先がいいぞと確信。
続いてガサガサしてみると、

대농갱이(デェーノンゲンイ 大농갱이 和名ホソギギ Leiocassis ussuriensis)
ギバチ。尾びれの形を見て、눈동자개(ヌンドンジャゲェ 和名クロギギ Pseudobagrus koreanus)かと思ったのだが、韓国の方が写真を見て、「これは대농갱이(デェーノンゲンイ 大농갱이 和名ホソギギ Leiocassis ussuriensis)だ」と教えてくれた。ほう、そうだったのか。
※今見ると눈동자개のような気がするんだけどなぁ。

배가사리(ベガサリ 和名ホタテコブクロカマツカ Microphysogobio longidorsalis)
배가사리(ベガサリ 和名ホタテコブクロカマツカ)のメス。腹がふくれてるよ。

쉬리(シュイリ 和名ヤガタムギツク シュリ Coreoleuciscus splendidus)
昨年生まれで越冬した쉬리の幼魚もとれた。
ここまでが1番目の写真に見える橋の下でガサガサしてみたもの。
なんとなく予感がして、ちょっと場所を変えようと思い、もうちょっと下流のところ(写真でいうと左側)でガサガサしてみた。
1枚目の写真でいうと、撮影位置から川に入っていくと早瀬があり、島がある。島に囲まれるように流れの緩やかなところがあり、さらにその先には非常に深いところがあって反対岸となる。
早瀬の部分でガサガサしてみると、膝くらいの水深のところで


쉬리の群れをまるごと網に入れちゃったようだ。
そしてもうちょっと進んで深さ膝上、流れがめちゃくちゃ速いところで、


キタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!
돌상어(トルサンオ 돌(石)沙魚 和名サメガシラ 鮫頭 Gobiobotia brevibarba)と꾸구리(ックグリ 和名ズナガドジョウカマツカ Gobiobotia macrocephala)が網にかかったよ。
こいつらに出会いたかったのだよわしは。うほっ。심봤다~って感じ。やはり今回は幸運が。
ともに絶滅危惧2種指定の貴重な魚だ。個人的にはものすごくお持ち帰りしたいところだが、お持ち帰りすると法で罰せられるからな。


배가사리(ベガサリ 和名ホタテコブクロカマツカ Microphysogobio longidorsalis)
배가사리のオス。背びれに婚姻色が出てる。
島を歩いていくと、その島と島の間の流れの緩やかなところで魚影が見えた。
実はこの川には중고기(ジュンコギ 和名コウライヒガイ Sarcocheilichthys nigripinnis morii)や참중고기(チャムジュンコギ 和名ミナミヒガイ Sarcocheilichthys variegatus wakiyae)がいると聞いていた。正直言うとこの川には중고기と참중고기を目当てで出かけた。先ほど紹介した돌상어や꾸구리はもっと上流に行かないと出会えないと思っていたのだ。돌상어は川が汚染されたら真っ先に姿が見えなくなると言われているくらいだから。
話を戻して、その魚影は중고기や참중고기ではないかと思ったのだ。それでガサガサしてみた。

모래무지(モレムジ 和名カマツカ Pseudogobio esocinus)
18センチ級の모래무지(モレムジ 和名カマツカ)。これまた立派な個体が網にかかったよ。これはこれで嬉しい。


さらにガサガサしてみたのだけれど、網にかかったのは돌마자(トルマジャ 和名ムナイタカマツカ Microphysogobio yaluensis)に참마자(チャムマジャ 和名ズナガニゴイ Hemibarbus longirostris)。

20080428104019.jpg
隠れずにずっと泳ぎ回っている奴がいたから、ちょっと苦労したけど追い込んで網に入れてみた。なんのことはないただの피라미(ピラミ 和名オイカワ Zacco platypus)だった。
※なんか違う気もしないでもないが、瞳の上や上唇の先が赤いので피라미かなぁ。

돌고기(トルコギ 和名ムギツク Pungtungia herzi)
流れが穏やかなところの石の下に魚の気配がしたので、網を入れてみた。なんのことはないただの돌고기(トルコギ 和名ムギツク Pungtungia herzi)だった。
結局중고기や참중고기には出会えなかったが、돌상어と꾸구리に出会えたのでおなかいっぱい。

※ここから加筆

それでは撮影タイムをば。

모래무지(モレムジ 和名カマツカ Pseudogobio esocinus)
撮影用水槽に入りきらない모래무지(モレムジ 和名カマツカ Pseudogobio esocinus)。

참마자(チャムマジャ 和名ズナガニゴイ Hemibarbus longirostris)
참마자(チャムマジャ 和名ズナガニゴイ Hemibarbus longirostris)の未成魚。
참마자(チャムマジャ 和名ズナガニゴイ Hemibarbus longirostris)
참마자(チャムマジャ 和名ズナガニゴイ Hemibarbus longirostris)を上から撮影したところ。白く光る目に注目。この白く光る目はなんというかニゴイ系の特徴的なものを感じる。特に夜ガサガサしているときにこの白く光る目が自分の横をすうっと移動したりなんかすると、どきっとすることがある。
새코미꾸리(セコミックリ 和名ハナジロドジョウ Koreocobitis rotundicaudata)
새코미꾸리(セコミックリ 和名ハナジロドジョウ Koreocobitis rotundicaudata)。ただでさえ撮影の難しい魚を逆光で撮影してしまった。
새코미꾸리(セコミックリ 和名ハナジロドジョウ Koreocobitis rotundicaudata)
새코미꾸리(セコミックリ 和名ハナジロドジョウ Koreocobitis rotundicaudata)を上から撮影したところ。

さて、ここからは猫目のターン。(ΦωΦ)
꾸구리(ックグリ 和名ズナガドジョウカマツカ Gobiobotia macrocephala)
꾸구리(ックグリ 和名ズナガドジョウカマツカ Gobiobotia macrocephala)。꾸구리といえば猫目の魚。猫目の魚といえば꾸구리。
꾸구리(ックグリ 和名ズナガドジョウカマツカ Gobiobotia macrocephala)
꾸구리を上から撮影したところ。この背びれの後ろに広がる3つのバンドが素晴らしい。(*´ω`*)

꾸구리(ックグリ 和名ズナガドジョウカマツカ Gobiobotia macrocephala)
猫目のアップ。うーん素晴らしい。(*´ω`*)

꾸구리(ックグリ 和名ズナガドジョウカマツカ Gobiobotia macrocephala)
やはり猫目はええのう。この魚を欧米の人たちが知ったら、ナマズのcatfishの名前なんかどこかに飛んでいってしまいそうなのに。


本当に대농갱이(デェーノンゲンイ 大농갱이 和名ホソギギ Leiocassis ussuriensis)かなぁ?

배가사리(ベガサリ 和名ホタテコブクロカマツカ Microphysogobio longidorsalis)
배가사리(ベガサリ 和名ホタテコブクロカマツカ Microphysogobio longidorsalis)。韓国の淡水魚好きな奴等は「先生」と呼ぶ。追星の出た見事な雄。

배가사리(ベガサリ 和名ホタテコブクロカマツカ Microphysogobio longidorsalis)
先生ちょっと自慢の「帆」を見せてくださいよ失礼しますよ。いやぁ、やっぱりすごいですなこの「帆」は。対抗できるのはグレイリングくらいなものでしょうかねぇ先生。


Microphysogobio詰め合わせ♪
배가사리(ベガサリ 和名ホタテコブクロカマツカ Microphysogobio longidorsalis)
こちらはメス。それでもなかなか立派な「帆」をお持ちのようで。

そしてここからサメガシラのターン。
돌상어(トルサンオ 돌(石)沙魚 和名サメガシラ 鮫頭 Gobiobotia brevibarba)
돌상어(トルサンオ 돌(石)沙魚 和名サメガシラ 鮫頭 Gobiobotia brevibarba)の大きいのと小さいの。

돌상어(トルサンオ 돌(石)沙魚 和名サメガシラ 鮫頭 Gobiobotia brevibarba)
たとえちびっ子であったとしても、他の魚がくじけてしまいそうなくらい流れの速いところで暮らしているのだ。

돌상어(トルサンオ 돌(石)沙魚 和名サメガシラ 鮫頭 Gobiobotia brevibarba)
サメというよりは、どちらかというと新幹線って感じですな。

돌상어(トルサンオ 돌(石)沙魚 和名サメガシラ 鮫頭 Gobiobotia brevibarba)
上から撮影したところ。思ったより横幅があるでしょ?

돌상어(トルサンオ 돌(石)沙魚 和名サメガシラ 鮫頭 Gobiobotia brevibarba)
この胸びれの反り返り具合が素晴らしい。まさにスポイラーですな。Gobiobotiaたちは口や腹びれで石に吸い付くのではなく、これでダウンフォースを得て石にへばりついているのですよ。

쉬리(シュイリ 和名ヤガタムギツク シュリ Coreoleuciscus splendidus)
最初に쉬리(シュイリ 和名ヤガタムギツク シュリ Coreoleuciscus splendidus)が来たから最後も쉬리で締めなきゃ。最初のダークフォースに堕ちた쉬리とは打って変わって、こちらは輝くレインボー쉬리ですよ。


撮影を終えたころには、夜霧はすっかり晴れてよい天気に。

※ここまで

모래무지(モレムジ 和名カマツカ Pseudogobio esocinus)
この18センチ級모래무지、撮影を終えても逃げずにずっとわしを待っていたので、手ですくってうちにつれて来ちゃった。


面白すぎて昼前まで5時間近くガサガサしてしまった。おかげで우리 집사람に「何時になったら帰ってくるの」とおこられちった。
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tag : 臨津江方面 Gobiobotia

コメント

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No title

アキミツさま

ドジョウカマツカとの出会いは身の危険を感じながらだったんですね。
おかげで、わたしはすばらしいドジョウカマツカたちの写真を見られて、ほんとに嬉しいです。

改めて、ドジョウカマツカ(と、コブクロカマツカ)はいいですねぇ~。

No title

あきみつさんこんばんは
遅くなりましたが明けましておめでとうございます
ヤガタムギツク、綺麗です( ´ ▽ ` )ノ

全然関係ないんですが、この前釣った手長エビを食べてみました
素揚げにしたらとても美味しく召し上がれました!笑

Re: No title

らいあます様
コメント有難うございます。

> ドジョウカマツカとの出会いは身の危険を感じながらだったんですね。
> おかげで、わたしはすばらしいドジョウカマツカたちの写真を見られて、ほんとに嬉しいです。

水流に体を流されつつ、杖代わりに網をさしたら、網が広がりまして、その中にドジョウカマツカが入っていたのです。
流れの速いところに生息する、とは聞いていたのですが、本当にピンポイントで流れの速いところだけに生息していました。
ドジョウカマツカに出会ったのはこのときが初めてでしたので、無茶をやった気がします。
まぁ、この後臨津江や南漢江などに行きまして、なんとなく生息していそうな場所の「勘」を掴みました。今思えば、この漢灘江の採集場所は「条件が厳しい割には生息数が少ない場所」だったのかも知れません。

> 改めて、ドジョウカマツカ(と、コブクロカマツカ)はいいですねぇ~。

GobiobotiaとMicrophysogobioはロマンですよ、はい。

Re: No title

ゆーた様
コメント有難うございます。

> あきみつさんこんばんは
> 遅くなりましたが明けましておめでとうございます
> ヤガタムギツク、綺麗です( ´ ▽ ` )ノ

ヤガタムギツクは本当に綺麗です。でも、飼育しているとこの色を出してくれないのです。
天然の色合いを飼育下で再現したり、繁殖させたりするのは難しいようです。

> 全然関係ないんですが、この前釣った手長エビを食べてみました
> 素揚げにしたらとても美味しく召し上がれました!笑

四万十川のほうでは、テナガエビがたくさんとれるので名物料理などがあるようですね。

No title

ウ~ンかっこいい!

38℃線と聞くだけで、私的にはなんだか怖い場所のような感じがしてしまいます。
もちろん全てがそのような場所ではないでしょうが。

でもこの魚がいると思うと・・・行きたい。
プロフィール

アキミツ

Author:アキミツ
97年から韓国に住んでいます。妻は韓国人、子供たちは二重国籍です。
韓国の田舎で野良仕事からサーバー管理まで仕事をしつつ、ときどき川に行ってはガサガサして魚をとってます。

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